小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
148 / 347
山おくのにぎやかな春

小助くんとお母さんの楽しい田うえ

しおりを挟む
 いよいよ、田うえをするきせつがやってきました。

 小助は、今から田うえをするのがとても楽しみです。お母さんより先にすすむと、すぐに水がはった田んぼの中にとびこみました。

「わ~い! 田うえ! 田うえ!」

 お母さんがくる前から、小助は田うえがしたくてたまらないようすです。これを見たお母さんは、自分たちがつかう田んぼの中へ足を入れました。

「小助くん、いっしょに田うえをしようかな」
「早くちたい(早くしたい)! 早く……。ギュルギュルゴロゴロゴロゴロッ」

 小助は、くるしそうな顔つきを見せながらりょう手でおしりをおさえています。その場でしゃがむと、小助はひっしにふんばりながら声を上げています。

「うん! うううう~んんっ!」

 その声を出したとたん、小助はふたたびいつものえがおでお母さんの前で元気な声を出しました。

「かあちゃ、こっち! かあちゃ、こっち!」
「小助くん、うんこがいっぱい出たね」

 小助の足元には、さっき出たばかりのでっかいうんこがたくさんのっかっています。かわいいえがおの小助に、お母さんもやさしく見つめています。

「元気なうんこは、田んぼのこやしになるからちゃんとたがやさないといけないわ」

 お母さんは、小助のうんこを田んぼの土といっしょに木ぐわでたがやしています。それを終えると、自分の竹かごから出したなえを小助に手わたしました。

「それじゃあ、2人でいっしょにうえようね」
「田うえ! 田うえ!」

 小助は、お母さんといっしょになえを手ですこしずつうえています。とちゅうでぬかるみに足をとられても、小助はどろんこだらけで大よろこびです。

「どろんこ! どろんこ!」

 田んぼのほうでは、小助もお母さんも手なれたようすでなえをうえています。てきぱきとすすめるお母さんにたいして、小助のほうは小さい体でいっしょうけんめいに田うえをしています。

「うんしょ! うんしょ! うんしょ!」

 そのすがたに、お母さんもなえをうえながらほほえましそうに見つめています。しばらくすると、田んぼのすみからすみまでみどり色のなえを一通りうえることができました。

「秋になって、おいしいお米がとれるといいね」

 お母さんは、田んぼを見ながらみのりの秋がくるのをねがっています。そんな時、田んぼの中にいる小助は下のほうをじっと見ています。

「わあ~っ! オタマジャクシ! オタマジャクシ!」

 小助のまわりには、何びきものかわいいオタマジャクシが水のはった田んぼをおよいでいます。これを見たお母さんは、小助にあることを教えようと声をかけました。

「小助くん、オタマジャクシは大人になったら何になるかな?」
「オタマジャクシ?」
「オタマジャクシはねえ、大人になったらカエルになるんだよ」
「カエル?」
「そう、カエルになるんだよ。小助くんはカエルが大すきだものね」
「わ~い! カエル! カエル! カエル!」

 オタマジャクシが大きくなってカエルになったら、小助といっしょに歌うことがあるかもしれません。小助はオタマジャクシをじっと見ながら、カエルになりきって元気な鳴き声を上げています。

「ケロケロッ、ケロケロッ、ケロケロケロッ」
「ふふふ、カエルみたいに元気な鳴き声で歌っているわね」

 お母さんは、小助がカエルたちといっしょに歌うすがたを見たいとまちきれないようすです。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

まほうのマカロン

もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは 貧しい家庭で暮らしていました。 ある日、おんなのこは森に迷い込み、 優しいおばあちゃんに出会います。 おばあちゃんは特別なポットから 美味しいものが出てくる呪文を教え、 おんなのこはわくわくしながら帰宅します。 おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、 驚くべき出来事が待っていました

はじめて言葉を話した青年

藤本夏実
絵本
言葉はどうやってうまれたかを考えたことはありますか?言葉の起源を考え、人との交わり方を気にしながら、書きました。はじめて言葉を話しだしたら、こんな感じかなと思います。

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

神ちゃま

吉高雅己
絵本
☆神ちゃま☆は どんな願いも 叶えることができる 神の力を失っていた

ちびりゅうと びゃっこくんの ふしぎな てんらんかい

関谷俊博
絵本
これも いつもの だましえです。タイトルは「てんらんかい」としましたが、かなり くるしまぎれです。

冒険者ではない、世界一のトレジャーハンターになる!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」宝船竜也は先祖代々宝探しに人生を賭けるトレジャーハンターの家に生まれた。竜也の夢は両親や祖父母のような世界1番のトレジャーハンターになる事だ。だが41年前、曾祖父が現役の時代に、世界に突然ダンジョンが現れた。ダンジョンの中でだけレベルアップしたり魔術が使えたりする上に、現れるモンスターを倒すと金銀財宝貴金属を落とす分かって、世は大ダンジョン時代となった。その時代に流行っていたアニメやラノベの影響で、ダンジョンで一攫千金を狙う人たちは冒険者と呼ばれるようになった。だが、宝船家の人たちは頑なに自分たちはトレジャーハンターだと名乗っていた。

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

処理中です...