金管の奏でる青い空 〜星降る丘のハーモニー〜

霞音

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第5章 揺れる想いと小さな衝突

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六月も終わりに近づき、長く続いた梅雨にもようやく終わりの兆しが見え始めていた。時折、雲の切れ間から強い日差しが差し込み、蒸し暑さが音楽棟にも満ちてくる。雨上がりの湿った地面の匂いと、夏の到来を予感させる草いきれ。そんな季節の変わり目の空気は、コンクールメンバーの最終選考を間近に控えた吹奏楽部全体の、どこか落ち着かない雰囲気を映し出しているかのようだ。

嫌がらせ事件の真相は依然として闇の中だ。陽菜への直接的な被害は小康状態にあったが、部内には疑心暗鬼や不信感といった、目に見えない澱(おり)のようなものが確実に溜まっていた。そんな中でも、コンクールという大きな目標に向けて、部員たちは必死に練習に打ち込んでいる。特に、完璧な演奏でパートを牽引しようとする水城の姿勢は、鬼気迫るものがあった。


1.コンクール選考会議

「今週末、パートリーダー会議を開き、コンクールで演奏する自由曲の最終候補と、各パートのソロ、ソリの担当者を確定させる」

顧問の高田が全体ミーティングで告げると、部室に再びピリリとした緊張が走った。特に注目が集まるのは、やはりトランペットパートのソロ。今年の自由曲候補の一つは、トランペットの華やかなソロと、それに呼応するような技巧的なパッセージが印象的な楽曲だった。

「トランペットのソロは、やはり霧島くんと水城さんの掛け合いでいくのが最も効果的でしょうね。技術的にも、表現力的にも」

パートリーダー会議の席で、部長の星野がそう提案すると、他のリーダーたちからも異論は出なかった。問題は、どちらがより主導的な役割を担うか、そして他のメンバーをどう配置するかだ。

水城は当然のように「メインのソロは、私が担当させていただきます。あのパッセージを完璧に吹きこなせるのは、私以外にいないはずですから」と自信に満ちた態度で主張した。一方、霧島は黙って腕を組んでいるだけで、肯定も否定もしない。その沈黙が、かえって彼の揺るぎない自信と存在感を際立たせていた。

準レギュラーとして会議に参加していた陽菜は、二人の天才の間に流れる高レベルな火花を感じながら、自分の役割を改めて考えていた。ソロを吹けるレベルには到底及ばない。けれど、彼らの輝かしい音色を支え、セクション全体の響きを豊かにすることはできるはずだ。

(私にできることを、精一杯やろう。そして、いつか……)

陽菜は心の中で、コンクールの舞台で堂々と演奏する自分の姿を思い描いた。


2.スコアに記された「落書き」

その数日後の夕方。陽菜は星見が丘へ向かう前に、部室で自分の楽譜ファイルを確認していた。最近は嫌がらせを警戒し、どんなに短い時間でも楽器や楽譜から目を離さないように心がけていた。しかし、その日はほんの一瞬、他の部員に呼ばれて席を外してしまったのだ。

(大丈夫だよね……)

不安を打ち消すようにファイルを開き、練習中の自由曲のスコアに目を通した瞬間、陽菜は息を呑み、全身の血の気が引くのを感じた。

スコアの余白部分、ちょうど陽菜が担当するパートのすぐ横に、黒い油性マジックで、乱暴な文字が殴り書きされていたのだ。

「ヘタクソ ヤメロ」

(……!!)

心臓が氷水で掴まれたように冷たくなった。指先が震え、涙が視界を滲ませる。まただ。また、こんな……。誰が、いつの間に? ほんの少し目を離した隙に?

込み上げてくる怒りと悲しみ、そして言いようのない恐怖。音楽を、自分の努力を、こんな形で汚されたことが許せなかった。けれど、誰にもこの怒りをぶつけることができない。犯人が分からない限り、ただ耐えるしかないのか。

陽菜は衝動的にそのページを破り捨てたくなったが、ぐっとこらえ、震える手でファイルを閉じた。涙を拭い、何事もなかったかのように部室を出る。しかし、足取りは鉛のように重かった。

そのまま星見が丘に着くと、珍しく先に霧島が立っていた。心配そうな表情を浮かべている。陽菜のただならぬ様子に気づいたのだろうか。

「……どうした。幽霊でも見たような顔をしているぞ」

その言葉に、抑えていた感情が堰を切ったように溢れ出した。陽菜は言葉にならない嗚咽を漏らしながら、霧島に駆け寄り、落書きされたスコアを見せた。

霧島はスコアを受け取り、そこに書かれた文字を見た瞬間、その表情がみるみるうちに険しく、そして冷たい怒りの色に染まっていく。

「……くだらない。いや、それ以下だ。音楽への冒涜だ、これは」

低い声には、静かだが燃えるような怒りが込められていた。

「私……もう、どうしたらいいのか……わかりません……」

しゃくり上げながら言う陽菜を見て、霧島は深く、重いため息をついた。そして、陽菜の肩にそっと手を置き、呟いた。

「……今は、騒いでも仕方ない。証拠がない限り、犯人を追い詰めることはできん。だがな、陽菜」

彼は陽菜の目を見て、力強く言った。

「こんな卑劣な行為に、お前の音楽を潰させてはいけない。絶対にだ。……いずれ、真実が明らかになる時は来る。それまで、耐えろとは言わん。だが、音楽を捨てるな」

その言葉には、不器用ながらも陽菜を支えようとする強い意志が感じられた。陽菜は涙を拭い、こくこくと頷く。

「はい……」

やがて日が落ち、星と街明かりだけが丘を照らす頃、霧島は「練習するぞ」と短く言った。陽菜も、傷ついた心を奮い立たせ、トランペットを取り出す。こんな時だからこそ、音楽に救いを求めたい。自分の音を、誰にも汚させはしない。そんな決意を込めて、陽菜は震える唇でマウスピースを咥えた。


3.水城との衝突

翌日の部活後。陽菜がパート練習室の前を通りかかると、中で一人、猛烈な勢いで超絶技巧のパッセージを練習している水城の姿があった。その演奏は相変わらず完璧だったが、どこか焦りや苛立ちが感じられる、鬼気迫る響きを持っていた。

練習が終わったのか、水城が出てきたところで、陽菜は思わず声をかけてしまった。昨日の落書きの件が頭から離れず、どうしても彼女の真意を確かめたかったのだ。

「水城さん、少し……」

「なによ」

水城は汗を拭いもせず、不機嫌そうに陽菜を見る。

「あの……水城さんって、すごく、努力されてますよね。いつも完璧で……」

「当たり前でしょ。それが私の価値なんだから」

「でも……」

陽菜は言葉を選びながら続けた。

「最近、霧島先輩と、その……星見が丘で、少しだけ一緒に練習させてもらうことがあって……」

その言葉を聞いた瞬間、水城の表情が険しくなった。切れ長の目が鋭く陽菜を射抜く。

「……やっぱり。あなた、最近妙に霧島先輩に馴れ馴れしいと思ってたのよ。一体どういうつもり? 彼に取り入って、ソロパートでも奪うつもり?」

「ち、違います! そんなつもりじゃ……ただ、アドバイスをいただいているだけで……」

「ふん、言い訳ね」

水城は冷たく言い放つ。

「いいこと? あのレベルのソロを吹けるのは、この部では私と霧島先輩だけ。あなたは所詮、準レギュラー。彼に近づいたって、何も変わらないわよ」

その言葉には、陽菜への侮蔑だけでなく、霧島に対する独占欲のような、複雑な感情が渦巻いているように見えた。陽菜は、昨日楽譜に書かれた「ヘタクソ ヤメロ」という文字を思い出し、胸が締め付けられる。まさか、本当に彼女が……? その疑念が再び頭をもたげる。

「……水城さんは、どうしてそこまでして、ソロにこだわるんですか? どうして、そんなに完璧を求めるんですか?」

陽菜が思わず問いかけると、水城は一瞬、虚を突かれたような表情を見せた。そして、何かを振り払うように、強い口調で言い返した。

「……完璧じゃなきゃ、意味がないからよ!」

彼女の声が震える。

「私の演奏は“特別”なんだって、母が、周りの大人が、ずっとそう言ってきたの! 東城学園では、少しでもミスをすればすぐにポジションを奪われた。常に一番で、完璧でいることだけが、私の存在価値だった……! その期待に応えられなければ、私には価値がない! だから……私は、誰にも、どんな些細なミスも、許されないのよ!」

それは、プライドの高い彼女が初めて見せた、魂の叫びのようだった。最後は自分自身に言い聞かせるように呟き、水城は陽菜に背を向けて足早に去っていった。

(違う……水城さんは、あんな落書きをするような人じゃないかもしれない……。彼女も、すごく苦しんでいるんだ……)

陽菜は、その痛々しいほどの強がりと、その裏に隠された深い孤独を感じ取り、もやもやとした気持ちのまま、その場に立ち尽くした。


4.月明かりの星見が丘――三人の集まり

梅雨が明けようとしている、ある静かな夜。空には細い月が浮かび、星々が瞬いていた。

その日の昼間、霧島は陽菜に「今夜、星見が丘に来い。……水城も呼んである」とだけ、短く告げた。何をするつもりなのか、陽菜には見当もつかなかったが、何か重要な話があるのだろうと感じ、夕方からの練習を早めに切り上げ、夜になって再び丘へ向かった。

丘の上には、すでに霧島と水城の姿があった。月明かりに照らされた二人の間には、重く、張り詰めた空気が漂っている。

「……なんで私まで、こんな時間にこんな場所に呼び出されなきゃいけないわけ?」

水城が苛立ちを隠さずに、霧島に問い詰める。

霧島は騒がしい街の夜景に視線を向けたまま、静かに、しかし有無を言わせぬ口調で言った。

「……お前たち、いい加減にしろ」

「は?」

「コンクールが目前に迫っているというのに、嫌がらせだの、くだらない衝突だの……そんなことで、お前たちは音楽そのものを捨てるつもりか」

「それは……私じゃないって言ってるでしょ!」

水城が反射的に反論する。

「ああ、分かってる」

霧島は意外なほどあっさりと頷いた。

「少なくとも俺は、お前がそんな陰湿で卑怯な真似をするやつだとは思っていない」

その言葉に、水城は驚いて目を見開いた。陽菜も少し意外に感じた。

「じゃあ、どうして私をここに?」

水城が問い返す。

「俺は知りたいんだ」

霧島はゆっくりと二人に向き直った。その瞳は真剣そのものだ。

「お前たちが、心の底から“音楽”を愛しているのかどうかを。……特に、水城。お前は、一体何のためにトランペットを吹いているんだ?」

「なっ……!?」

水城は言葉に詰まり、顔を赤らめる。

「あなたに、そんなこと言われる筋合いは……」

「部室では孤立しかけている。お前が周りを拒絶するような態度を取り続けるからだ。それで本当にいいのか? せっかく、共に音楽を創る仲間がいるというのに」

「うるさいわね! あなただって、ずっと一人でやってきたじゃない! 私に説教する資格なんてあるの、霧島先輩!?」

水城の声は震え、感情的になっていた。しかし、霧島は怯まなかった。

「ああ、確かに俺も以前は独りでいいと思っていた。音楽は孤独なものだとさえ考えていた。父は絶対的な技術だけを求めたし、中学の頃のコンクールで……俺のせいで、他のメンバーの足を引っ張ってしまった苦い記憶もある。他人と合わせることへの恐怖が、いつしか俺を殻に閉じ込めていたんだ。だが……」

霧島はちらりと陽菜に視線を送った。

「この丘で知ったんだ。一人では決して生み出すことのできない音色が、響き合いがあることを」

その言葉と視線に、陽菜の胸は熱く高鳴った。

「私……」

水城は俯き、唇を噛み締めた。そして、堰を切ったように、震える声で語り始めた。その瞳には、涙が浮かんでいる。

「……お母さんが、私にずっと言ってたの。『舞は特別な才能を持っている。他の子とは違う。だから、誰よりも完璧に演奏しなさい。そうすれば、世界中があなただけを見てくれる』って……。私は、その言葉だけを信じて、ずっと……」

「それで……?」

霧島が静かに促す。

「でも、ここに来て……青空学園に来て、分からなくなった……。私が完璧であろうとすればするほど、周りは私から離れていく……。私の音は、誰にも届かない……。だったら、私の価値って、一体何なの……? 完璧じゃなきゃ意味がないのに……!」

その告白は、悲痛な叫びだった。陽菜はたまらなくなり、思わず水城の腕を掴んだ。

「水城さん……!」

その瞬間、ぽろり、と水城の目から大粒の涙が零れ落ちた。それは、長年彼女を縛り付けてきた呪縛の重さを物語る涙だった。

霧島は黙ってその様子を見ていたが、やがて静かに口を開いた。その表情は、いつになく柔らかい。

「……お前が、あの嫌がらせなんかするはずがない。それはもう分かっている。だからこそだ。……だからこそ、三人で確かめようじゃないか。俺たちが、何のしがらみもなく、ただ純粋に音を合わせたら、そこに何が生まれるのかを」

「三人で……?」

陽菜が問い返すと、霧島は力強く頷いた。

「ああ。この丘で、今、三人だけのアンサンブルを試すんだ。部活での立場も、周りの視線も、過去のしがらみも全部忘れて。ただ、互いの音を感じ、音楽そのものを楽しむんだ」

水城は涙を拭い、戸惑いながらも、霧島の真剣な眼差しに何かを感じ取ったようだった。そして、小さく、しかしはっきりと頷いた。

「……わかったわ。……やってみる」

こうして、月明かりが照らす星見が丘で、三人のトランペット奏者は初めて、互いのためだけに楽器を構えた。霧島が目で合図を送り、静かに息を吸い込む。そして、三つの楽器から、同時に音が放たれた。

最初は、やはりぎこちなかった。水城の音はまだ硬く、力みが見える。霧島の音は鋭く、やや突出している。陽菜は、二人の強大な音の間で、遠慮がちに、しかし懸命に自分の音を重ねようとする。

だが、何度か短いフレーズを繰り返すうちに、不思議な瞬間が訪れた。

ふっと、三人の呼吸が合った。霧島の鋭い輝き、水城の透明な響き、そして陽菜の温かな音色が、まるで磁石が引き合うように自然に重なり、溶け合い、一つの美しいハーモニーとなって夜空に響き渡ったのだ。

(あ……すごい……混ざってる……!)

完璧ではない。それぞれに個性があり、ぶつかり合う部分もある。けれど、その違いがあるからこそ生まれる、豊かで、深みのある響き。それは、一人では決して奏でることのできない、アンサンブルだけが持つ魔法。

そのほんの一瞬の奇跡のような調和に、三人は言葉を失い、ただ互いの音の余韻に聴き入った。

「……今、の……なんだか、すごく……」

陽菜が感動で言葉を探していると、霧島は静かにトランペットを下ろし、夜空を見上げていた。水城は、なぜか顔を真っ赤にして、自分の楽器を茫然と見つめている。

誰もはっきりとは口にしなかったが、三人の心の中には、同じ確かな感覚が生まれていた。技術や評価を超えたところで、音楽が心と心を繋ぐ瞬間があるのだ、と。


5.次なるステップへの予感

しばらくの沈黙の後、最初に口を開いたのは水城だった。

「……こんなの、初めて……」

彼女はまだ少し興奮した様子で呟いた。

「完璧じゃない。全然、完璧なんかじゃ、ないのに……どうして……心が、こんなに震えるんだろう……」

その言葉に、霧島は星空を見上げたまま、静かに答えた。

「……完璧かどうかなんて、本当は重要じゃないのかもしれないな。それよりも、心を込めて、誰かと響き合うこと。……お前にも、それが少しは分かったんじゃないか?」

水城は、素直に、小さく頷いた。その表情には、長年彼女を覆っていた氷が、少しだけ溶け始めたような柔らかさが見えた。陽菜は、その変化が嬉しくて、安堵の息をついた。

(良かった……水城さんと霧島先輩、ちゃんと音楽で通じ合えたんだ……。そして、私も、その中にいる……!)

もちろん、これで部内の問題が全て解決したわけではない。嫌がらせの真犯人はまだ分かっていないし、部全体のギスギスした空気がすぐに消えるわけでもないだろう。

それでも、この夜、三人は確かな希望の光を見出した。「一緒に音を出せば、言葉だけでは越えられない壁も、乗り越えられるかもしれない」と。コンクールに向けて、そして自分たちの音楽を見つけるために、彼らはようやく、本当の意味で共に歩むための一歩を踏み出したのだ。

月明かりが、三人の若い音楽家たちの姿を優しく照らしていた。ひんやりとした夜風が、彼らの間の距離を、ほんの少しだけ縮めたように感じられた。それぞれの瞳には、不安の中にも、新たな決意と、音楽への純粋な愛情の光が、強く宿り始めていた。
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