小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
235 / 347
夏は海も山も楽しいよ

大雨がふっても元気にどろんこあそび

しおりを挟む
 小助は池のふかいところでの楽しい大ぼうけんをおえると、でっかいナマズにまたがりながら水中から出てきました。 

「わっ! ものすごくでっかいナマズだ!」 

 池からあらわれたナマズのすがたに、サルはおどろきをかくすことができません。そんな中にあっても、小助はナマズのせなかにのりながらかわいいえがおを見せています。 

「小助は、あらゆる生き物となかよくなっているんだなあ」 

 サルは、どんなにおそろしくてもすぐに友だちになる小助のようすをとてもかんしんしています。池から上がった小助は、水中へもどろうとするでっかいナマズに手をふっています。 

「またあちょぼう(あそぼう)! またあちょぼう!」 
「ぼうや、またくるのを楽しみにまっているぞ」 

 ナマズのすがたが見えなくなると、トビが小助たちのそばへきて声をかけました。空のほうを見上げると、ふたたびうすぐらい雲におおわれてきました。 

「かみなりがおちるかもしれないから気をつけて!」 

 いつになくさけぶトビの声に、小助は自分の顔をはい色の雲が広がる空へ向けました。すると、小助の顔に雨つぶがぽつぽつとおちてきました。 

「わ~い! 雨だ! 雨だ!」 

 少しずつふり出した雨は、やがてふりかたがはげしくなってきました。サルとトビは、いそいで山のてっぺんから近いばしょにある大きな木の下で雨やどりをすることにしました。 

「あれっ、小助がまだきていないぞ」 

 サルは、いっしょにいるはずの小助がいないことに気づきました。そんな時、小助のかわいい声がサルの耳に入ってきました。 

「どろんこ! どろんこ! たのちい(楽しい)なあ!」 

 小助は、はげしい雨がふりつづく中であっても元気いっぱいにあそんでいます。山道には、この雨でぬかるみになっているとこるがたくさんあります。 

 ぬかるみに入った小助は、どろんこだらけになりながら大はしゃぎしています。どろんこになっても、はげしい雨のおかげできれいにあらいながしてくれます。 

「やれやれ、小助にとってはまだまだあそび足りないようだなあ」 

 サルは、すさまじい雨であっても楽しそうにかけ回る小助をあきれたようすで見つめています。この間も、小助は雨にうたれながらどろんこあそびを楽しんでいます。 

「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」 

 小助はいつもはらがけ1まいなので、どんなに雨がふりつづいても気にすることはありません。ぬかるみでどろんこになったり、でんぐりがえしをしたりと体をうごかしてあそんでいます。 

 そんな時、どんよりとした雲からゴロゴロとする音がサルたちの耳に入ってきました。サルは、その音が何の音であるのかはよく知っています。 

「小助! ここにいたらかみなりがおちるぞ!」 

 サルは、小助のところにかみなりがおちたらたいへんなことになるのでしんぱいしています。うすぐらい雲からは、いなびかりとともにすさまじいかみなりの音がなんども鳴りひびいています。 

 けれども、小助はかみなりがゴロゴロ鳴っても立ち止まらずに山道をかけおりようとしています。これを見たサルたちは、すぐに後ろからついて行くことにしました。 

「そっちへ行ったらあぶないって!」 
「大じょうぶ! 大じょうぶ!」 

 大雨がふりつづく中、サルは元気いっぱいにうごき回る小助にすっかりまいっているようです。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

まほうのマカロン

もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは 貧しい家庭で暮らしていました。 ある日、おんなのこは森に迷い込み、 優しいおばあちゃんに出会います。 おばあちゃんは特別なポットから 美味しいものが出てくる呪文を教え、 おんなのこはわくわくしながら帰宅します。 おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、 驚くべき出来事が待っていました

はじめて言葉を話した青年

藤本夏実
絵本
言葉はどうやってうまれたかを考えたことはありますか?言葉の起源を考え、人との交わり方を気にしながら、書きました。はじめて言葉を話しだしたら、こんな感じかなと思います。

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

神ちゃま

吉高雅己
絵本
☆神ちゃま☆は どんな願いも 叶えることができる 神の力を失っていた

ちびりゅうと びゃっこくんの ふしぎな てんらんかい

関谷俊博
絵本
これも いつもの だましえです。タイトルは「てんらんかい」としましたが、かなり くるしまぎれです。

冒険者ではない、世界一のトレジャーハンターになる!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」宝船竜也は先祖代々宝探しに人生を賭けるトレジャーハンターの家に生まれた。竜也の夢は両親や祖父母のような世界1番のトレジャーハンターになる事だ。だが41年前、曾祖父が現役の時代に、世界に突然ダンジョンが現れた。ダンジョンの中でだけレベルアップしたり魔術が使えたりする上に、現れるモンスターを倒すと金銀財宝貴金属を落とす分かって、世は大ダンジョン時代となった。その時代に流行っていたアニメやラノベの影響で、ダンジョンで一攫千金を狙う人たちは冒険者と呼ばれるようになった。だが、宝船家の人たちは頑なに自分たちはトレジャーハンターだと名乗っていた。

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

処理中です...