僕と女子校と幽霊さん

emiru

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寮での団欒

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家から届いたダンボールを見て、僕はため息をつく。
最低限の荷物だけの荷物だけ持ってこようとは思っていたんだけど、選べなくて三箱にもなってしまったのだ。

実家から送られてきたダンボールを一つ一つ開けていく。
私服やノートなどの書類、時計やパソコンなどの小物類など様々なものが入っている。

ダンボールをこそこそと漁っていると、その中でひとつ目にとまるものがあった。
小さなペンダント。
お姉ちゃんが大事にしていたものだったけど、似合わないからと言って僕にくれたものだった。

と言っても、僕は男だからもらってもつけることはなかったけど折角くれたんだしいらないと言って返せなかったものだ。

でもお姉ちゃんは、もういない……。

数日前の出来事で、全然実感がわかなかったけどじわりじわりと心に染みてきている気がする。
悲しい、もう会えないという気持ちが僕を不安にしていく。

なんだかそんな感傷に浸るとこのペンダントが形見のように思えてきてしまう。
お姉ちゃんが大切にしていたものだし、入れ込んでしまうのも仕方ないかもしれない。
デザインも悪くないし女子校に入ってしまった今ならつけてもいいよね、きっと。

ペンダントを手にとって着けてみる。
ちょうどこの部屋には全身鏡があったので自分を見てみると、思ったよりしっくり来る気がする。

これからの生活をしていく上でのお守りにしたいと思う。
そんな気持ちで僕は荷物を整理していくのだった。





夕食の時間。
入寮のための荷物の整理が終わった僕と姫野さんはダイニングルームにいた。

井橋さんに聞いてみたけど、この寮は現在十人ほどの人が寮生活をしているみたい。
寮自体は結構広くて、部屋も使っていない部屋も含めると二十ほどあるらしい。
寮生の多くは上級生らしく、今の二年生は少ないようだ。

というより、井橋さんしかいない……。

もしかして一年間上級生しかいなくて寂しかったから会って早々抱きついてきたのかな?
よくわからないけど。

とりあえずご飯。
ここの寮はご飯がおいしいとこれもまた井橋さんから聞いたのだ。
寮母さんは料理が上手いらしく、それが絶品らしい。

今日のメニューはクリームシチュー。
四月なのでもう結構暖かくなったけれど、夜になるとやっぱりまだ冷える。
そんな日に食べるシチューはいっそうおいしく感じられるのだろう。

「じゃあ、あやめちゃんと夏那ちゃんの歓迎に乾杯!」

井橋さんが僕たちの入寮を盛り上げる。乾杯ってお酒じゃないです。
炭酸飲料の入ったグラスをみんなで乾杯。

「あやめさん、寮の皆さんが優しくてよかったですね」

姫野さんがシチューをほお張りながら話しかける。

「そうだね、抱きつかれたときは驚いたけどね。でも、このシチューもすごいまろやかな味でおいしい!」
「うんっ!本当においしいです」

姫野さんもシチューがおいしかったからなのか、少し気が抜けたような感じで話しかけてくれて嬉しい。
そして、笑顔がかわいいです。

「そういえばあやめちゃん、そのペンダント似合ってるね!さっきはつけてなかったような気がするけど、どうしたの?」
「あ、ええとこれは……」

早速気づかれた、いや気づいてくれた?
似合ってるとは言ってくれたけど、ダサいとか思われてないかな。

「お姉ちゃんからもらったんです」
「そうなんだ!あやめちゃんのお姉さんってどんな人なの?」
「うーん、完璧な人かなぁ」

僕のイメージでは完璧な人だと思う。
勉強も運動もできるし、ピアノや絵だって僕より上手だ。
あらゆることでお姉ちゃんのほうが優れてたから、完璧というイメージしかない。

「そうなんだ、すごい人なんだね!あやめちゃんも何でもできそうだからすごくわかるかも!」
「そんなことないですよ、私はお姉ちゃんに比べたらそんな……」
「でも、あやめさんは確かに何でもできそうな感じですよね」

姫野さんまで僕を持ち上げてるし。
むしろ僕からしたら姫野さんのほうが何でもできそうだけどね。

と、そんなこんなで楽しい夕食を僕たちは過ごしたのだった。
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