最強元転生者! 魔王倒して地球に帰還したら人類滅亡危機に陥ってました。

ごるた

文字の大きさ
6 / 7

6. 拠点完成 新たな仲間

しおりを挟む

 火照った体を冷まし温泉を出た大悟は、錬金術でバイクを精製していた。

 形はビックスクーター。
 内部には機関銃、誘導ミサイルが搭載されており、フロント部分には風よけの透明ウインドスクリーンが設置されている。
 このウインドスクリーンには、熱感知システムやカーナビゲーションシステムが搭載され、映像として前方に映し出される。

 このバイクを使い、拠点を探す。
 現在考えているのは、埼玉県。
 もちろん東京や神奈川、千葉、茨城も候補として考えていたが、最終的には埼玉を選んだ。

 最初は都内に拠点を構えるのが最適と考えていたが、安全面のことを考えるとどうしても拠点とする事が出来なかった。
 だが、東京には沢山の情報や資料が集まっており、到底見逃すことは出来なかった。
 そのため本拠点を埼玉にし、臨時の仮拠点を都内に設置しておこうと考えていた。
 それと、埼玉に拠点を置くことで移動面での利便性が高まるだろうと。
 東北方面、関西方面、どちらもいずれは向かうことになるだろうし、どちらにも比較的行動しやすく東京に近い場所として埼玉を選んだ。
 
(まぁーいざとなれば拠点を増やしたり、本拠点を移動させたりすればいいだろう。
 土地は使いたい放題だろうし。)

「さて、それでは行きますか!」
 大悟はバイクに跨るとエンジンをかけ出発した。

 もちろん、このバイクのエネルギーとなっているのは魔力。
 大悟の魔力が尽きない限りは半永久的に走れるのだ。

 1時間ほど走り、埼玉県に入った事をカーナビで確認した大悟は拠点確保の為、索敵魔法を使って感染者が少ないところを探し回っていた。

(それにしても、やっぱり東京に近づくに連れ感染者が増えてってる感じがするな。
 埼玉も予想より多いし、場合によっては神奈川、千葉、茨城も考慮に入れたほうがいいのかもな。)

 そんな心配をしている大悟であったが、一日中探し回った甲斐もあり、拠点としては悪くない場所を見つけることが出来た。

 そこは辺り一面田んぼが広がり、見通しが良く、このバイクを使えば2、30分ほどで都内に行ける場所だった。
 そして、辺りには感染者の気配が一切感じなかった。

「よし、このへんに家と囲いを作るか」
 バイクを降りた大悟は錬金術を用いて家を造り始める。
 魔力を練り、徐々に建築物を造り上げていく。

「ここをこうして、アレがこっちでこっちがアレで、いや、コレがそっちでアレがこっちか?……うん、こんなもんだろ」

 試行錯誤しながらも、大悟は二階建ての家を短時間で造りあげてしまった。

「さて次は囲いだな。ついでに警報装置も付けとくか」
 大悟は先程と同じように錬金術を使い、囲いと警報装置を短時間で取り付けていく。

「完成ぇー! 」
 結局、10分も経たない内に拠点を作り上げてしまった。

 家は木造建築の二階建て。
 キッチンにトイレ、バスルーム付きの5LDK。
 火や水は魔力タンクから出た魔力を火や水に変換し、蛇口やコンロから出している。
 クーラーなどの電化製品は魔法式が組み込まれており、魔力を流すことによってイメージ通りの効果を発揮する。
 実はバイクも同じ作り。

 そして、囲いには雷系の魔法が付与されており、触れた者を感電させることができる。
 警報装置は家の出入り口と、囲いの一回り外に設置されている。

「ふぅー」
 本拠点設置を終え、大悟はリビングのソファーに座って考え事をしていた。

(なんとか拠点は完成したけど、結局ここって俺の魔力ありきなんだよなぁ。
 もし仲間が出来ても俺が定期的に魔力タンクに補充しないといけないから、めんどくさいなぁ。
 他に誰か魔力を扱える奴がいればいいんだけど……。)

 大悟は天井を見つめ、少し考えていたが突然何かを思いつき、「ポン」っと手を叩いた。

「よし、あれを試してみるか! 
 異世界で読んだ本にもできるって書いてあったし。」 
 不敵な笑みを浮かべる大悟。


 何かを思いついた大悟は外に出て魔力を練り始めていた。
 練り上げられた魔力は神々しい光を放ち出し、魔法陣が浮かび上がる。

 ピカー!!!

 次の瞬間その魔法陣から人らしき影が現れた。

「ん、ここは……一体? 」
 そこには、髭を蓄えた小さいおじさんが立っていた。

(おぉー、ホントに成功した。
 やってみるもんだな。
 そうなると、あの本に書かれていた事はマジっぽいな。)

「よ、久しぶりドノ」
 大悟は、小さなおじさんに向かって軽く手を挙げる。
 
 大悟に気づいたおじさんは、大悟に近づき大悟の肩をバンバンと叩いた。

「おぉ、大悟ではないか。
 久しいのぉーってそれよりもここは一体どこなのだ? 」
 おじさんは、辺りをキョロキョロと見回していた。

 彼の名前はドノ。種族はドワーフ。
 異世界にいた時、大悟を主人とし『誓いの契約』を結んだ男。

 『誓いの契約』とは主従関係を明確にする契約。
 結ぶことにより、2つの効果が生まれる。
 1つ目は、召喚魔法を使っていつでも相手を呼び寄せることが出来る。
 2つ目は、脳内通信により、離れていても自由に会話をする事ができる。(ただし、遠く離れすぎると通信ができなくなることがある。)

「ちょっと待っててよドノ。
 アイツ等も呼び寄せるから」

 ピカー!
 ピカー!
 ピカー! ……。
 大悟は召喚魔法を使い、次々と異世界人を召喚していった。

 最終的に大悟が召喚魔法で呼び出したのは全部で6人。
 ドワーフ3兄弟のドノ(男)、ドリ(男)、ドク(男)。
 そしてエルフ族のティーノ(女)、クリア(女)、オリオ(男)である。

「じゃあ皆、説明するから集まって」

 大悟は今の状況を全て説明した。
 ドワーフとエルフは大悟の言葉を静かに聞いていた。

「そんなわけで、ここには君たちが知らない技術や科学が沢山ある。
 俺を手伝ってくれるなら好きなだけその情報を差し上げよう。もちろん断ってもらっても構わない。
 責任持って元の世界に送り返すから」

 異世界で読んだ本には『誓いの契約』により、別世界に召喚した者を元の世界に送り返すことは可能であると記されていた。
 ただし、その場合『誓いの契約』は破棄され、もう2度と呼び出すことは出来なくなる。

 暫く沈黙が続いたが突然ドノが笑い出し、それに続くように全員が笑い始めた。

「ガッハッハッハ! 
 面白いではないか。
 ワシ等が知らぬ技術! 胸が躍るわい」

「私達もいいわよ。
 聞いたこともない知識! あぁ~興奮するわ。
 丁度あの国にも飽きてきたところだったし。」

 大悟がいた異世界では、エルフとドワーフは生産系の職。
 つまり、物作りや研究の分野にとても優れている部族だった。

「「それでワシ等(私達)は何をすればいいの?」」
 彼らは興奮した目でコチラを見つめてきた。

(ドノ達には、やっぱりこっちの技術をマスターしてもらいたいな。
 ただ、俺じゃ教えられるほどの知識は持ってないしなぁ。
 ……よし! )

「ドノ達には、こちらの技術を学んで活用していってほしい。
 ただ俺じゃ教えられないし、資料や教材も持ってないから、持ってくるまではここで待機してて。
 俺がそれらを取ってくるまでは、この拠点を好きに使ってくれてていいから。
 ここにある機材や家電は君等の魔力でも動くように設定しとくよ。」

「分かったわ。
 それで食料はどうすればいいの? こっちの山には私達が食べられる山菜とかあるのかしら? 」
 エルフ族のティーノが質問をしてきた。

「いや、基本的に俺が戻るまでは、この家から出ないでほしい。
 何があるか分からないし。
 食料は俺の異空間収納の中に沢山入ってるから、それを置いていくよ。」

「分かったわ。」

(あ、そう言えばこの家5部屋しかないや)

「ドノちょっといい?」

「なんだ?」

「家の強化と改築をお願いしてもいい? 
 考えてみたら5部屋しか作ってなかったらさぁ。
 1人1部屋ほしいでしょ? 好きに作って構わないから。」

「そんなことか、構わんぞ。ビックリするような家にしてやるわい」
 ドノは不敵な笑みを浮かべる。

「お、お手柔らかに」
 ヤバいこと言っちゃったかなと、少し後悔する大悟であった。


 その日は、キッチン、トイレ、お風呂、家電の使い方を教え、夜はみんなで軽くパーティーを開いてその後、就寝した。

 次の日の朝、大悟は準備を終えバイクに跨っていた。

「それじゃ家の事お願いね。
 何かあったら脳内通信で連絡して」

「了解した。」

 大悟はバイクを発進させ東京に向けて走り出した。

(欲しい本がまだ残ってるといいんだけど。)

 ブオォーン!



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。

みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。 勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。  辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。  だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

身寄りのない少女を引き取ったら有能すぎて困る(困らない)

長根 志遥
ファンタジー
命令を受けて自らを暗殺に来た、身寄りのない不思議な少女エミリスを引き取ることにした伯爵家四男のアティアス。 彼女は彼と旅に出るため魔法の練習を始めると、才能を一気に開花させる。 他人と違う容姿と、底なしの胃袋、そして絶大な魔力。メイドだった彼女は家事も万能。 超有能物件に見えて、実は時々へっぽこな彼女は、様々な事件に巻き込まれつつも彼の役に立とうと奮闘する。 そして、伯爵家領地を巡る争いの果てに、彼女は自分が何者なのかを知る――。 ◆ 「……って、そんなに堅苦しく書いても誰も読んでくれませんよ? アティアス様ー」 「あらすじってそういうもんだろ?」 「ダメです! ここはもっとシンプルに書かないと本編を読んでくれません!」 「じゃあ、エミーならどんな感じで書くんだ?」 「……そうですねぇ。これはアティアス様が私とイチャイチャしながら、事件を強引に力で解決していくってお話ですよ、みなさん」 「ストレートすぎだろ、それ……」 「分かりやすくていいじゃないですかー。不幸な生い立ちの私が幸せになるところを、是非是非読んでみてくださいね(はーと)」 ◆HOTランキング最高2位、お気に入り1400↑ ありがとうございます!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。 ↓ PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。

処理中です...