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第四章 集結する思い
犠牲
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彼が言うには、マルファスはラベール大陸から来た修道士らしい。彼はラベール大陸の教会で悪魔に憑かれた人を何人か助けたそうだが、短期間にこれだけの人間が悪魔に憑かれることはそうそうないために聖女を頼ることにしたらしい。
その道中でアマデウスと聖堂に入る夢を視たらしく、それは予知夢であるとすぐにわかったそうだ。
「なるほど。それでわたしのことを助けてくれたわけか。魔術に携わっている者で、かつ優秀であれば予知夢を視ることは珍しくないからな」
「マルファスさんのことはわかりましたわ。アマデウス様も悪魔関係のことで私の元へ?」
「そうですな。彼と同じで悪魔に対処するには聖女様のお力が必要だと判断しましたので。それからこれも聖女様に関係するお話かと思うのですが……近頃邪悪な魔術師が5界の魔導書を集めて世界を牛耳るつもりのようでしてな……」
アマデウスが聖女の様子を伺う。彼女は5界の魔導書と聞いて案の定思うところがあるようだ。
「神界の魔導書をお持ちですかな?」
「……はい。つまりはその魔術師がこの魔導書を奪いに来るかもしれないと。そういうことですね?」
「はい。いつになるかはわかりませんが、必ず奪いに来るでしょう。実は私も一冊持っておりましてな。一か所に魔導書を集めるのはどうかとも思ったのですが、悪魔の件で仕方なくやって来た次第です」
「そうでしたか……。私が知らない間にこんなにも大きな問題が二つも……」
聖女が暗い声で呟いたそのときだった。今いる部屋の扉の外からシスターの大きな声が聞こえる。
「聖女様、大変です! 街に悪魔が――」
その女性の声は途中で途切れ、人がドサリと倒れる音がした。慌てて三人が部屋から出ると、シスターは平民の男に刃物で貫かれて、今にもトドメをさされようとしているところだった。
息を呑むのも束の間、アマデウスは咄嗟に衝撃波を放って男を吹き飛ばした。廊下の突き当たりの壁にぶつかって意識を失った男からは黒い影が現れる。
揺らめくそれに怯んでいると、なんとマルファスがその影に何かを投げつけた。パリンという音と共に中の液体が影にかかる。すると影から煙があがって、姿が変化して影だったものがハッキリとした化け物に変わった。
ヤギのような草食動物の頭蓋骨に人型の体が生えたような気味が悪い見た目だ。体は紫がかり、所どころが赤くひび割れている。まるで溶岩が血液になっているかのように、肌から煮えたぎる赤色が見え隠れしていた。
ようやく我に返った聖女が既に手に持っていた魔導書を開いた。白いその書物は神界の魔導書だ。
実力あるものならば魔力を流すだけで強大な力を発揮する魔導書は、聖女の手にかかれば十分にその力を振るえる。
【浄化】
魔導書の白い発光と同じくして悪魔の体の内側から強烈な光が溢れだす。悪魔は抵抗するも、すぐさまその眩い光に体を焼かれ、奇怪な音域の断末魔をあげて幽霊のようにフッと消えてしまった。
聖女はそのまま倒れたシスターの元に向かって連続で魔導書の魔術を使う。
【神界の慈愛】
瞬く間に女性の怪我は治り、傷は完全にふさがった。おそらくすぐにでも目を覚ますだろう。
「素晴らしい力ですね。これだけの力を持った魔術は今まで見たことがありません」
「それだけにこの魔導書の危険性が理解できるだろう。だが今はそれどころではないな。恐らくまだ悪魔がいるはずだ」
「邪悪な気配が消えていませんものね。人々を助けなくては」
三人はシスターを近くの部屋のベッドに寝かせて聖堂を出る。
すると街の門の方向から、王城へと人々が逃げ惑っているのがわかった。三人は導かれるようにその方向へと向かうと、三十代くらいの女が包丁を振り回して手当たり次第に人を刺し、四十代くらいの男が魔術を使って建物に火をつけてまわっていた。
女の方は狂気に満ちた顔をして血に濡れた包丁を眺めて笑っていて明らかにまともには見えない。
男の方も魔力の使い過ぎで口から血を流しているので、限界は近いのだろう。何とも痛々しいが残酷すぎる行為の数々にさすがの聖女も目を背けてしまったが、それは一瞬ですぐに彼らを見据えて魔導書を開いた。
だが強力な魔力に反応した二人の悪魔憑きは、首をグルンと回しターゲットをすぐに聖女に変えて向かってきた。悪魔によって身体能力が強化されているのか、女の方はほんの僅かな時間で聖女に肉薄して包丁を振りかざした。
反応が遅れた聖女は咄嗟に目を瞑る。何とかして彼女を助けたかったが、アマデウスは男の魔術を妨害するのに必死で手を出せていない。
こんなにもあっさり聖女がやられてしまう。そのギリギリのところで、なんとマルファスが聖女を庇って包丁をその身に受けた。
捻り出されたような苦痛の声が何度も振り下ろされる包丁でかき消される。悪魔憑きの男が生み出した球形の火炎を魔力で霧散させながら、アマデウスは駆け付けたい衝動を抑えて歯を食いしばった。
既にこと切れてしまっているだろうマルファスに、女は楽しそうに包丁を刺し続ける。先ほどまで聖女に向いていた関心が嘘のように女はマルファスで遊んでいた。
ようやくそれが収まって、ボロボロになったマルファスが地面に崩れ落ちるころ、聖女は鋭い目で悪魔憑きを見据えて魔術を発動した。対象が増えた上、先ほどよりも格が上の悪魔だったために少しばかり時間がかかったようだが、問題なく浄化の魔術が悪魔を焦がす。
二人とも同時に光を受けて、体の中の悪魔だけが消え去ると、男と女の両方とも気を失ってその場に倒れた。これで悪魔の気配はすべてなくなったが、犠牲者が何人か出てしまった。
「いくら神界の魔導書とはいえ、さすがに蘇生の魔術はないでしょう?」
「ええ。神の領域の魔導書であっても万能の力ではありません」
「そう……でしょうな。5界の魔導書は神が人間に与えた力と言われております。限度があるのは当然のことでしょう」
「ええ……」
マルファスと、そして女に刺された人たちの無残な亡骸に、聖女の涙が零れた。アマデウスも沈痛な面持ちでその目を伏せる。
「マルファスさんは、私を庇ってくださったのです。まだ会って間もない私のことを……」
「誠に勇敢でしたな」
「はい……。私は聖女とは呼ばれておりますが、ただ治癒の魔術が得意なだけの女なのです。それでも……私を庇ってくださった彼の意志を無駄にはできない……。何としてでも、この悪魔の騒動を収めて5界の魔導書を死守しなくては」
「わたしも全力でお助け致します。ですがまずは焼けた家屋の鎮火をしなくては。聖女クラリス様、誰のせいでもありません。どうか思いつめぬよう……」
アマデウスは渋々クラリスを残して、悪魔憑きの男によって燃やされた家の消火活動へと向かっていった。
その道中でアマデウスと聖堂に入る夢を視たらしく、それは予知夢であるとすぐにわかったそうだ。
「なるほど。それでわたしのことを助けてくれたわけか。魔術に携わっている者で、かつ優秀であれば予知夢を視ることは珍しくないからな」
「マルファスさんのことはわかりましたわ。アマデウス様も悪魔関係のことで私の元へ?」
「そうですな。彼と同じで悪魔に対処するには聖女様のお力が必要だと判断しましたので。それからこれも聖女様に関係するお話かと思うのですが……近頃邪悪な魔術師が5界の魔導書を集めて世界を牛耳るつもりのようでしてな……」
アマデウスが聖女の様子を伺う。彼女は5界の魔導書と聞いて案の定思うところがあるようだ。
「神界の魔導書をお持ちですかな?」
「……はい。つまりはその魔術師がこの魔導書を奪いに来るかもしれないと。そういうことですね?」
「はい。いつになるかはわかりませんが、必ず奪いに来るでしょう。実は私も一冊持っておりましてな。一か所に魔導書を集めるのはどうかとも思ったのですが、悪魔の件で仕方なくやって来た次第です」
「そうでしたか……。私が知らない間にこんなにも大きな問題が二つも……」
聖女が暗い声で呟いたそのときだった。今いる部屋の扉の外からシスターの大きな声が聞こえる。
「聖女様、大変です! 街に悪魔が――」
その女性の声は途中で途切れ、人がドサリと倒れる音がした。慌てて三人が部屋から出ると、シスターは平民の男に刃物で貫かれて、今にもトドメをさされようとしているところだった。
息を呑むのも束の間、アマデウスは咄嗟に衝撃波を放って男を吹き飛ばした。廊下の突き当たりの壁にぶつかって意識を失った男からは黒い影が現れる。
揺らめくそれに怯んでいると、なんとマルファスがその影に何かを投げつけた。パリンという音と共に中の液体が影にかかる。すると影から煙があがって、姿が変化して影だったものがハッキリとした化け物に変わった。
ヤギのような草食動物の頭蓋骨に人型の体が生えたような気味が悪い見た目だ。体は紫がかり、所どころが赤くひび割れている。まるで溶岩が血液になっているかのように、肌から煮えたぎる赤色が見え隠れしていた。
ようやく我に返った聖女が既に手に持っていた魔導書を開いた。白いその書物は神界の魔導書だ。
実力あるものならば魔力を流すだけで強大な力を発揮する魔導書は、聖女の手にかかれば十分にその力を振るえる。
【浄化】
魔導書の白い発光と同じくして悪魔の体の内側から強烈な光が溢れだす。悪魔は抵抗するも、すぐさまその眩い光に体を焼かれ、奇怪な音域の断末魔をあげて幽霊のようにフッと消えてしまった。
聖女はそのまま倒れたシスターの元に向かって連続で魔導書の魔術を使う。
【神界の慈愛】
瞬く間に女性の怪我は治り、傷は完全にふさがった。おそらくすぐにでも目を覚ますだろう。
「素晴らしい力ですね。これだけの力を持った魔術は今まで見たことがありません」
「それだけにこの魔導書の危険性が理解できるだろう。だが今はそれどころではないな。恐らくまだ悪魔がいるはずだ」
「邪悪な気配が消えていませんものね。人々を助けなくては」
三人はシスターを近くの部屋のベッドに寝かせて聖堂を出る。
すると街の門の方向から、王城へと人々が逃げ惑っているのがわかった。三人は導かれるようにその方向へと向かうと、三十代くらいの女が包丁を振り回して手当たり次第に人を刺し、四十代くらいの男が魔術を使って建物に火をつけてまわっていた。
女の方は狂気に満ちた顔をして血に濡れた包丁を眺めて笑っていて明らかにまともには見えない。
男の方も魔力の使い過ぎで口から血を流しているので、限界は近いのだろう。何とも痛々しいが残酷すぎる行為の数々にさすがの聖女も目を背けてしまったが、それは一瞬ですぐに彼らを見据えて魔導書を開いた。
だが強力な魔力に反応した二人の悪魔憑きは、首をグルンと回しターゲットをすぐに聖女に変えて向かってきた。悪魔によって身体能力が強化されているのか、女の方はほんの僅かな時間で聖女に肉薄して包丁を振りかざした。
反応が遅れた聖女は咄嗟に目を瞑る。何とかして彼女を助けたかったが、アマデウスは男の魔術を妨害するのに必死で手を出せていない。
こんなにもあっさり聖女がやられてしまう。そのギリギリのところで、なんとマルファスが聖女を庇って包丁をその身に受けた。
捻り出されたような苦痛の声が何度も振り下ろされる包丁でかき消される。悪魔憑きの男が生み出した球形の火炎を魔力で霧散させながら、アマデウスは駆け付けたい衝動を抑えて歯を食いしばった。
既にこと切れてしまっているだろうマルファスに、女は楽しそうに包丁を刺し続ける。先ほどまで聖女に向いていた関心が嘘のように女はマルファスで遊んでいた。
ようやくそれが収まって、ボロボロになったマルファスが地面に崩れ落ちるころ、聖女は鋭い目で悪魔憑きを見据えて魔術を発動した。対象が増えた上、先ほどよりも格が上の悪魔だったために少しばかり時間がかかったようだが、問題なく浄化の魔術が悪魔を焦がす。
二人とも同時に光を受けて、体の中の悪魔だけが消え去ると、男と女の両方とも気を失ってその場に倒れた。これで悪魔の気配はすべてなくなったが、犠牲者が何人か出てしまった。
「いくら神界の魔導書とはいえ、さすがに蘇生の魔術はないでしょう?」
「ええ。神の領域の魔導書であっても万能の力ではありません」
「そう……でしょうな。5界の魔導書は神が人間に与えた力と言われております。限度があるのは当然のことでしょう」
「ええ……」
マルファスと、そして女に刺された人たちの無残な亡骸に、聖女の涙が零れた。アマデウスも沈痛な面持ちでその目を伏せる。
「マルファスさんは、私を庇ってくださったのです。まだ会って間もない私のことを……」
「誠に勇敢でしたな」
「はい……。私は聖女とは呼ばれておりますが、ただ治癒の魔術が得意なだけの女なのです。それでも……私を庇ってくださった彼の意志を無駄にはできない……。何としてでも、この悪魔の騒動を収めて5界の魔導書を死守しなくては」
「わたしも全力でお助け致します。ですがまずは焼けた家屋の鎮火をしなくては。聖女クラリス様、誰のせいでもありません。どうか思いつめぬよう……」
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