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桜ノ宮女学院、入学
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いよいよ今日から僕も晴れて高校生!
男なのに女子高生なんだけど。
僕、もとい白井あやめが通うことになった桜ノ宮女学院は都会から少し離れた場所にある。
実家からはかなり遠いので学院附属の女子寮に通うことになることを母親から聞かされていた。
荷物とかはちゃんと届くのかな?僕が男だってバレないかな?
不安が多すぎて気が気じゃなかった。
初日の今日は早起きして実家から電車で始発に乗って、何とか入学式に間に合うくらいの時間だ。
両親は仕事がとにかく忙しいらしく、入学式には出席しないらしい。
そんな中僕は、なんとか入学式が行われる講堂までたどり着いて着席したところだった。
周りをふと見回すと、とにかく女の子だらけ、当たり前だけど女の子しかいない(僕以外)。
そしてお嬢様学校なだけあるのか、皆礼儀正しそうで気品のある子たちばかりだ。
あらためて自分がこんな場所でやっていけるのか不安になる。
不安と緊張の中、お決まりの校長先生の挨拶が始まった。
新入生の皆さんが平穏な生活を送れるように、とか立派な女性になるように、とか。
退屈ではあるけど、ここで変なミスをしていきなり身バレなんて言うのは避けないと。
入学して、いきなり男の子でした、なんてもう恥ずかしすぎる。
いや、いつバレてもはずかしいけど。その前にバレたら即退学だけど。
とにかく僕はそんなこんなでなんとか入学式をやり過ごしたのだ。
でもこれではい解散、とはいかない。
クラス発表を見て掲示板を確認するのが先だ。
よくあることなのかもしれないけど、クラス発表というのは入学式までわからない学校が多い。
理由は当日に発表されるほうが緊張感もあるしワクワクするから、みたいだ。
広い学院の中を探し回って、やっとついた掲示板の前で立ち止まり自分の名前を探す。
ええと白井達巴はっと……。
あ、違う僕はあやめだ、白井あやめなんだった。
これから3年間お姉ちゃんの代わりとして暮らしていかないといけないんだから、こんな初歩的な勘違いをしていたら駄目だよね。
そんな風に適度に反省しながら再び名前を探していく。
……と、あった。
1年C組、これが僕の通うクラスだった。
クラスを確認して今日からお世話になる寮に向かう途中だった。
不意に後ろから名前を呼ぶ声が聞こえた。
「あやめ!2週間ぶりだね!クラスどうなった?」
いきなり名前を呼ばれて僕はビクっと肩を震わせる。
そんな僕の様子を察してかその子は続けた。
「なに緊張してるのよ、あやめらしくないよ?」
誰だろうと思いつつも後ろを振り返ると、そこには楓がいた。
川森楓、お姉ちゃんの幼馴染だ。
中学がお姉ちゃんと一緒だったので相当親しいことはよく聞いていた。
そして僕自身もよくお姉ちゃんと三人で公園で遊んだりした記憶がある。
と言っても小学校のころのことでもう何年も前の話だけど。
いけない、今はあやめだった。
お姉ちゃんらしくないと言われたのも、いつもと雰囲気が違ったからなのだろう。
なるべく気を使いながら僕は話を返す。
「ごめん、いきなり話しかけてくるものだからビックリしちゃった。楓はクラスどこになった?」
「私はC組!あやめは?」
「え、本当に?私もC組だよ?」
「やったー!一緒だね、中学の高校もあやめと一緒で良かったー」
驚くべきことに、楓とクラスが一緒になってしまった。
どうしよう。
楓はお姉ちゃんの幼馴染だから中学時代のお姉ちゃんの性格を良く知っている。
ということは、自ずと僕があやめじゃないことを見抜かれる可能性も高くなる……ってことなわけで。
どうしようどうしよう!
やばいよやばいよー!!
「あやめ?どうしたの?なんかソワソワしてるけどトイレ?」
違うー!!断じて違う!!
あ、でもそうか。
女子校ってことはトイレも女子トイレを使うってことなんだよね。
……余計にソワソワしてきた。
とりあえず落ち着こう。
深呼吸、深呼吸。
「大丈夫、なんでもないから。楓は通学生なんだよね?」
落ち着いて話せば大丈夫。
お母さんも見た目はお姉ちゃんにそっくりって言ってたし。
「そうだよ、家から近いからねー。今までが逆に遠すぎたよ!」
確かに中学時代は楓は僕の実家の近くにある私立の中学に通っていたわけだから桜ノ宮女学院は僕の実家からはすごく遠いけど楓の家はかなり近い。
とりあえず楓と入学初日から長々話すと女装しているぼろが出そうなので話を切り上げたいんだけど……。
これから毎日話せるわけだしね。
「楓、私はこれから寮に入る手続きとかいろいろあるから今日はこれで」
「えーそんなこと言わずにこれからご飯食べに行こうよ!」
「ごめん、今日は無理なの!」
別に悪い気はしないんだけど、いやむしろ誘ってくれて嬉しいんだけどこんなに言い寄られてもなぁ。
これから寮に行って挨拶しなきゃいけないし、申し訳ないけど今日はちゃんと断らないと。
そんな僕の様子を少しでも察してくれたのか、楓はまた明日と言って帰ってくれた。
明日は日曜だよ、楓……。
男なのに女子高生なんだけど。
僕、もとい白井あやめが通うことになった桜ノ宮女学院は都会から少し離れた場所にある。
実家からはかなり遠いので学院附属の女子寮に通うことになることを母親から聞かされていた。
荷物とかはちゃんと届くのかな?僕が男だってバレないかな?
不安が多すぎて気が気じゃなかった。
初日の今日は早起きして実家から電車で始発に乗って、何とか入学式に間に合うくらいの時間だ。
両親は仕事がとにかく忙しいらしく、入学式には出席しないらしい。
そんな中僕は、なんとか入学式が行われる講堂までたどり着いて着席したところだった。
周りをふと見回すと、とにかく女の子だらけ、当たり前だけど女の子しかいない(僕以外)。
そしてお嬢様学校なだけあるのか、皆礼儀正しそうで気品のある子たちばかりだ。
あらためて自分がこんな場所でやっていけるのか不安になる。
不安と緊張の中、お決まりの校長先生の挨拶が始まった。
新入生の皆さんが平穏な生活を送れるように、とか立派な女性になるように、とか。
退屈ではあるけど、ここで変なミスをしていきなり身バレなんて言うのは避けないと。
入学して、いきなり男の子でした、なんてもう恥ずかしすぎる。
いや、いつバレてもはずかしいけど。その前にバレたら即退学だけど。
とにかく僕はそんなこんなでなんとか入学式をやり過ごしたのだ。
でもこれではい解散、とはいかない。
クラス発表を見て掲示板を確認するのが先だ。
よくあることなのかもしれないけど、クラス発表というのは入学式までわからない学校が多い。
理由は当日に発表されるほうが緊張感もあるしワクワクするから、みたいだ。
広い学院の中を探し回って、やっとついた掲示板の前で立ち止まり自分の名前を探す。
ええと白井達巴はっと……。
あ、違う僕はあやめだ、白井あやめなんだった。
これから3年間お姉ちゃんの代わりとして暮らしていかないといけないんだから、こんな初歩的な勘違いをしていたら駄目だよね。
そんな風に適度に反省しながら再び名前を探していく。
……と、あった。
1年C組、これが僕の通うクラスだった。
クラスを確認して今日からお世話になる寮に向かう途中だった。
不意に後ろから名前を呼ぶ声が聞こえた。
「あやめ!2週間ぶりだね!クラスどうなった?」
いきなり名前を呼ばれて僕はビクっと肩を震わせる。
そんな僕の様子を察してかその子は続けた。
「なに緊張してるのよ、あやめらしくないよ?」
誰だろうと思いつつも後ろを振り返ると、そこには楓がいた。
川森楓、お姉ちゃんの幼馴染だ。
中学がお姉ちゃんと一緒だったので相当親しいことはよく聞いていた。
そして僕自身もよくお姉ちゃんと三人で公園で遊んだりした記憶がある。
と言っても小学校のころのことでもう何年も前の話だけど。
いけない、今はあやめだった。
お姉ちゃんらしくないと言われたのも、いつもと雰囲気が違ったからなのだろう。
なるべく気を使いながら僕は話を返す。
「ごめん、いきなり話しかけてくるものだからビックリしちゃった。楓はクラスどこになった?」
「私はC組!あやめは?」
「え、本当に?私もC組だよ?」
「やったー!一緒だね、中学の高校もあやめと一緒で良かったー」
驚くべきことに、楓とクラスが一緒になってしまった。
どうしよう。
楓はお姉ちゃんの幼馴染だから中学時代のお姉ちゃんの性格を良く知っている。
ということは、自ずと僕があやめじゃないことを見抜かれる可能性も高くなる……ってことなわけで。
どうしようどうしよう!
やばいよやばいよー!!
「あやめ?どうしたの?なんかソワソワしてるけどトイレ?」
違うー!!断じて違う!!
あ、でもそうか。
女子校ってことはトイレも女子トイレを使うってことなんだよね。
……余計にソワソワしてきた。
とりあえず落ち着こう。
深呼吸、深呼吸。
「大丈夫、なんでもないから。楓は通学生なんだよね?」
落ち着いて話せば大丈夫。
お母さんも見た目はお姉ちゃんにそっくりって言ってたし。
「そうだよ、家から近いからねー。今までが逆に遠すぎたよ!」
確かに中学時代は楓は僕の実家の近くにある私立の中学に通っていたわけだから桜ノ宮女学院は僕の実家からはすごく遠いけど楓の家はかなり近い。
とりあえず楓と入学初日から長々話すと女装しているぼろが出そうなので話を切り上げたいんだけど……。
これから毎日話せるわけだしね。
「楓、私はこれから寮に入る手続きとかいろいろあるから今日はこれで」
「えーそんなこと言わずにこれからご飯食べに行こうよ!」
「ごめん、今日は無理なの!」
別に悪い気はしないんだけど、いやむしろ誘ってくれて嬉しいんだけどこんなに言い寄られてもなぁ。
これから寮に行って挨拶しなきゃいけないし、申し訳ないけど今日はちゃんと断らないと。
そんな僕の様子を少しでも察してくれたのか、楓はまた明日と言って帰ってくれた。
明日は日曜だよ、楓……。
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