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桜花の伝統
第九話
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「だだいま~」
家に帰ると、夕飯の支度をしているのか、美味しそうな匂いが玄関までしていた。
「お帰り」
リビングのドアを開けると、兄ちゃん達が出迎えてくれた。
「あれ?兄ちゃん達、早いね」
まだ時間は5時を少し過ぎた所だ。
ほぼ自由登校の春兄ちゃんはとりあえずとして、他の兄ちゃん達がこの時間に家にいるのは珍しい。
「まぁ、今日は早く帰ってお祝いの準備をしなきゃいけなかったからね」
キッチンからエプロン姿の戒兄ちゃんが顔を覗かせる。
「……お祝い?」
(なんか今日、おめでたいこととかあったっけ?)
「ああ。今日は、塔哉の初舞台決定のお祝いだから」
「は?なんで兄ちゃん達、知ってるの?」
僕は驚きのあまり、目を見開いた。
僕も今日の昼休みに聞いたばかりなのに、別棟にある大学にいる兄ちゃん達が知っているのはおかしい。
「なんで知ってるって……。大学じゃ、その話で持ちきりだぜ」
響兄ちゃんが当たり前のように言った。
(なんて、学校なんだ……)
いくらなんでも噂が広まるのが早すぎる。
「それにしても、塔哉の白雪姫、可愛いだろうな」
「そうだね。絶対、ドレスとか似合うと思うよ」
兄ちゃん達は、朝の憂鬱さから一変して、かなり盛り上がっている。
「……だけど、俺はいっそのこと、白雪姫のドレスを脱がしてみたいぜ」
「は?」
響兄ちゃんの台詞に、一瞬その場が固まった。
(冗談なのはわかるけど、それは完全にセクハラだよ、響兄ちゃん)
僕は響兄ちゃんに、呆れた眼差しを送ることしか出来なかった。
家に帰ると、夕飯の支度をしているのか、美味しそうな匂いが玄関までしていた。
「お帰り」
リビングのドアを開けると、兄ちゃん達が出迎えてくれた。
「あれ?兄ちゃん達、早いね」
まだ時間は5時を少し過ぎた所だ。
ほぼ自由登校の春兄ちゃんはとりあえずとして、他の兄ちゃん達がこの時間に家にいるのは珍しい。
「まぁ、今日は早く帰ってお祝いの準備をしなきゃいけなかったからね」
キッチンからエプロン姿の戒兄ちゃんが顔を覗かせる。
「……お祝い?」
(なんか今日、おめでたいこととかあったっけ?)
「ああ。今日は、塔哉の初舞台決定のお祝いだから」
「は?なんで兄ちゃん達、知ってるの?」
僕は驚きのあまり、目を見開いた。
僕も今日の昼休みに聞いたばかりなのに、別棟にある大学にいる兄ちゃん達が知っているのはおかしい。
「なんで知ってるって……。大学じゃ、その話で持ちきりだぜ」
響兄ちゃんが当たり前のように言った。
(なんて、学校なんだ……)
いくらなんでも噂が広まるのが早すぎる。
「それにしても、塔哉の白雪姫、可愛いだろうな」
「そうだね。絶対、ドレスとか似合うと思うよ」
兄ちゃん達は、朝の憂鬱さから一変して、かなり盛り上がっている。
「……だけど、俺はいっそのこと、白雪姫のドレスを脱がしてみたいぜ」
「は?」
響兄ちゃんの台詞に、一瞬その場が固まった。
(冗談なのはわかるけど、それは完全にセクハラだよ、響兄ちゃん)
僕は響兄ちゃんに、呆れた眼差しを送ることしか出来なかった。
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