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本編

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今回、ザガンの話だけで終わってしまいます…
退屈かもしれないので、初めに謝罪します!
ごめんなさい!!

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「ふう、これでやっと静かに話せるな」
「……」

 目の前の見覚えのない大男に何かをされたのか、遥が力無く抱えられている様子に、脳が考えることを拒否して停止する。
 いや、目の前の男が喋ることで、やっと現実なんだと理解した脳が動き始めた。

 何があったんだ?目の前の男は??
 …いや!それより遥は無事なのか!?


「お、おいおい…ワシだ!ザガンだ!それに、嬢ちゃんはただ気絶してるだけだ!」
「え、…ザガン?」

 え、ザガンって牛のことだよな?この目の前の男と同一人物であると??


「ああ、そのザガンだ!この人型の方が小回りがきくからな。それに話しやすいだろう?」

 だろう?って、

「俺はそんな違い知りませんけど…」
「がはははっ!それもそうだな!」

 あ、ついつい言ってしまった!
 まぁ、遥は気を失っているだけで怪我をしてるとか、そんな事じゃないなら一安心かな。

 それに、笑ってるし怒らせては無いみたいでよかった。


「おっと、それで話だ話!」
「あ、はい。」

 えっと、…なんの話でしたっけ?


「あぁ、アナボスに聞いたかもしれないが、お前たちがここに連れてこられた理由を知ってるか??」

 え?そんなこと知らない。
 それに、あのカエルが喋れたことすら初耳だった。

「そうか、じゃあ分かんないか…。まぁ、でも君には何かの縁だし伝えてもいいかな。とりあえず、場所を移そうか。」


 ザガンが何を知りたかったのか分からない。
 だけど、俺たちがこの場所に飛ばされて戦っている理由を伝えるためか、この神社の御社おやしろだろう建物まで案内してくれる。

 それから、隣で遥を寝かせながらザガンから話を聞くことになった。




「お前たちがここに飛ばされた理由。それは、暴走した使い魔がいたからなんだよ。」
「使い魔…?」

 うん、よく分からない。
 とりあえず使い魔ってなに?俺の使い魔ってコウモリのイメージなんだけど…そんなのいたっけ??

「いや、コウモリじゃなくてだな?ワシらは、君も知ってると思うがソトース様というあるじの使い魔なんだよ。ちなみに俺合わせて13体いる。」

 え、なに。ザガンやあの黄金ガエルって使い魔だったのか!
 それも、第3ステージで友達とか言ってたあのヨグ=ソトースの??

 パソコンもどきによるとヨグ=ソトースは神様だって事だから、使い魔と書いても不思議な話じゃないのか。

 …それにしても、まだ見てない使い魔があと11体もいるって… そんなの考えるだけで生きた心地がしないから…


「そんな顔させたくて言ったわけじゃないんだが… というより言ったよな?ワシはお前たちと戦う理由はないって。ワシ以外にもそう思ってる使い魔もいると思うぞ?」

 自分がどんな顔してたのか、自分のことだし知らない…

 だけどザガンは、「だから元気出せ」と笑いながら言って励まそうとしていて、使い魔のくせに良い奴だなって思った。


「それで、話が逸れてしまったが… 使い魔が暴走した理由は主様が君たちを大切にする姿を見て、主様を取られたと勝手に勘違いしたバカたちが暴走したんだ。」

 その話にまず思ったこと… それは「なにその、迷惑な話…」だった。
 初めはヨグ=ソトースから善意で逃がしてくれたのかと考えてたのに、真逆な話だったんだな。


「そのバカたちは君たちをここに飛ばしたあと、同じように俺たち他の使い魔もこの空間に飛ばしたようで、正常だった使い魔も焚き付けて主様を狂わせた原因として君たちを殺そうとしているわけだ。」

 なっ!じゃあ味方だったかもしれない使い魔が今も減っているかもしれないってことだよな!?


「……。主様はあの空間から動くことが出来ないから、ここに来ることはできないし、バカな使い魔たちを叱りたくても誰がやったのか分からないし、力が弱っていてできない。」

 ーーだから、ワシと一緒に主様の封印を解く方法を探して欲しい。

 …そう、ザガンは続けて言った。

 俺だって、ザガンが言っていることが正しいなんて全てを信じることはできない。

 だけど、暴走した使い魔は一部だけかもしれないなんて言う希望と、ザガンという強い味方が増えるという2つの希望。

 もしかしたら現実に戻るための最短ルートになるかもしれないそれを、みすみす逃すなんて選択を俺はできなかった。




 ザガンと話を終えて少しすると遥も目を覚ます。

「う、うん…」
「あ、遥!気がついたか?痛いところはない?」

 ついつい、ただ気絶しただけだし、一応治癒魔法もかけたと分かっていても心配してしまう。

「うーん、…大丈夫。…って、え!?ここどこ!?」
「落ち着いて、安全だから!ここは、神社の御社の中だよ。」
「おやしろ?」

 まあ、急に言われてもそんな反応になるよね?

 それから落ち着いた遥に、ザガンと話した内容と、これからともに行動することを伝える。


 言っちゃなんだけど、これを言ったら遥にすごい怒って反対されると思ってたのに、一度寝て冷静になったのか、渋りながらも受け入れてくれて拍子抜けした。
 だって、気絶するまではザガンに殺気がこもった目を向けて殴りかかろうとしてたのにさ…?

 まぁ、説得する手間が省けたのは純粋に有難かったし、今日はこのまま休んで明日の出発に備えることにした。
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