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小助くんと夏のどうぶつたち

小助くんとお父さんかいじゅう

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 小助たちは、山道の先にいるかいじゅうのお父さんへ向かってかけ足で走っています。お父さんかいじゅうは、小助たちとおすもうをしようと今からはりきっています。

「おちゅもう(おすもう)! おちゅもう! おちゅもう!」

 かいじゅうのお父さんと顔を合わせると、小助はその場でうれしそうにピョンピョンとびはねています。小助は、大すきなおすもうがしたいとお父さんかいじゅうの足にしがみついています。

「それじゃあ、さっそくおすもうをしようかな」

 山道を歩いて広いところへ行くと、お父さんかいじゅうはおちている木の太いえだで線を引いて土ひょうを作っています。土ひょうができ上がると、小助とお父さんかいじゅうのおすもうがはじまります。

 小助は土ひょうへ入ると、かいじゅうのお父さんと向かい合うようにかまえています。お父さんかいじゅうは、小助よりも一回り大きくてでっかい体つきをもっています。

 ぎょうじのお母さんグマは、土ひょうでおたがいに見合っているのをたしかめるとすぐに声を上げました。

「はっけよい! のこった!」

 小助は、お父さんかいじゅうの体をつかんでから力いっぱいにおし出そうといっしょうけんめいになっています。しかし、お父さんかいじゅうのほうも力強いので土ひょうの外へおし出すことができません。

「うんしょ! うんしょ! うんしょ!」

 この後も、小助とお父さんかいじゅうは土ひょうのまん中でおすもうがつづいています。小助がありったけの力を出しても、かいじゅうのお父さんにすぐおしもどされてしまいます。

「わっ! わっ! わわわわっ……」

 そして、小助はお父さんかいじゅうから力強くおされたはずみでしりもちをじめんについてしまいました。でも、小助はおすもうでまけても気にすることはありません。

「てへへ、ちりもち(しりもち)ついちゃった」

 おすもうにかったおとうさんかいじゅうは、小助をりょう手でやさしくだきかかえてもち上げようとしています。小助は、だっこしてくれるかいじゅうのお父さんを前に大よろこびしています。

「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」

 そのころ、すぐ後ろでは子グマたちがお母さんかいじゅうのおっぱいをのもうとおねだりしています。お母さんかいじゅうは、2ひきの子グマをだきながらおっぱいをのませています。

 小助は、お父さんかいじゅうにだっこされている間も子グマたちのようすをじっとながめています。これに気づいたお父さんかいじゅうは、小助にやさしい声でことばをかけています。

「ぼうや、どうしたのかな?」
「おっぱい! おっぱい!」

 どうやら、小助も子グマたちと同じようにお母さんかいじゅうのおっぱいをのみたがっているようです。お父さんかいじゅうは、小助をだいたままでお母さんかいじゅうのところへつれていきます。

 お母さんかいじゅうは、おっぱいをのみおえた子グマたちと入れかわるようにやってきた小助のかわいい顔を見つめています。お父さんかいじゅうにだかれた小助は、お母さんかいじゅうにとびうつるとおねだりをするために元気な声を上げました。

「かあちゃ、おっぱい! おっぱい!」
「ふふふ、しょうがないわね」

 小助は、かいじゅうのお母さんのおっぱいをたくさんのみつづけています。お母さんかいじゅうは、いつもかわいい小助の顔をにっこりと見つめています。

「いっぱいのんで大きくなろうね」

 しばらくしてのみおわると、小助はかいじゅうのお母さんからお父さんのほうへとびつきました。お父さんかいじゅうは、小助をふたたびだき上げるのがとてもうれしそうです。

「キャッキャッキャッ、キャッキャッキャッ」

 小助は、かいじゅうのお父さんにだっこされるたびにかわいいわらい声を上げています。そして、お父さんかいじゅうの顔が見えるところまでだき上げられたその時のことです。

「ジョパジョパジョパジョパ、ジョパジョパジョジョジョジョジョジョ~ッ」
「わっ!」

 お父さんかいじゅうは、小助からのおしっこを自分の顔にいきなり食らってしまいました。どうやら、小助はお母さんグマとお母さんかいじゅうのおっぱいをたくさんのみすぎたようです。

「おちっこ(おしっこ)出た! おちっこ出た!」

 小助は、元気いっぱいのおしっこでめいちゅうさせるとかわいいえがおを見せています。おすもうでかったお父さんかいじゅうでしたが、小助のおしっここうげきにはかなわなかったようです。
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