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1.旅立ち編
第1章 婚約破棄は突然に
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「クラウディア・ブルックハースト! 貴殿との婚約を破棄させてもらう!」
ちょちょちょ待ってよ。
そう言いそうになったところを淑女の慎みで何とか抑え、真っ白な頭を無理やり働かせた。
ここは卒業生を送る学園主催の夜会。スカイブルーの瞳を煮えたぎらせ、憎悪と侮蔑の混じった表情で見下ろすのはアレックス・ホーク王太子。その傍らで不安げな表情を浮かべ縋りつくのはローズマリー・サンダー嬢。
ははあ、そういうことね、クラウディアは混乱しながらも必死で事態を把握しようと努めた。王子の周りをうろちょろする厄介な子リスだと思ってたら、とんだ泥棒猫だったわけね。いけない、泥棒猫なんてはしたない。ってそうじゃなくて、いかにもか弱くて庇護欲をそそる、何から何までわたくしと正反対のこの少女を選ぶということは、親の決めた政略結婚に嫌気が差してさしずめ「真実の愛を見つけた」ってところでしょう。一時の情熱で王家の務めを忘れるとは情けない。それはともかく、この事態を何とかしなければ。隣国との関係が微妙な昨今の情勢で、更に内政まで厄介ごとを抱えるわけにはいかないのよ。こんなのは内々に根回しすればいいものを、外堀を埋められて手遅れになるのを恐れて、焦って実力行使と出たのかしら。しかも卒業生のパーティーでやらかすなんて考えなしにも程があるわ。でもこうなったら婚約破棄を受け入れ、この場を丸く収めなくてはいけない。王家の体面を保ち、かつブルックハーストの家名に泥を塗る結果になってはいけない。それには…婚約破棄を受け入れるしかなさそうね。でもどうやって? どうすれば丸く収まる?
クラウディアが瞬時にこれだけの考えを巡らす間に、彼女がローズマリーにしたとされる悪行の数々がアレックスによって暴露されていた。曰く、教科書を隠された、身分の低さを理由に侮辱した、靴に砂を入れられた、などなど。クラウディアは策を練るのに忙しくて殆ど聞いてなかったが、アレックスが一旦言葉を切ったところで言い返した。
「なるほど。それが本当だとすればわたくしはとんでもない悪女ですわね。でも何一つ身に覚えがありませんわ。第一王太子の崇拝者なんて無数にいるのに、一人をターゲットにするなんて効率が悪すぎます。わたくしが計画を立てるなら、そんな面倒なことしなくも直接実家ごと脅せば——」
「なに? ローズの家族を脅したのか?」
「だから仮定の話です。ローズマリー様には指一本触れてませんわ。その証明をすることは難しくても、『そうする必要がなかった』と申せばご理解いただけるでしょうか」
「……どういうことだ?」
それまで怒り心頭だったアレックスが一瞬ひるんだ。
「これは話が固まるまでは公表すべきでないと思ったのですが、実は内々に国王陛下にご相談申し上げていたのです。というのも、殿下とローズマリー様が日に日に仲睦まじくなるのを見るにつけ、わたくしは殿下の伴侶に相応しい女なのかと自問するようになりました。殿下の幸せを祈る者として身を引くべきではないかと葛藤していたのです」
クラウディアはそう述べると、扇で顔を隠しながらアレックスに流し目を送った。
「そんな話信じると思ってるのか! 陛下に上申したというが、ローズが邪魔で排除してくれと頼んだんじゃないのか!」
「でーすーかーらー、もしそんなことをするのなら教科書を隠すとかそんな生ぬるいことはしないと申し上げたでしょう。国のためにと一度は婚約を致しましたが、未来の国王である殿下ご自身の意向にそぐわなければ意味がないことは重々承知しております。陛下は、最初は聞き入れてくださいませんでしたが、わ・た・く・しが何度もご説明して、やっと殿下の葛藤をご理解くださいました。まだ全て極秘のことですが」
クラウディアは扇で口元を隠し、やや伏し目がちになって言葉を結んだ。先ほどまでの勢いはどこへやら、アレックスは言葉が見つからず戸惑っていた。よし、ここから一気に攻勢をかけるぞ。
「陛下はローズマリー様の身辺調査を命じました。その結果、3代前にオクスラードの戦で名を上げたゲラール大佐を祖先に持つ由緒ある男爵家の令嬢であることが判明しました。王妃としての務めを怠らなければ身分の差など些細な問題ですわ」
クラウディアの言うことに嘘はなかった。ただし「アレックスに熱を上げる取り巻きの令嬢がいる。不穏分子でないか調査しろ」というものだったが。それにまだ言ってないこともあったがそれはここでは伏せておく。
「これでわたくしが無実ということはご理解いただけたでしょうか。陛下にもご確認くだされば明らかになることですわ。アレックス殿下のためならば、わたくしは謹んでこの身を引かせていただきます。(ここで身を翻し列席者に向き合う)元を正せば今夜は卒業生のための夜会、卒業生及びご列席の皆様にはこの場を乱してしまったことをお詫び申し上げます。卒業生の皆様には学園を卒業された後もそれぞれの分野でご活躍されることを心から望んでおりますわ。マール王国及びアレックス殿下をこの先もお守りくださいませ。ではごきげんよう」
「待て。まだ話が終わってない」
慌てて引き留めようとするアレックスを無視して、クラウディアは優雅な礼を披露した後有無を言わせない足取りでホールを出た。やがて誰もいないところまで来ると小走りになった。まだ終わってない、いやむしろこれからが本番だ。ドレスで足がもたつくのをうっとおしく思いながら先を急いでいると、いきなり背後から腕を掴まれた。
「おい、お嬢様! さっきのはマジかよ? 国王と話を付けていたってのは?」
切れ長の目をした同年代の少年がクラウディアに話しかけた。先ほどの夜会の列席者であることは正装姿であることを見れば明らかだった。侯爵令嬢であるクラウディアに対し随分気さくな口調である。
クラウディアは腕を掴まれて一瞬身をこわばらせたが、顔を見て力を抜いた。
「グラン、どうやって先回りしたのよ……口から出まかせに決まってるでしょ。これから国王陛下に会って口裏合わせに行くんだから急いでいるのよ。話はあと!」
「まあ殿下より陛下の方がお嬢様は馬が合うからな。それにしても咄嗟によく思いついたな。あの陛下をダシに使うとは心臓に毛が生えてるよ」
「ダシに使うって何よ! 誰かに聞かれたら不敬罪で捕まるわよ。王室にとってもブルックハースト家にとってもこうするしかなかったのよ。早く車を出して。まずはお父様に報告しなきゃ」
グランはクラウディアのために運転手を呼びに行ってやった。クラウディアは車に乗り込むとすぐに家に帰るように指示を出した。早く過ぎ去る車を見送り、グランは「無理しちゃって」と一人呟いた。
**********
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ちょちょちょ待ってよ。
そう言いそうになったところを淑女の慎みで何とか抑え、真っ白な頭を無理やり働かせた。
ここは卒業生を送る学園主催の夜会。スカイブルーの瞳を煮えたぎらせ、憎悪と侮蔑の混じった表情で見下ろすのはアレックス・ホーク王太子。その傍らで不安げな表情を浮かべ縋りつくのはローズマリー・サンダー嬢。
ははあ、そういうことね、クラウディアは混乱しながらも必死で事態を把握しようと努めた。王子の周りをうろちょろする厄介な子リスだと思ってたら、とんだ泥棒猫だったわけね。いけない、泥棒猫なんてはしたない。ってそうじゃなくて、いかにもか弱くて庇護欲をそそる、何から何までわたくしと正反対のこの少女を選ぶということは、親の決めた政略結婚に嫌気が差してさしずめ「真実の愛を見つけた」ってところでしょう。一時の情熱で王家の務めを忘れるとは情けない。それはともかく、この事態を何とかしなければ。隣国との関係が微妙な昨今の情勢で、更に内政まで厄介ごとを抱えるわけにはいかないのよ。こんなのは内々に根回しすればいいものを、外堀を埋められて手遅れになるのを恐れて、焦って実力行使と出たのかしら。しかも卒業生のパーティーでやらかすなんて考えなしにも程があるわ。でもこうなったら婚約破棄を受け入れ、この場を丸く収めなくてはいけない。王家の体面を保ち、かつブルックハーストの家名に泥を塗る結果になってはいけない。それには…婚約破棄を受け入れるしかなさそうね。でもどうやって? どうすれば丸く収まる?
クラウディアが瞬時にこれだけの考えを巡らす間に、彼女がローズマリーにしたとされる悪行の数々がアレックスによって暴露されていた。曰く、教科書を隠された、身分の低さを理由に侮辱した、靴に砂を入れられた、などなど。クラウディアは策を練るのに忙しくて殆ど聞いてなかったが、アレックスが一旦言葉を切ったところで言い返した。
「なるほど。それが本当だとすればわたくしはとんでもない悪女ですわね。でも何一つ身に覚えがありませんわ。第一王太子の崇拝者なんて無数にいるのに、一人をターゲットにするなんて効率が悪すぎます。わたくしが計画を立てるなら、そんな面倒なことしなくも直接実家ごと脅せば——」
「なに? ローズの家族を脅したのか?」
「だから仮定の話です。ローズマリー様には指一本触れてませんわ。その証明をすることは難しくても、『そうする必要がなかった』と申せばご理解いただけるでしょうか」
「……どういうことだ?」
それまで怒り心頭だったアレックスが一瞬ひるんだ。
「これは話が固まるまでは公表すべきでないと思ったのですが、実は内々に国王陛下にご相談申し上げていたのです。というのも、殿下とローズマリー様が日に日に仲睦まじくなるのを見るにつけ、わたくしは殿下の伴侶に相応しい女なのかと自問するようになりました。殿下の幸せを祈る者として身を引くべきではないかと葛藤していたのです」
クラウディアはそう述べると、扇で顔を隠しながらアレックスに流し目を送った。
「そんな話信じると思ってるのか! 陛下に上申したというが、ローズが邪魔で排除してくれと頼んだんじゃないのか!」
「でーすーかーらー、もしそんなことをするのなら教科書を隠すとかそんな生ぬるいことはしないと申し上げたでしょう。国のためにと一度は婚約を致しましたが、未来の国王である殿下ご自身の意向にそぐわなければ意味がないことは重々承知しております。陛下は、最初は聞き入れてくださいませんでしたが、わ・た・く・しが何度もご説明して、やっと殿下の葛藤をご理解くださいました。まだ全て極秘のことですが」
クラウディアは扇で口元を隠し、やや伏し目がちになって言葉を結んだ。先ほどまでの勢いはどこへやら、アレックスは言葉が見つからず戸惑っていた。よし、ここから一気に攻勢をかけるぞ。
「陛下はローズマリー様の身辺調査を命じました。その結果、3代前にオクスラードの戦で名を上げたゲラール大佐を祖先に持つ由緒ある男爵家の令嬢であることが判明しました。王妃としての務めを怠らなければ身分の差など些細な問題ですわ」
クラウディアの言うことに嘘はなかった。ただし「アレックスに熱を上げる取り巻きの令嬢がいる。不穏分子でないか調査しろ」というものだったが。それにまだ言ってないこともあったがそれはここでは伏せておく。
「これでわたくしが無実ということはご理解いただけたでしょうか。陛下にもご確認くだされば明らかになることですわ。アレックス殿下のためならば、わたくしは謹んでこの身を引かせていただきます。(ここで身を翻し列席者に向き合う)元を正せば今夜は卒業生のための夜会、卒業生及びご列席の皆様にはこの場を乱してしまったことをお詫び申し上げます。卒業生の皆様には学園を卒業された後もそれぞれの分野でご活躍されることを心から望んでおりますわ。マール王国及びアレックス殿下をこの先もお守りくださいませ。ではごきげんよう」
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「おい、お嬢様! さっきのはマジかよ? 国王と話を付けていたってのは?」
切れ長の目をした同年代の少年がクラウディアに話しかけた。先ほどの夜会の列席者であることは正装姿であることを見れば明らかだった。侯爵令嬢であるクラウディアに対し随分気さくな口調である。
クラウディアは腕を掴まれて一瞬身をこわばらせたが、顔を見て力を抜いた。
「グラン、どうやって先回りしたのよ……口から出まかせに決まってるでしょ。これから国王陛下に会って口裏合わせに行くんだから急いでいるのよ。話はあと!」
「まあ殿下より陛下の方がお嬢様は馬が合うからな。それにしても咄嗟によく思いついたな。あの陛下をダシに使うとは心臓に毛が生えてるよ」
「ダシに使うって何よ! 誰かに聞かれたら不敬罪で捕まるわよ。王室にとってもブルックハースト家にとってもこうするしかなかったのよ。早く車を出して。まずはお父様に報告しなきゃ」
グランはクラウディアのために運転手を呼びに行ってやった。クラウディアは車に乗り込むとすぐに家に帰るように指示を出した。早く過ぎ去る車を見送り、グランは「無理しちゃって」と一人呟いた。
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