小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
94 / 347
小助くんと春のきせつ

大男の山べえといっしょにおとまり(その4)

しおりを挟む
 夜になってすっかりとくらくなったどうくつでは、小助と山べえがぐっすりとねむっています。いびきをかいてねている山べえのとなりには、はらがけ1まいの小助がかわいい顔つきでゆめの中へ入っています。

 すやすやとねむっている小助は、まるでゆめの中で楽しくあそんでいるようなねがおを見せています。



 そのころ、小助はゆめの中で山べえといっしょにぼうけんをしています。山べえは、小助をかた車にしながら前へ向かってあるいています。

「ねえねえ! ねえねえ!」
「小助、どうしたんだ」

 小助はもじもじしながら、森の中をすすむ山べえにかわいい声をかけています。

「お、おちっこ(おしっこ)……」
「まだまだ森がずっとつづくのに、こんなところで……」

 山べえは、おしっこがしたくなった小助のようすにとまどっています。小助がかた車をしているままでおもらしすると、たいへんなことになってしまいます。

「おちっこ! おちっこ!」
「しょうがないなあ。そこに大きな木があるからここでしておいで」

 森のとちゅうで、山べえは小助を下ろそうとしゃがみました。小助は、はらがけの下をあさえながらいそぎ足でかけ出して行きます。

 そんな時、目の前の大きな木から屋にやらおじいちゃんらしき声が聞こえてきました。

「そこのぼうや、ここでおしっこをしたらダメだぞ。ここでおしっこをしたら……」

 その声に気づいた小助ですが、早くおしっこをしようと大きな木のそばでジタバタしています。

「おちっこ、おちっこ……。ジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョ~ッ」

 小助は、大きな木のねっこに向かっておしっこをしはじめました。おしっこを出しつづけるうちに、小助はしだいにすっきりした顔つきにかわりました。

 すると、小助の目の前に広がる森のけしきがしだいにきえていきました。



「小助、もう朝になったぞ」

 小助は、自分の耳に入ってきた山べえの声に気づくとすぐに目をさましました。すると、そこには山べえのすがたがありました。

 山べえは、小助のねているおふとんのほうをじっと見ています。

「あ~あ、おねしょしちゃったのか」
「てへへ、おねちょ(おねしょ)! おねちょ!」

 小助はこの日の朝も、小さい子どもらしくでっかいおねしょをおふとんにやってしまいました。それでも、小助は顔を赤らめながらもぐっしょりしたおねしょぶとんを前にえがおでいっぱいです。

「まったく、しょうがないなあ」

 山べえは、小助がおとまりしてやってしまったおねしょのふとんを近くにある木の太いえだにほしています。そんな中にあっても、小助はどうくつから出るとたきつぼの池に向かってかけ出しています。

「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」
「すぐ行くから、ちょっとまってくれよな」

 小助は池の中へとびこむと、おねしょでぬれたはらがけをつけたままであらいながしています。山べえは、あいかわらず元気いっぱいの小助のすがたにタジタジです。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

まほうのマカロン

もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは 貧しい家庭で暮らしていました。 ある日、おんなのこは森に迷い込み、 優しいおばあちゃんに出会います。 おばあちゃんは特別なポットから 美味しいものが出てくる呪文を教え、 おんなのこはわくわくしながら帰宅します。 おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、 驚くべき出来事が待っていました

はじめて言葉を話した青年

藤本夏実
絵本
言葉はどうやってうまれたかを考えたことはありますか?言葉の起源を考え、人との交わり方を気にしながら、書きました。はじめて言葉を話しだしたら、こんな感じかなと思います。

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

神ちゃま

吉高雅己
絵本
☆神ちゃま☆は どんな願いも 叶えることができる 神の力を失っていた

ちびりゅうと びゃっこくんの ふしぎな てんらんかい

関谷俊博
絵本
これも いつもの だましえです。タイトルは「てんらんかい」としましたが、かなり くるしまぎれです。

冒険者ではない、世界一のトレジャーハンターになる!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」宝船竜也は先祖代々宝探しに人生を賭けるトレジャーハンターの家に生まれた。竜也の夢は両親や祖父母のような世界1番のトレジャーハンターになる事だ。だが41年前、曾祖父が現役の時代に、世界に突然ダンジョンが現れた。ダンジョンの中でだけレベルアップしたり魔術が使えたりする上に、現れるモンスターを倒すと金銀財宝貴金属を落とす分かって、世は大ダンジョン時代となった。その時代に流行っていたアニメやラノベの影響で、ダンジョンで一攫千金を狙う人たちは冒険者と呼ばれるようになった。だが、宝船家の人たちは頑なに自分たちはトレジャーハンターだと名乗っていた。

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

処理中です...