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第21話 再戦
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身動きが出来ない。
天井に潰されて人生が終わるのか。ようやくグロリアを見つけたというのに。
後悔してもしきれない。
だが出来ることもない。
たまらず目を瞑った。
何の意味もない。ただ奇跡が起きてくれと願っているだけ。そして諦めの現れ。
崩落の轟音が鳴り響く。
崩落の時間は長くはなかった。
音が鳴り止むと、生き残ったラジオから流れるヴェルナーの不正だけが聞こえてきた。
それと同時に理解した。
こんな状況でラジオの音声を気に出来ること、それが証明する己の体の全くの無傷に。
「ウェルト! おい!」
目を開くと視界は土煙で塞がれ、何がどうなってしまったのか判断が出来ない。
無事でいてくれ、そう願いながら叫ぶと声が聞こえてくる。
「大丈夫。無事だよ」
近くでジャラジャラと鎖の落ちる音がした。
そしてウェルトが鎖を解きに来る。
「これもお前の作戦通りなのか?」
「そうだよ。ね、ピュイ」
「ピ」
聞き間違いかと思った。
だが確実に聞こえた。長く苦楽をともにした友の名が。相棒の声が。
「何でここに」
「何でって、一緒に行動してたんだから。ねぇ」
土煙が晴れてきて、ピュイがウェルトの隣りにいるのが見えた。
ウェルトの声掛けにピュイは「ピピ」と羽を広げて返している。
状況が全くもって分からないし、飲み込めないが、二人が切り開いてくれたことだけは確定だ。
鎖が取れると体の具合を確かめた。テーザーガンの影響なく動かせる。
「ウェルト、さっきは悪かった」
オレは頭を下げた。
「いいよ。事情を説明してなかったのは僕なんだから」
あっけらかんとした態度で返してくるウェルトを見ると、不思議と心が軽くなる。
きっと彼の人柄がそうさせるのだろう。
「細かいことは移動しながら話そう。ポルンくんが心配だ」
「いや……。あぁ、分かった」
一瞬迷ってしまった。
仲間の命と復讐を天秤にかけ、見捨てようとした自分がいた。
断ろうと無意識に伸ばした手を引っ込める。
「ヴェルナーを、グロリアを追いたいんだね」
寄り添うような優しい言葉だった。
だけどウェルトの目を見れなかった。
軽蔑しているだろう。失望しているだろう。
オレは仲間の命よりも復讐を優先する不届き者だ。
そんな奴がどんな顔をして向き合えるのか。
「行きなよ」
「だけど……」
「長年追ってきた因縁なんだろ。君の気持ちを尊重出来ないほど、僕達は愚かじゃない。頼れよ。仲間だろ」
ウェルトの言葉で霧が晴れた気がした。
心のどこかで信頼しきれていなかった。
だから一人でウェルトを救出に向かい捕まった。
他の場面でだってそうだ。
ずっと助けられてきたのに、自分は助ける側だと思い、その手に気付かずにいた。
「ウェルト」
その目は真っ直ぐで、一欠片の曇りもなかった。
頼っていい。信じろと言っている。
その為の仲間だろうと、言わずとも伝わってくる。
「ポルンの方は頼んだ。教えてくれた基地にいる筈だ」
「分かったよ」
ウェルトは強く頷く。
土煙が収まると、自分達のいた場所には崩落がない様子が伺えた。
ウパルのいた場所は完全に瓦礫に埋もれてしまっている。
これでは生存は絶望的。生きていたとしても出られはしないだろう。
崩落し、空いた天井から外に出ると、そこは趣のある豪勢な建物の近くだった。
それを携える広大な庭だった場所はクレーターが無数にあき、近くの彫刻も台座を残して砕け、見るも無惨な光景となっている。
「ここは本庁だ。ヴェルナーの屋敷だよ」
「グロリアがここに……」
いや違う。おそらくはヤクザの対処に出向いている筈だ。
ウェルトが何をしたのか知らないが、ヤクザが牙を向くほどの事態。
収めるにはトップたる存在が直接解決に向かうしかない。のだが、グロリアとウパルの発言を聞くに誤解を解くのでなく殲滅だ。
そうなるとどこかに隠れ、指揮をしているかもしれない。そうなると、どこにいるのか見当がつかない。
「いや、アイツなら直接やるな」
グロリアのことはよく知ってる。
どれだけ寝食を共にしてきたか。
「ウェルト、ピュイ、グロリアの居場所を教えてくれないか」
「もちろんだ」
「ピ!」
頼もしい返事と共に、その場を移動しようとした。そのタイミングだった。
オレ達が出てきた穴から手が伸びてきた。
細く小さな手。しかし何よりも力強く地面を掴み、這いずり上がってきた。
「生きてたのか。……ウパル」
「えぇ、やってくれましたね。何回死にかけさせられればいいのか、教えてほしいですよ」
ゼロ距離発砲でも傷のつかない体だ。生存していていもおかしくはない。
しかし何十トンという重さに潰されても生きているのはウパルとて不可能。
運よく瓦礫の隙間に埋まったのだろう。
その証拠と言うべきか、顔が染まるほどの頭部出血はあれど、手足は潰れていない。
「ここでアナタ達を逃がす訳にはいきません。捕縛はもう無理です。確実に殺します」
血に染まった眼を向けて宣言した。
「ウェルト行け! グロリアは自力で探す! ピュイもウェルトについていけ!」
「行くよ、ピュイ! ガイナス、死ぬなよ!」
「何回も逃がす訳ないでしょうが!」
地面を蹴る音が聞こえた次の瞬間には眼前に拳が迫っていた。
万全ではない筈なのに、あの時と同等の速度だ。
だが生憎とこちらも万全だ。元々制圧用であるテーザーガンのダメージなど微々たるもの。
受け流し、そのまま腕を掴んで地面に叩きつけた。
「がはっ……!」
人間なら骨が砕ける威力だ。しかしその程度では、人造人間は止まらない。
続け様にスタンピング。頭蓋を砕きにいった。
「ッ!」
だがそれよりも早く、ウパルは放した腕に絡みつき、蛇のように上がってきた。
「ぐ……がっ……」
そのまま背後に回られるとチョークスリーパーを決められた。
完全に首をホールドされた。
一瞬にして酸素の供給がなくなる。
「落ちてくださいッ!」
意識が持っていかれる。
気合いではどうにもならない、生物としての弱点をついた絞め技。
このままでは倒される。
技を持って力を制す。先の戦いから学習したのだろう。
どうすれば切り抜けられる。
肉を千切るか。
そんなことをしてもウパルは力を緩めないだろう。それほどの覚悟があるに決まっている。
ならばどうすべきか。
消えゆく意識の中で考えた。
そして見つけた最良の答え。
「ッ何をするつもりですか」
まだ歩ける。
霞がかった視界を頼りに、彫刻の台座まで足を運んだ。
そして、全力で背中からぶつかった。
「うぐっ……!」
石の破片が舞う。
背中に強烈な衝撃が走る。
車の衝突に似た音を何度も響かせた。
体の痛みなんて関係ない。
背に絡みつく外敵を振り解く為に、全身全霊で繰り返した。
「うぐぐ……っ!」
「がっ……」
火事場の馬鹿力というやつか。
締め付けがキツくなる。
もってあと数秒。
ここで終わらせなければ、全てが水の泡になる。
持てる全てを使い、台座に突っ込んだ。
その衝撃は相当なもので、台座は見る影もなく砕け散った。
「ぶはぁ! はぁ……はぁ……」
そして地面には、周囲の草を赤く染めて動かなくなったウパルの姿があった。
天井に潰されて人生が終わるのか。ようやくグロリアを見つけたというのに。
後悔してもしきれない。
だが出来ることもない。
たまらず目を瞑った。
何の意味もない。ただ奇跡が起きてくれと願っているだけ。そして諦めの現れ。
崩落の轟音が鳴り響く。
崩落の時間は長くはなかった。
音が鳴り止むと、生き残ったラジオから流れるヴェルナーの不正だけが聞こえてきた。
それと同時に理解した。
こんな状況でラジオの音声を気に出来ること、それが証明する己の体の全くの無傷に。
「ウェルト! おい!」
目を開くと視界は土煙で塞がれ、何がどうなってしまったのか判断が出来ない。
無事でいてくれ、そう願いながら叫ぶと声が聞こえてくる。
「大丈夫。無事だよ」
近くでジャラジャラと鎖の落ちる音がした。
そしてウェルトが鎖を解きに来る。
「これもお前の作戦通りなのか?」
「そうだよ。ね、ピュイ」
「ピ」
聞き間違いかと思った。
だが確実に聞こえた。長く苦楽をともにした友の名が。相棒の声が。
「何でここに」
「何でって、一緒に行動してたんだから。ねぇ」
土煙が晴れてきて、ピュイがウェルトの隣りにいるのが見えた。
ウェルトの声掛けにピュイは「ピピ」と羽を広げて返している。
状況が全くもって分からないし、飲み込めないが、二人が切り開いてくれたことだけは確定だ。
鎖が取れると体の具合を確かめた。テーザーガンの影響なく動かせる。
「ウェルト、さっきは悪かった」
オレは頭を下げた。
「いいよ。事情を説明してなかったのは僕なんだから」
あっけらかんとした態度で返してくるウェルトを見ると、不思議と心が軽くなる。
きっと彼の人柄がそうさせるのだろう。
「細かいことは移動しながら話そう。ポルンくんが心配だ」
「いや……。あぁ、分かった」
一瞬迷ってしまった。
仲間の命と復讐を天秤にかけ、見捨てようとした自分がいた。
断ろうと無意識に伸ばした手を引っ込める。
「ヴェルナーを、グロリアを追いたいんだね」
寄り添うような優しい言葉だった。
だけどウェルトの目を見れなかった。
軽蔑しているだろう。失望しているだろう。
オレは仲間の命よりも復讐を優先する不届き者だ。
そんな奴がどんな顔をして向き合えるのか。
「行きなよ」
「だけど……」
「長年追ってきた因縁なんだろ。君の気持ちを尊重出来ないほど、僕達は愚かじゃない。頼れよ。仲間だろ」
ウェルトの言葉で霧が晴れた気がした。
心のどこかで信頼しきれていなかった。
だから一人でウェルトを救出に向かい捕まった。
他の場面でだってそうだ。
ずっと助けられてきたのに、自分は助ける側だと思い、その手に気付かずにいた。
「ウェルト」
その目は真っ直ぐで、一欠片の曇りもなかった。
頼っていい。信じろと言っている。
その為の仲間だろうと、言わずとも伝わってくる。
「ポルンの方は頼んだ。教えてくれた基地にいる筈だ」
「分かったよ」
ウェルトは強く頷く。
土煙が収まると、自分達のいた場所には崩落がない様子が伺えた。
ウパルのいた場所は完全に瓦礫に埋もれてしまっている。
これでは生存は絶望的。生きていたとしても出られはしないだろう。
崩落し、空いた天井から外に出ると、そこは趣のある豪勢な建物の近くだった。
それを携える広大な庭だった場所はクレーターが無数にあき、近くの彫刻も台座を残して砕け、見るも無惨な光景となっている。
「ここは本庁だ。ヴェルナーの屋敷だよ」
「グロリアがここに……」
いや違う。おそらくはヤクザの対処に出向いている筈だ。
ウェルトが何をしたのか知らないが、ヤクザが牙を向くほどの事態。
収めるにはトップたる存在が直接解決に向かうしかない。のだが、グロリアとウパルの発言を聞くに誤解を解くのでなく殲滅だ。
そうなるとどこかに隠れ、指揮をしているかもしれない。そうなると、どこにいるのか見当がつかない。
「いや、アイツなら直接やるな」
グロリアのことはよく知ってる。
どれだけ寝食を共にしてきたか。
「ウェルト、ピュイ、グロリアの居場所を教えてくれないか」
「もちろんだ」
「ピ!」
頼もしい返事と共に、その場を移動しようとした。そのタイミングだった。
オレ達が出てきた穴から手が伸びてきた。
細く小さな手。しかし何よりも力強く地面を掴み、這いずり上がってきた。
「生きてたのか。……ウパル」
「えぇ、やってくれましたね。何回死にかけさせられればいいのか、教えてほしいですよ」
ゼロ距離発砲でも傷のつかない体だ。生存していていもおかしくはない。
しかし何十トンという重さに潰されても生きているのはウパルとて不可能。
運よく瓦礫の隙間に埋まったのだろう。
その証拠と言うべきか、顔が染まるほどの頭部出血はあれど、手足は潰れていない。
「ここでアナタ達を逃がす訳にはいきません。捕縛はもう無理です。確実に殺します」
血に染まった眼を向けて宣言した。
「ウェルト行け! グロリアは自力で探す! ピュイもウェルトについていけ!」
「行くよ、ピュイ! ガイナス、死ぬなよ!」
「何回も逃がす訳ないでしょうが!」
地面を蹴る音が聞こえた次の瞬間には眼前に拳が迫っていた。
万全ではない筈なのに、あの時と同等の速度だ。
だが生憎とこちらも万全だ。元々制圧用であるテーザーガンのダメージなど微々たるもの。
受け流し、そのまま腕を掴んで地面に叩きつけた。
「がはっ……!」
人間なら骨が砕ける威力だ。しかしその程度では、人造人間は止まらない。
続け様にスタンピング。頭蓋を砕きにいった。
「ッ!」
だがそれよりも早く、ウパルは放した腕に絡みつき、蛇のように上がってきた。
「ぐ……がっ……」
そのまま背後に回られるとチョークスリーパーを決められた。
完全に首をホールドされた。
一瞬にして酸素の供給がなくなる。
「落ちてくださいッ!」
意識が持っていかれる。
気合いではどうにもならない、生物としての弱点をついた絞め技。
このままでは倒される。
技を持って力を制す。先の戦いから学習したのだろう。
どうすれば切り抜けられる。
肉を千切るか。
そんなことをしてもウパルは力を緩めないだろう。それほどの覚悟があるに決まっている。
ならばどうすべきか。
消えゆく意識の中で考えた。
そして見つけた最良の答え。
「ッ何をするつもりですか」
まだ歩ける。
霞がかった視界を頼りに、彫刻の台座まで足を運んだ。
そして、全力で背中からぶつかった。
「うぐっ……!」
石の破片が舞う。
背中に強烈な衝撃が走る。
車の衝突に似た音を何度も響かせた。
体の痛みなんて関係ない。
背に絡みつく外敵を振り解く為に、全身全霊で繰り返した。
「うぐぐ……っ!」
「がっ……」
火事場の馬鹿力というやつか。
締め付けがキツくなる。
もってあと数秒。
ここで終わらせなければ、全てが水の泡になる。
持てる全てを使い、台座に突っ込んだ。
その衝撃は相当なもので、台座は見る影もなく砕け散った。
「ぶはぁ! はぁ……はぁ……」
そして地面には、周囲の草を赤く染めて動かなくなったウパルの姿があった。
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