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桜花の伝統
第八話
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「……それって、断れるんですか?」
無理だと思いつつも訊くと、佐倉さんがにっこり笑った。
「いや、無理」
(やっぱり……)
わかっていたことだけど、実際に言われると凹む。
(それにそこは明るく言う所じゃないですから!!)
にっこり笑ってそんなことが言える佐倉さんは、結構いい性格をしていると思う。
流石、この学校の生徒会長だ。
一筋縄じゃいきそうにない。
だけど――、僕、本当に白雪姫とかやらなきゃいけないのかな?
「塔哉君、諦めた方がいいよ。……抵抗するだけ無駄だから」
夕希さんの言葉には、妙に実感が籠っている。
そういえば夕希さんも外部入学者だから、今と同じパターンで引き込まれたんだろう。
「流石、経験者は言うことが違うね」
「……一体、誰のせいだと思ってるんだよ」
再び兄弟喧嘩が始まりそうな雰囲気に、僕は止めるべきかどうか迷う。
チラッと暁ちゃんを見ると、ヤレヤレと肩を竦めている。
(いつも、こんな感じなんだ。この二人……)
まぁ、いざとなったら、暁ちゃんが止めるだろうし……。
僕は過激さを増していく兄弟喧嘩を黙って見守ることにした。
無理だと思いつつも訊くと、佐倉さんがにっこり笑った。
「いや、無理」
(やっぱり……)
わかっていたことだけど、実際に言われると凹む。
(それにそこは明るく言う所じゃないですから!!)
にっこり笑ってそんなことが言える佐倉さんは、結構いい性格をしていると思う。
流石、この学校の生徒会長だ。
一筋縄じゃいきそうにない。
だけど――、僕、本当に白雪姫とかやらなきゃいけないのかな?
「塔哉君、諦めた方がいいよ。……抵抗するだけ無駄だから」
夕希さんの言葉には、妙に実感が籠っている。
そういえば夕希さんも外部入学者だから、今と同じパターンで引き込まれたんだろう。
「流石、経験者は言うことが違うね」
「……一体、誰のせいだと思ってるんだよ」
再び兄弟喧嘩が始まりそうな雰囲気に、僕は止めるべきかどうか迷う。
チラッと暁ちゃんを見ると、ヤレヤレと肩を竦めている。
(いつも、こんな感じなんだ。この二人……)
まぁ、いざとなったら、暁ちゃんが止めるだろうし……。
僕は過激さを増していく兄弟喧嘩を黙って見守ることにした。
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