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秋のきせつと小助くん

小助くんとゴロ太くんはなかよし友だち

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 小助とゴロ太は、ふたたび土ひょうに入っておすもうをとろうとおたがいに目を合わせながらかまえています。 

 土ひょうのほうへは、すさまじい風があいかわらずふきつづけています。それでも、ゴロ太は小助にかちたいと心の中でずっと思いつづけています。 

「はっけよい! のこった!」 

 大きなかけ声を上げると同時に、2人はおたがいにぶつかり合いながらあいての体をつかもうとしています。 

「うんしょ! うんしょ!」 
「ぐぐぐぐっ、これくらいのことでまけないぞ」 

 小助とゴロ太は、どうにかして土ひょうの外へあいてを出そうといっしょうけんめいになっています。しかし、どちらも強いのでなかなかおし出すことができません。 

 そんな時、ものすごい風がおすもうをとっている2人に向かって強くふきつけてきました。小助もゴロ太も、向かい風にふきとばされないように土ひょうの上でじっとふんばっています。 

「うぐぐぐっ、うぐぐぐぐっ……」 

 ゴロ太は、小助を土ひょうの外へおし出そうとひっしになっています。小助のほうも、力強いおしずもうであいてのうごきを食い止めています。 

「よいしょ! よ~いしょ!」 

 小助とゴロ太は、土ひょうぎわであいての体をつかみながら組み合っています。何としてでもかちたいゴロ太ですが、小助のほうもふんばっているので土ひょうの外へおし出すことができません。 

 小助とゴロ太は、土ひょうぎわであいての体をつかみながら組み合っています。何としてでもかちたいゴロ太ですが、小助のほうもふんばっているので土ひょうの外へおし出すことができません。 

 しょうぶがつかない中、小助はゴロ太の左うでをすぐさまりょう手でかかえようとしています。 

「う~んしょ! えいっ!」 
「わっ!」 

 小助はあいての左うでをかかえると、土ひょうぎわからゴロ太をみごとな下手なげでたおすことができました。 

「あとちょっとでかっていたのに、こんな形でまけてしまうとは……」 

 ゴロ太は、小助による力わざの前にまけてしまったのでくやしそうな顔つきを見せています。すると、小助はゴロ太のとなりにすわって左手をさし出しました。 

「あくちゅ(あく手)! あくちゅ!」 
「まったく、小助のかわいいえがおにはかなわないなあ」 

 あく手は、小助とゴロ太が友だちであるりっぱなしょうこです。2人はおたがいにあく手を交わすと、土ひょうの上であお向けになってねころがることにしました。 

 小助たちから見上げると、青空が広がるにつれてうすぐらい雲がしだいに少なくなってきました。すさまじくふきつけた風もすっかりおさまって、空からは太ようが2人をあたたかくてらしています。 

 ゴロ太が目をさましておき上がると、となりでねている小助のようすを見ようと立ち上がりました。小助のほうは、かわいいねがおを見せながらはらがけ1まいですやすやとねむっています。 

 小助は、おしっこをしようとはしっているとちゅうでばけものにおそわれるゆめを見ています。もちろん、ゴロ太は小助がどんなゆめを見ているのか分かりません。 

 ゴロ太は、小助のねているほうを正めんにしてそっと近づくことにしました。それに気づかない小助は、ねたままでかわいいあんよを上げています。 

 すると、ゴロ太の顔に小助のおねしょがいきなりめいちゅうしてきました。 

「ジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」 
「うわっ!」 

 どうやら、小助はゆめの中でばけものの顔に向かっておしっこをしているようです。ゴロ太は、小助のおねしょこうげきを食らうといそいで池の水で顔をあらっています。 

「あ~あ、またおしっこをひっかけられちゃった」 

 すっかりまいっているようすのゴロ太をよこ目に、小助はかわいい顔で楽しそうなゆめを見ながらおひるねをつづけています。 
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