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小助くんと楽しい冬のきせつ

カッパ池のカッパたち

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 小助たちは、かわいいおばけと火の玉の後をついていくようにどうくつの中を歩きつづけています。この先をさらにすすむと、どうくつのおくからカッパがくらすところへ行く池があります。

 そんな中、ワン太はおばけのまわりにいる火の玉がこわくて小助の後ろにかくれています。

「こちゅけくん(小助くん)、こわいよう……」
「大じょうぶ! 大じょうぶ!」

 小助は、ワン太のようすを見ながらいつものえがおではげましています。そして、小助はカッパたちと会った時のことを思いうかべています。

「カッパとおちゅもう(おすもう)! カッパとおちゅもう!」
「小助はおすもうをするのが大すきだなあ」

 おすもうでの力くらべは、小助にとってカッパたちのせかいでいちばん楽しみにしていることです。そうするうちに、どうくつのおくから明るい光が小助たちの目に入ってきました。

「わ~い! カッパ池! カッパ池!」

 小助は、かわいいおばけの前へ出るとかけ足でどうくつのおくへたどりつきました。ワン太も、おばけが前にいることに気づくことなく小助の後ろからついてきました。

 少しして、おばけとサルもカッパ池のあるどうくつのおくへやってきました。大きな池のほうでは、カッパたちがふかいところをおよいでいるのがはっきりと見えます。

「小助くん、カッパ池へようこそ!」
「わあ~っ! カッパ! カッパ!」
「はっはっは! 小助くんはいつもかわいくて元気いっぱいだね」

 小助は、カッパのすがたを見ながらキャッキャッと大はしゃぎしています。池の中からは、ほかのカッパたちもつぎつぎとあらわれました。

 カッパたちは、小助たちの中に見たことのないどうぶつがいることに気づきました。

「小助くんのそばにいるのは?」
「子犬のワン太くんだよ!」
「ワン太くん、小さくてかわいいね」

 ワン太は、早くもカッパたちに気に入られているようです。カッパたちは、自分たちのせなかにのせようと小助たちによびかけています。

「それじゃあ、今からカッパ池のそこへ向かうからのってね」
「うわ~い! カッパ! カッパ! カッパ!」

 小助は、ワン太とともにカッパのせなかにのることにしました。となりのカッパには、サルがせなかにのっています。

「こちゅけくん、大じょうぶ?」

 ワン太は、はじめて水のなかへもぐるのでとてもふあんです。すると、サルがワン太のほうへすぐに声をかけました。

「池の中をもぐっている時でも、いきをすることができるから大じょうぶだぞ」
「本当に大じょうぶ?」
「ああ、本当に大じょうぶさ」

 こうして、小助たちはカッパのせなかにのりながらいけのふかいところへ向かってもぐっています。カッパ池の中では、だれでもいきをすったりはいたりすることができます。

「わあ~っ! いきができるよ!」
「カッパとおちゅもう(おすもう)! カッパとおちゅもう!」

 ワン太は、池の中でいきをすることができてとてもうれしそうです。そして、小助はカッパたちともういちどおすもうをするのを心まちにしています。
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