小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
163 / 347
小助くんと森のなかまたち

あまえんぼうの小助くんとワン太くん

しおりを挟む
 夏から秋に入って、山おくでは赤とんぼが田んぼのまわりをとびかっています。 

 そんな中、小助は小さな家の中でお母さんにだかれながらおっぱいをのんでいます。お母さんは、小助のかわいい顔をにこやかに見つめています。 

「おっぱいをいっぱいのんで大きくなろうね」 

 小助は、お母さんにあまえようとおっぱいをいっぱいのみつづけています。そんな時、家の外ではワン太が小助をよぼうとかわいい声を上げています。 

「こちゅけくん(小助くん)! こちゅけくん!」 

 この声を耳にした小助は、お母さんのおっぱいをのみおえるとすぐに外へとび出しました。家の前には、ワン太がお母さん犬といっしょにいます。 

「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」 

 小助は、さっそくワン太とじゃれ合うようにあそんでいます。でも、あそぶのであれば森の中でほかのどうぶつたちとあそんだほうがもっと楽しめそうです。 

 こうして、小助とワン太は森に向かって元気にかけ出しました。お母さんたちも、小助たちがどんなようすなのか見ようと後ろからついていくことにしました。 

 小助たちが向かった先は、子グマたちといっしょにいるお母さんグマのいるところです。そこでは、お母さんグマが子グマたちにおっぱいをあたえています。 

「ぼうやたち、どうしたのかな?」 

 クマのお母さんは、近くにやってきた小助とワン太にやさしく話しかけました。すると、小助たちはいつものおねだりをしようと元気な声を上げています。 

「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」 
「ふふふ、しょうがないわね」 

 お母さんグマは、おっぱいをのみおえた子グマたちと入れかわるように小助たちをよびよせました。小助とワン太は、すぐにお母さんグマのおっぱいをのみはじめました。 

「ぼうやたちは、いつもかわいい顔をしているわね」 

 そんな時、草むらから出てきたお母さんオオカミがいっしょにいるオオカミの子どもたちにおっぱいをのませています。子どもたちがあまえたいのは、人間もどうぶつも同じです。 

 小助たちはお母さんグマのおっぱいをのむのをおえると、オオカミたちがあつまっている草むらの近くへ行きました。そこでも、小助とワン太はいつものことばでおねだりをしています。 

「おっぱい! おっぱい!」 
「ぼうや、大じょうぶかな?」 
「うん!」 

 お母さんオオカミは、さっきお母さんグマのおっぱいをのんだばかりの小助たちのことをちょっとしんぱいしています。それでも、小助たちはお母さんオオカミのそばからはなれようとはしません。 

「それじゃあ、こっちへおいで」 

 小助とワン太は、ちびっこオオカミがおっぱいをのみおえるのをまってからお母さんオオカミのそばへきました。さっそくおっぱいをのみはじめたワン太を見ながら、小助はあお向けになってお母さんオオカミのおっぱいをのもうとしているところです。 

 少しはなれたところでは、小助のお母さんが犬のお母さんとともに子どもたちのようすをながめています。 

「おっぱいをいっぱいのむのはいいけど……」 
「おしっこは大じょうぶかしら」 

 そんなお母さんたちをよそに、小助たちはオオカミのお母さんのおっぱいをたくさんのみました。 

 小助とワン太は、森の中にいる自分たちのお母さんのところへもどることにしました。すると、小助たちはおっぱいをのみすぎておしっこがしたくなりました。 

「お、おちっこ(おしっこ)……」 

 ワン太は、すぐ近くにある木に右足を上げておしっこをひっかけています。おしっこがいっぱい出るにつれて、ワン太はすっきりした顔つきを見せています。 

 小助のほうは、そのまま自分のお母さんのそばまでやってくるとその場であお向けにねころがりました。 

 お母さんは、小助があんよを上げているのを見てすぐに声をかけました。 

「小助くん、どうしたの?」 
「おちっこ、おちっこ……」 

 すると、小助は元気いっぱいのおしっこを上に向かってしはじめました。お母さんは、いきおいよく出しつづける小助のおしっここうげきを食らってしまいました。 

 でも、お母さんはそんなことで気にすることはありません。小助がいつも元気なのは、おっぱいをのんでおしっこをしているおかげです。 

「ふふふ、おしっこがいっぱい出ちゃったね」 

 人間にもどうぶつにもあまえようとかわいいえがおを見せる小助のすがたに、お母さんもにっこりした顔つきで見つめています。 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

まほうのマカロン

もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは 貧しい家庭で暮らしていました。 ある日、おんなのこは森に迷い込み、 優しいおばあちゃんに出会います。 おばあちゃんは特別なポットから 美味しいものが出てくる呪文を教え、 おんなのこはわくわくしながら帰宅します。 おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、 驚くべき出来事が待っていました

はじめて言葉を話した青年

藤本夏実
絵本
言葉はどうやってうまれたかを考えたことはありますか?言葉の起源を考え、人との交わり方を気にしながら、書きました。はじめて言葉を話しだしたら、こんな感じかなと思います。

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

神ちゃま

吉高雅己
絵本
☆神ちゃま☆は どんな願いも 叶えることができる 神の力を失っていた

ちびりゅうと びゃっこくんの ふしぎな てんらんかい

関谷俊博
絵本
これも いつもの だましえです。タイトルは「てんらんかい」としましたが、かなり くるしまぎれです。

冒険者ではない、世界一のトレジャーハンターになる!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」宝船竜也は先祖代々宝探しに人生を賭けるトレジャーハンターの家に生まれた。竜也の夢は両親や祖父母のような世界1番のトレジャーハンターになる事だ。だが41年前、曾祖父が現役の時代に、世界に突然ダンジョンが現れた。ダンジョンの中でだけレベルアップしたり魔術が使えたりする上に、現れるモンスターを倒すと金銀財宝貴金属を落とす分かって、世は大ダンジョン時代となった。その時代に流行っていたアニメやラノベの影響で、ダンジョンで一攫千金を狙う人たちは冒険者と呼ばれるようになった。だが、宝船家の人たちは頑なに自分たちはトレジャーハンターだと名乗っていた。

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

処理中です...