異世界に流されて…!?

藤城満定

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 景太郎達とアイザック達はギルドの受付嬢の案内で三階にあるギルマスの執務室に通された。

「やあ、初めましてだね。僕が冒険者ギルドザカダン領支部マスターのマンドラド・メールンだよ。君達の事はアイザック達から聞いていたけど「今、鑑定スキルを使っただろう」…成る程、さすがにあの森に住んでいるだけあって相当に強いみたいだね。僕なんか影も踏めそうにもないね」

 【鑑定】スキルを使っても【鑑定】できないのは、魔力量が使った本人よりも遥かに上回っているからだ。
 逆を言えば、Lvが上の者は自分が鑑定されたのを分かるようになっている。
 因みに今の景太郎達のステータスはと言えば、こうなっている。


 氏名:宮間景太郎(ケータロー)
 種族:人間族
 性別:男
 年齢:17歳
 Lv:59
 魔力:65,000/65,000
 属性:無属性
    風属性
    土属性
    聖属性
    雷属性
 武術:棍棒術
    棒術
    杖術
    捕縛術
    格闘術
    投擲術
    短剣術
    剣術
    双剣術
    槍術
    氣功術
 固有:鑑定
    収納
    生活魔法
    強奪
    異世界ショッピング
 特有:突進
    睡眠
    酸
    毒針
    爪斬撃
    斬脚
 SP:48,500

 氏名:佐伯真奈美(マナミ)
 種族:人間族
 性別:女
 年齢:17歳
 Lv:39
 魔力:329,000/32,900
 属性:無属性
    火属性
    風属性
    光属性
 武術:短剣術
    双短剣術
    短槍術
    手斧術
    弓術
    氣功術
 固有:鑑定
    収納
    生活魔法

 氏名:篠原美津子(ミツコ)
 種族:人間族
 性別:女
 年齢:17歳
 Lv:40
 魔力:42,000/42,000
 属性:無属性
    風属性
    聖属性
 武術:棍棒術
    短剣術
    剣術
    弓術
    槍術
    氣功術
 固有:鑑定
    収納
    生活魔法

 氏名:藤原沙織(サオリ)
 種族:人間族
 性別:女
 年齢:17歳
 Lv:42
 魔力:46,500/46,500
 属性:無属性
    火属性
    水属性
    風属性
    土属性
 武術:短剣術
    弓術
    槍術
    剣術
    双剣術
    槌術
    棍棒術
    氣功術
 固有:鑑定
    収納
    生活魔法

 ギルマスのマンドラドは面白そうに笑っている。

「冒険者のステータスを鑑定するのは御法度なんだけどね。どうしても必要だったんだ。ごめんね。許してくれると嬉しいな」

 このマンドラドというギルマスはフランクな口調で、謝り方までかなりフランクだった。
 どこからどう見ても景太郎達よりも年下に見えるのだが…。

 そうか。
 このギルマスはハイエルフなのか。
 年齢は…223歳。
 俺達の十三倍以上も生きてるのか。

「今、鑑定したよね?」

 目を細めるマンドラド。

「ああ。悪かった。それにしてもアンタ凄いな。ハイエルフだなんてマジでファンタジーだぜ」
「は、ハイエルフ!?」
「マジで!?うわっ、本当だ!!」
「本当にファンタジーって感じだね!!」

(ファンタジー?ファンタジーって何だ?何処かで聞いたような…ッ!!)

 首を捻って記憶の底を浚っていたら、ある事を思い出した。

「まさか君達は稀人まれびとか!?」

 マンドラドはソファーを蹴飛ばす勢いでテーブルに身を乗り出して聞いた。

「稀人?ああ、この世界じゃ異世界人の事を稀人って呼んでるのか」
「稀人ってのもノベルに書いてあったね」
「私はアニメかな」
「え~?絶対にコミックだよ」

 マンドラドは、

 異世界。
 ノベル。
 アニメ。
 コミック。

 この言葉で景太郎達が稀人だと確信した。念を押すように確信した。
 この王国の初代国王陛下が稀人であったので、王侯貴族から庶民まで、稀人を保護し丁重に扱う事が国法に記されているのだ。
 こうなると辺境伯様にご報告して、彼らの事を国王陛下のお耳にいれてもらうしかないだろう。
 しかし…。

「一つだけ教えて欲しい事があるんだけど…良いかな?」
「別に構わないけど…何が知りたい?」
「君達のLvを教えてほしいんだよ」

「(Lvか。まあ、Lvくらいなら良いかな)分かった。俺のLvは59」
「私は39」
「40」
「私のLvは42です」
「ツッッッッッ!?(僕よりも上じゃないか!?)」

 マンドラドのLvは35なので、四人の中で一番Lvが低い真奈美よりも下な事に驚きを隠せないでいた。
 後ろにいるアイザック達も同じで、とんでもなく強いんだろうなとは思っていたけどまさか全員のLvが39以上とは…それに景太郎のLvが59で、伝承の稀人な事に驚きすぎて立ち眩みがしていた。

「………………」

 ギルマスの執務室を沈黙が支配した。

「とにかく、君達の事は辺境伯様を通して国王陛下に報せるとして…『魔の森』に住んでだって事はそれなりの素材を持ってるんだろうね?」
「あ~、うん。の物はな」

 景太郎が言い淀んだのは、アイザック達から、

「『魔の森』の素材をホイホイと出しちゃ駄目ですからね。そんな事したら、素材の買い取り相場が大きく変動しちゃうんですからね」

 と釘を刺されていたからだ。
 チラッとアイザック達を見ると、首を激しく振っている。
 となると出せるのは限られてくる。
 景太郎は真奈美達に目配せすると、

「オークキングが十体、オークジェネラルが二十体、オークナイトが二十体、オークメイジが二十体、オークアーチャーが二十体、ネオオークが二十体、オークが二十体…今日のところはそれくらいかな」
「へ、へ~。そう、なんだ…凄いね?」

 さすがのギルマスもちょっとだけ引いている。
 それに、という事は他にもたくさんあるという事なので、ギルドの解体師の解体スピードと金庫の中の額を考えればありがたい事ではある。あるのだが…。

「因みに一番の大物は何かな?」
「一番の大物?そうだな…」

 景太郎達が悩んでいる。
 マンドラドは子供みたいに目をキラキラさせて興味津々と言った感じだ。

魔狼フェンリルじゃないか?」
聖銀ミスリルゴーレムかな」
飛竜ワイバーンじゃない?」
「え~?地龍ベヒモスよ」

 魔狼。
 聖銀ゴーレム。
 飛竜。
 地龍。

 どれもこれもSランクやSSランク討伐指定のモンスターばかりだ。
 マンドラドだけではなくてアイザック達までドン引きしている。

「兄貴達は、そんなのも討伐してたんですね…ハハハ…もう笑うしかないですよ」

 力なく笑うアイザック達とは真逆にギルマスのマンドラドは買い取り金額が幾らになるのかを計算していた。
 オークキング一体だけでも大金貨五枚の値段での買い取りが相場だから…。
 ドン引きしているアイザック達と急に黙り込んだギルマスのマンドラドに、

「あ~、あのさ。ギルド登録したいんだけど?」
「「「「「「『え?』」」」」」」

 え、じゃねえよ。
 特にアイザック。お前達は防壁での会話を聞いてただろうが。

「ああ、登録ね。うん。まずは登録しようか。素材の買い取りはその後だね。っと、その前に解体所でオークキングとかを出して…マジックバッグは持ってないみたいだけど…まさか…収納ストレージスキルを持ってるのかい?」
「あ、ああ。俺達は四人とも収納スキルを持ってるが…それがどうした?」

 不思議そうに首を傾げる景太郎達に、

「兄貴。収納スキルを持ってる人は百年に一人いるかいないかってくらいの稀少スキルなんですよ」
「百年に一人いるかいないか、か。そりゃまた何とも凄いな」

 感心したような声だが、その収納スキルの持ち主を巡って戦争の一歩手前までに発展した事を知らないので、景太郎達は楽しげに笑っていられるのだった。
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