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夏のぼうけんと小助くん
雨の中のどろんこあそびと山べえ
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いつもは夏の青空が広がる山おくですが、この日はうすぐらい雲におおわれてはげしい雨がふりつづいています。
「わ~い! 雨だ! 雨だ!」
そんな中にあっても、小助はいつものように元気に森の中へ入っていきます。後ろのほうからは、ワン太が小助についていこうと走りかけています。
雨の中で小助が楽しみにしているのは、大きな水たまりに入ることです。小助は、さっそく水たまりでうれしそうにパシャパシャさせています。
どんなに雨にぬれても、小助たちはキャッキャッとかわいいえがおを見せながらあそびつづけています。さらにおくへすすむと、大男の山べえがくらすところへ行くことができるつりばしがあります。
つりばしの前にたどりついた小助たちですが、いっしょにいるワン太は足がふるえて先にすすもうとはしません。
「こ、こわいよう……」
ワン太がその場からうごかないのは、つりばしの下にあるふかい谷を見てこわがっているからです。このようすを見た小助は、ワン太を自分の体にしがみつかせてはしをわたることにしました。
「いっちょに(いっしょに)行こう! いっちょに行こう!」
小助は、ワン太がしがみついたままでつりばしの向こうまでたどりつきました。この先には山べえがくらすほらあながありますが、小助はそこへはすぐには行きません。
「わ~い! どろんこ! どろんこ!」
とちゅうにある草むらは、雨がふるとぬかるみになります。小助はかけ足で草むらへとびこむと、みるみるうちにどろんこだらけになりました。
これを見たワン太は、小助のいるぬかるみへやってきました。
「こちゅけくん(小助くん)、どうちたの(どうしたの)?」
「どろんこ! どろんこ!」
小助は、ワン太とじゃれ合いながらどろんこあそびをしています。どんなに雨がふっても、小助たちはどろんこあそびをやめようとはしません。
どろんこの中をなんどもゴロゴロころがっているその時、山べえがどうくつの中から出てきました。これに気づいた小助たちは、かけ足で山べえのそばへやってきました。
「はっはっは! 小助は、雨の中でもどろんこになるのが大すきだなあ」
「大ちゅき(大すき)! 大ちゅき!」
そうするうちに、さっきまでふっていた雨はいつの間にかやんできました。上のほうを見上げると、うすぐらい雲がすくなくなって青空が見えるようになりました。
山べえは、小助と同じようにどろんこになったワン太のほうをじっと見ています。なぜなら、子犬をここで見るのは山べえにとってはじめてのことだからです。
「う~ん……。見たことがない犬だけど」
「ワン太! ワン太!」
「ワン太って、もしかしてこの犬の名前のことかな?」
「うん!」
大きな声で答える小助のかわいい顔つきを見て、山べえも子犬の名前がワン太であることをはじめて知りました。
そのワン太のようすをながめると、小助とどろんこでよごれているので、山べえはワン太がどんなすがたをしているかまだ分かりません。
「こんなによごれていたらみっともないなあ。あそこにあるたきできれいにしないといけないぞ」
山べえは、どろんこのよごれをおとそうと小助たちをほらあなの近くにあるたきへつれて行きました。
「わ~い! 雨だ! 雨だ!」
そんな中にあっても、小助はいつものように元気に森の中へ入っていきます。後ろのほうからは、ワン太が小助についていこうと走りかけています。
雨の中で小助が楽しみにしているのは、大きな水たまりに入ることです。小助は、さっそく水たまりでうれしそうにパシャパシャさせています。
どんなに雨にぬれても、小助たちはキャッキャッとかわいいえがおを見せながらあそびつづけています。さらにおくへすすむと、大男の山べえがくらすところへ行くことができるつりばしがあります。
つりばしの前にたどりついた小助たちですが、いっしょにいるワン太は足がふるえて先にすすもうとはしません。
「こ、こわいよう……」
ワン太がその場からうごかないのは、つりばしの下にあるふかい谷を見てこわがっているからです。このようすを見た小助は、ワン太を自分の体にしがみつかせてはしをわたることにしました。
「いっちょに(いっしょに)行こう! いっちょに行こう!」
小助は、ワン太がしがみついたままでつりばしの向こうまでたどりつきました。この先には山べえがくらすほらあながありますが、小助はそこへはすぐには行きません。
「わ~い! どろんこ! どろんこ!」
とちゅうにある草むらは、雨がふるとぬかるみになります。小助はかけ足で草むらへとびこむと、みるみるうちにどろんこだらけになりました。
これを見たワン太は、小助のいるぬかるみへやってきました。
「こちゅけくん(小助くん)、どうちたの(どうしたの)?」
「どろんこ! どろんこ!」
小助は、ワン太とじゃれ合いながらどろんこあそびをしています。どんなに雨がふっても、小助たちはどろんこあそびをやめようとはしません。
どろんこの中をなんどもゴロゴロころがっているその時、山べえがどうくつの中から出てきました。これに気づいた小助たちは、かけ足で山べえのそばへやってきました。
「はっはっは! 小助は、雨の中でもどろんこになるのが大すきだなあ」
「大ちゅき(大すき)! 大ちゅき!」
そうするうちに、さっきまでふっていた雨はいつの間にかやんできました。上のほうを見上げると、うすぐらい雲がすくなくなって青空が見えるようになりました。
山べえは、小助と同じようにどろんこになったワン太のほうをじっと見ています。なぜなら、子犬をここで見るのは山べえにとってはじめてのことだからです。
「う~ん……。見たことがない犬だけど」
「ワン太! ワン太!」
「ワン太って、もしかしてこの犬の名前のことかな?」
「うん!」
大きな声で答える小助のかわいい顔つきを見て、山べえも子犬の名前がワン太であることをはじめて知りました。
そのワン太のようすをながめると、小助とどろんこでよごれているので、山べえはワン太がどんなすがたをしているかまだ分かりません。
「こんなによごれていたらみっともないなあ。あそこにあるたきできれいにしないといけないぞ」
山べえは、どろんこのよごれをおとそうと小助たちをほらあなの近くにあるたきへつれて行きました。
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