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2話
わたしにとっての英雄
しおりを挟むシーナと妹のリリアの母親 『ユリン・アイリス』が亡くなって数日後のことである。
シーナside
待って…ここはどこよ!!
わたしが使用人と一緒に街へ出て洋服を見に出かけたの、そしたらたまたま可愛い蝶のブレスレットを見ていたら気がついたら迷子になってしまったぁ…
「これは、お父様に叱られる」
どうしよう、どうしようと思っていたら…
「よぉ、姉ちゃん。俺たちとおいでよ?」
柄の悪そうなオオカミ男たち数人がいたのだ。ここで、わたしが魔力を使えるのであればわたしの勝ちは見えた…
しかし、王家は魔力をもてなくまだ幼いシーナは弱い存在と彼らは思えたのであろう。
どうやら、彼らはわたしを一般の市民だと思っているらしい…
「んぅ、、ゔぅ!」
気絶されてしまい、わたしは知らない場所へ連れて行かれたのであった。
「…」
隅の方でこちらを見つめる謎の男性が1人…
オオカミ男side
俺は、職を失ってしまい…家族を養うことができなくなってしまった。王は何も対策などしていなく許せなかった…
実は王の娘であることは知っていたのだ、でもこうするしか無かった。
シーナside
な、何よ。ここ…
周りを見ると森の中で、近くには野生のオオカミがいてこちら側をじっと見つめている。
「今からお前の目の前の柵を外すぜ…
そこでコイツはお前を食うだろう」
うそでしょ?!でも、腕には鎖が巻かれていて外れる気配もないし…
「いいかぁ?10数えるからなぁ」
か、カウントダウンが始まってしまった…。ごめんなさいお母様こんなにも親不孝な娘で…
きっともうすぐそちらに行きます。
「3…2…ぐわっ…!」
カウントダウンの途中でオオカミ男は地面に倒れた。その瞬間、フードを被った男?が次々に謎の呪文を使ってその場にいた奴ら全員倒してしまったのだ。
「あぁ、大丈夫かぁ…?こんなに怪我してしまって」
その人はオオカミ男たちに傷つけられた傷跡をゆっくりなぞる。
「今見たことは誰にも言わないように…。私はシャドーとでも申しておく」
鎖を外してもらい家の近くまで魔法で飛ばされたのだ。
「ありがとうございます…。また会えますか?」
不思議な雰囲気をもつその男性は、わたしの言葉に応じずにその場を去った。
「大丈夫ですか??シーナさまぁ!」
一生懸命探してくれたのだろう、ボロボロの姿で出迎えてくれた使用人のリュウマ。
わたしは、何故だかまたあの人に会えるような気がした。
その日からわたしの夢に魔女になりたいという思いが生まれたのであった。
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