13 / 35
第13話 見えない壁
しおりを挟む
「さすがです! ロザリンド様ならやってのけると思ってました! 私もホッとしてます! 今日一日ドキドキして仕事が手に付きませんでした!」
宮殿に戻って来ていち早くハンナに報告したところ、彼女は長い耳をぴょこぴょこさせながら自分のことのように喜んでくれた。
「ありがとう。あなたのアドバイスのお陰よ。アシモフ夫人にも、自分を推薦した人は目が高いわねと言われたくらい」
「そんな、アシモフ夫人は私じゃなくても思いつくと思います。どちらかの派閥に偏ってなくて、公平に物事を見られる方なんです。それでいて、広範囲に目を光らせることができるし、夫人の後ろ盾があれば、ロザリンド様をとやかく言う輩は減ると思います」
「自分を支えることは、レグルス陛下を守ることに繋がるという言葉が効いたみたい。普通に国を愛してくださっている方で安心したわ」
「ロザリンド様の覚悟に共感されたのかもしれませんよ。タルホディアに骨を埋める覚悟が伝わったのでしょう」
「骨を埋める覚悟と言うか……私にはここしかないもの。故郷で私を思ってくれる人なんて誰もいない。崖っぷちの立場なの」
「まあまあ、とりあえずドレスを脱いでお風呂で疲れを取って下さい。今日はゆっくり休みましょう」
使用人だった頃は、こんなに贅沢に湯を使って風呂に入ることはできなかった。身だしなみを整えるのに入浴は欠かせなかったが、こればかりは王女時代の風習がなかなか抜けなくてずっと困っていた。今の立場になって、一番最初に喜んだのは自由に風呂に入れることだったりする。
(そうだ。レグルス様にも報告しよう。ここ最近お会いできてないから話すことがいっぱいあるわ)
そんなことを考えながら湯から上がり、体を拭いて寝間着に着替えた。あとは寝るだけと思ったら、何やら表が騒がしい。一体何事かと思い様子をうかがう。
「陛下、まだご結婚前ですから夜にお会いになるのはお控えください!」
「違う! そう言う意味で来たのではない!」
「ハンナ! どうしたの? 陛下! こんな夜更けに何かあったのですか?」
そこにいたのはレグルスだった。すでに結婚していれば、夜夫が妻の元に来るのは自然なことだが、まだ婚約者という立場では、一線を引いた付き合いをしなければならない。いくら双方が思い合っていても、建前は守らなくてはならないと言う不文律があった。
「い、いや、明日からまたしばらく会えなくなるから少し話をと思ったのだが、今日は既に就寝の準備をしていたのだな。不躾なことをした」
レグルスは、寝間着姿のロザリンドを見て頬を赤らめた。日中のドレス姿と異なり、体の線がくっきり出ているから艶めかしく写るのだろう。レグルスが恥ずかしそうにしている理由に思い当たったロザリンドもまた、いたたまれなくなってもじもじした。
「今日は茶会に出てちょっと疲れたので早めに湯に浸かったのです。でも、私も陛下にお会いしたいと思っていました。中に入って下さい。お話しましょう」
ロザリンドは、レグルスを部屋の中に招いてソファに座らせた。そして寝間着姿を隠すためにガウンを羽織って自分も席に着いた。
「明日から国境警備の視察に出かけなくてはならない。また何日か会えなくなる。その前に一目でも顔を見たかった」
「私にはもったいないお言葉です……」
ロザリンドはそう言って目を伏せた。今までここまで他人に求められる経験をしたことがなかったから嬉しいと同時に戸惑いの気持ちも大きい。そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、レグルスが続ける。
「視察自体は一週間もあれば戻って来る。その後なんだが、カルランスからの使者と会うことになっている」
「使者、ですか? 一体なぜ?」
初めて聞く話に、ロザリンドは目を丸くしてレグルスを見た。
「カルランスの侍女があなたに無礼な態度をとったことについて、公にはしなかったものの、外交ルートを通じて非公式に抗議した。そしたら、向こうが謝罪のためにこちらに使者をよこすらしい。友好関係を維持したいなどと言っているが、本音は別のところにあるんだろう」
レグルスは眉間にしわを寄せて微かにため息をついた。常に威厳が備わっている彼にしては、いささか弱気な態度だ。こんな姿を見せられるのはロザリンドの前だけだろう。
「本音とは……? 一体カルランスは何を企んでいるのでしょう?」
「十中八九、獣人の持つ異能について探りを入れにくる。私たちは動物の耳が付いている以外は寸分人間と同じ見た目をしているが、本来の動物の姿に変わることができる。それに関係して、不思議な力を持つ者がいるのだ。例えば、この宮殿の庭園を見たかい? セクションごとに気候が違う森があるだろう。熱帯雨林だったりツンドラだったり。普通は、異なる気候の生態系を狭い空間に再現することは不可能だが、私たちはそれができる。しかし、異能の作用機序についてはまだ未解明な点が多いんだ。人間としては、喉から手が出るほど欲しい技術というのは想像に難くない。でも人間が手中に収めるのは不可能だ。なぜなら私がその手段を葬ったから」
前に見た不思議な庭園のことをロザリンドは思い出した。確かにおかしな現象ではあるが、その時の彼女は、獣人が治める国なら何があっても不思議ではないと、大雑把に受け止めていた。どうも、この方面の謎を追求する才覚は備わってないらしい。
「どうして色んな気候の庭園を取り揃えているんですか?」
「獣人と一口に言っても様々な種族がいるだろう? 彼らに合った気候の空間を用意しているというわけだ。人間化がかなり進んで、それがなくても平気なんだけどね」
そう言えば、ライオン姿のレグルスと出会ったのも、サバンナのような庭園だったことをロザリンドは思い出した。彼らが本来の動物の姿になれる空間としても庭園は機能しているのかもしれない。
「そうだわ。それで思い出したんですけど、宮殿の中を散策している時に迷子になってしまって、そこで陛下のお兄様に会ったんです」
「え? リゲルに?」
レグルスは、全く予想してなかったらしく、それまでソファの背もたれによりかかっていた姿勢から身を乗り出して聞き返した。
「ええ。自分はアルビノだから人前には出ないとおっしゃていました。アルビノってタルホディアでは特別な意味を持つんですか?」
ロザリンドは何気なく聞いたが、レグルスの雰囲気はいつになく重々しくなった。もしかして彼の地雷を踏んでしまったのだろうか? ロザリンドは急に怖くなり、口走ったことを後悔した。「包み隠さず何でも相談して欲しい」という彼の言葉を忠実に守っただけなのに。
「ごめんなさい……私出過ぎた真似をしてしまったようで」
「そうじゃない。あなたが謝る必要はない。リゲルにはいつか紹介しようと思っていた。こちらがうかうかしていたのが悪い。気にしないでくれ」
そうは言うものの、レグルスの表情は晴れない。ロザリンドは椅子の上ですっかり小さくなっていた。駄目だ。相手を信用しすぎて、つい心を許したらこうして痛い目に遭う。思えばいつもこうだった。
「どうか私に失望しないでください。ちゃんとやりますから!」
不安に駆られて思わず口走った一言に、レグルスは目を丸くして驚いた。
「どうしてそんなことを言うの? 誰も失望なんかしてない。あなたは何も悪いことをしてないから心配しないで。そんな悲しい顔をされたら私まで不安になってしまう」
「でも……許可なくリゲル様に会ってしまったのはまずかったような気がします」
「言っただろう? 紹介するのが遅れただけだって。リゲルは病弱なんで、紹介するチャンスがなかっただけだ。私のいないところで好きな時に会ってくれて構わない。時間ができたら一緒に会いに行こう」
レグルスは笑顔を作ってこう言ってくれた。しかし、他人の表情を読むのに長けているロザリンドは、彼が無理をしているのが分かった。何も規制されていない、むしろ口では歓迎してくれているのに、その奥に何かを隠しているような気がしてならない。レグルスとの間に見えない壁があることに気付いたのはこの時だった。
宮殿に戻って来ていち早くハンナに報告したところ、彼女は長い耳をぴょこぴょこさせながら自分のことのように喜んでくれた。
「ありがとう。あなたのアドバイスのお陰よ。アシモフ夫人にも、自分を推薦した人は目が高いわねと言われたくらい」
「そんな、アシモフ夫人は私じゃなくても思いつくと思います。どちらかの派閥に偏ってなくて、公平に物事を見られる方なんです。それでいて、広範囲に目を光らせることができるし、夫人の後ろ盾があれば、ロザリンド様をとやかく言う輩は減ると思います」
「自分を支えることは、レグルス陛下を守ることに繋がるという言葉が効いたみたい。普通に国を愛してくださっている方で安心したわ」
「ロザリンド様の覚悟に共感されたのかもしれませんよ。タルホディアに骨を埋める覚悟が伝わったのでしょう」
「骨を埋める覚悟と言うか……私にはここしかないもの。故郷で私を思ってくれる人なんて誰もいない。崖っぷちの立場なの」
「まあまあ、とりあえずドレスを脱いでお風呂で疲れを取って下さい。今日はゆっくり休みましょう」
使用人だった頃は、こんなに贅沢に湯を使って風呂に入ることはできなかった。身だしなみを整えるのに入浴は欠かせなかったが、こればかりは王女時代の風習がなかなか抜けなくてずっと困っていた。今の立場になって、一番最初に喜んだのは自由に風呂に入れることだったりする。
(そうだ。レグルス様にも報告しよう。ここ最近お会いできてないから話すことがいっぱいあるわ)
そんなことを考えながら湯から上がり、体を拭いて寝間着に着替えた。あとは寝るだけと思ったら、何やら表が騒がしい。一体何事かと思い様子をうかがう。
「陛下、まだご結婚前ですから夜にお会いになるのはお控えください!」
「違う! そう言う意味で来たのではない!」
「ハンナ! どうしたの? 陛下! こんな夜更けに何かあったのですか?」
そこにいたのはレグルスだった。すでに結婚していれば、夜夫が妻の元に来るのは自然なことだが、まだ婚約者という立場では、一線を引いた付き合いをしなければならない。いくら双方が思い合っていても、建前は守らなくてはならないと言う不文律があった。
「い、いや、明日からまたしばらく会えなくなるから少し話をと思ったのだが、今日は既に就寝の準備をしていたのだな。不躾なことをした」
レグルスは、寝間着姿のロザリンドを見て頬を赤らめた。日中のドレス姿と異なり、体の線がくっきり出ているから艶めかしく写るのだろう。レグルスが恥ずかしそうにしている理由に思い当たったロザリンドもまた、いたたまれなくなってもじもじした。
「今日は茶会に出てちょっと疲れたので早めに湯に浸かったのです。でも、私も陛下にお会いしたいと思っていました。中に入って下さい。お話しましょう」
ロザリンドは、レグルスを部屋の中に招いてソファに座らせた。そして寝間着姿を隠すためにガウンを羽織って自分も席に着いた。
「明日から国境警備の視察に出かけなくてはならない。また何日か会えなくなる。その前に一目でも顔を見たかった」
「私にはもったいないお言葉です……」
ロザリンドはそう言って目を伏せた。今までここまで他人に求められる経験をしたことがなかったから嬉しいと同時に戸惑いの気持ちも大きい。そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、レグルスが続ける。
「視察自体は一週間もあれば戻って来る。その後なんだが、カルランスからの使者と会うことになっている」
「使者、ですか? 一体なぜ?」
初めて聞く話に、ロザリンドは目を丸くしてレグルスを見た。
「カルランスの侍女があなたに無礼な態度をとったことについて、公にはしなかったものの、外交ルートを通じて非公式に抗議した。そしたら、向こうが謝罪のためにこちらに使者をよこすらしい。友好関係を維持したいなどと言っているが、本音は別のところにあるんだろう」
レグルスは眉間にしわを寄せて微かにため息をついた。常に威厳が備わっている彼にしては、いささか弱気な態度だ。こんな姿を見せられるのはロザリンドの前だけだろう。
「本音とは……? 一体カルランスは何を企んでいるのでしょう?」
「十中八九、獣人の持つ異能について探りを入れにくる。私たちは動物の耳が付いている以外は寸分人間と同じ見た目をしているが、本来の動物の姿に変わることができる。それに関係して、不思議な力を持つ者がいるのだ。例えば、この宮殿の庭園を見たかい? セクションごとに気候が違う森があるだろう。熱帯雨林だったりツンドラだったり。普通は、異なる気候の生態系を狭い空間に再現することは不可能だが、私たちはそれができる。しかし、異能の作用機序についてはまだ未解明な点が多いんだ。人間としては、喉から手が出るほど欲しい技術というのは想像に難くない。でも人間が手中に収めるのは不可能だ。なぜなら私がその手段を葬ったから」
前に見た不思議な庭園のことをロザリンドは思い出した。確かにおかしな現象ではあるが、その時の彼女は、獣人が治める国なら何があっても不思議ではないと、大雑把に受け止めていた。どうも、この方面の謎を追求する才覚は備わってないらしい。
「どうして色んな気候の庭園を取り揃えているんですか?」
「獣人と一口に言っても様々な種族がいるだろう? 彼らに合った気候の空間を用意しているというわけだ。人間化がかなり進んで、それがなくても平気なんだけどね」
そう言えば、ライオン姿のレグルスと出会ったのも、サバンナのような庭園だったことをロザリンドは思い出した。彼らが本来の動物の姿になれる空間としても庭園は機能しているのかもしれない。
「そうだわ。それで思い出したんですけど、宮殿の中を散策している時に迷子になってしまって、そこで陛下のお兄様に会ったんです」
「え? リゲルに?」
レグルスは、全く予想してなかったらしく、それまでソファの背もたれによりかかっていた姿勢から身を乗り出して聞き返した。
「ええ。自分はアルビノだから人前には出ないとおっしゃていました。アルビノってタルホディアでは特別な意味を持つんですか?」
ロザリンドは何気なく聞いたが、レグルスの雰囲気はいつになく重々しくなった。もしかして彼の地雷を踏んでしまったのだろうか? ロザリンドは急に怖くなり、口走ったことを後悔した。「包み隠さず何でも相談して欲しい」という彼の言葉を忠実に守っただけなのに。
「ごめんなさい……私出過ぎた真似をしてしまったようで」
「そうじゃない。あなたが謝る必要はない。リゲルにはいつか紹介しようと思っていた。こちらがうかうかしていたのが悪い。気にしないでくれ」
そうは言うものの、レグルスの表情は晴れない。ロザリンドは椅子の上ですっかり小さくなっていた。駄目だ。相手を信用しすぎて、つい心を許したらこうして痛い目に遭う。思えばいつもこうだった。
「どうか私に失望しないでください。ちゃんとやりますから!」
不安に駆られて思わず口走った一言に、レグルスは目を丸くして驚いた。
「どうしてそんなことを言うの? 誰も失望なんかしてない。あなたは何も悪いことをしてないから心配しないで。そんな悲しい顔をされたら私まで不安になってしまう」
「でも……許可なくリゲル様に会ってしまったのはまずかったような気がします」
「言っただろう? 紹介するのが遅れただけだって。リゲルは病弱なんで、紹介するチャンスがなかっただけだ。私のいないところで好きな時に会ってくれて構わない。時間ができたら一緒に会いに行こう」
レグルスは笑顔を作ってこう言ってくれた。しかし、他人の表情を読むのに長けているロザリンドは、彼が無理をしているのが分かった。何も規制されていない、むしろ口では歓迎してくれているのに、その奥に何かを隠しているような気がしてならない。レグルスとの間に見えない壁があることに気付いたのはこの時だった。
2
あなたにおすすめの小説
稲妻の契り~生贄に出された娘は雷神様から一途な溺愛を受ける~
cheeery
恋愛
「ここをキミの居場所にすればいい」
神と心を通わせることが出来る存在、神話守になるべくして育てられた美鈴。
しかし、神聖な式典当日に倒れたことを理由に、彼女は神に拒まれた呪いの子として村から追放されてしまう。
さらに干ばつが続いたことで、生贄として村の神、雷神様に差し出されることに。
「お姉様生まれてきてくれてありがとう♡」
しかし、それは全て妹の策略だった。
神話守は妹のものとなり、美鈴は村のために命を差し出すことが決まってしまう。
村を守ることが出来るのなら……。
死を覚悟した美鈴だったが、待っていたのは──。
「泣いてる顔より、笑っている方がいい」
「美鈴……キミを守り通すと誓おう」
心優しい雷神様との幸せな暮らしだった。
あなたと出会ってから、人のために生きることがどういうことなのか、よくやく分かった気がする。
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
何もしない公爵夫人ですが、なぜか屋敷がうまく回っています
鷹 綾
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスの妻となったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、屋敷を仕切ることも、改革を行うことも、声高に意見を述べることもしなかった。
指示を出さない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
「何もしない夫人」として、ただ静かにそこにいるだけ。
それなのに――
いつの間にか屋敷は落ち着き、
使用人たちは迷わなくなり、
人は出入りし、戻り、また進んでいくようになる。
誰かに依存しない。
誰かを支配しない。
それでも確かに“安心できる場所”は、彼女の周りに残っていた。
必要とされなくてもいい。
役に立たなくてもいい。
それでも、ここにいていい。
これは、
「何もしない」ことで壊れなかった関係と、
「奪わない」ことで続いていった日常を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
番ではなくなった私たち
拝詩ルルー
恋愛
アンは薬屋の一人娘だ。ハスキー犬の獣人のラルフとは幼馴染で、彼がアンのことを番だと言って猛烈なアプローチをした結果、二人は晴れて恋人同士になった。
ラルフは恵まれた体躯と素晴らしい剣の腕前から、勇者パーティーにスカウトされ、魔王討伐の旅について行くことに。
──それから二年後。魔王は倒されたが、番の絆を失ってしまったラルフが街に戻って来た。
アンとラルフの恋の行方は……?
※全5話の短編です。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる