クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

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第4章 街道は続くよ何処までも

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 俺とはなにか違うクリーンを使っていたので食い入るように質問攻めすると「風呂上がりのイメージ」と言われた。
 だから体が少しポカポカしてるのか……。
 兄は器用だよなぁ……。俺は別々じゃないとイメージできないもん……。

「るー? るーのクリーンは特化型だから髪とか服が綺麗になるのは俺の比じゃないんだぞ?」
「…………ふぅーんだ……」

 気休めみたいな慰めなんかいらないし……。
 そんなことを思いながら拗ね始めると兄にチュッとキスされた。

「ほーら、機嫌なおせ? 少し昼寝するか?」
「……兄はいっつも僕が拗ねたら寝かせておけばいいとか思ってるでしょ」
「そんなこと微塵も思ってないよ。ただ、るーに少し無理させたから休ませたいだけ」

 …………無理させたって……。もしかしてさっきのヤツですか?

 思わず先程までの兄の姿を思い出したら何だか顔が熱くなってきたので、恥ずかしくて兄の胸に顔を埋めた。

「ん? 寝るの?」
「うん、寝る……。抱っこしてね? 絶対だからね?」

 俺は顔を埋めたままそっと瞼を閉じた。



   ◆



「約束ですわよ!」

 ばばぁーん! とママが俺の目の前で仁王立ちしております。

「ーー約束、ですか?」

 した覚えがないので首をかしげて見つめると視界の中で遠くにいるグレン兄さんに兄がひそひそ話をしていた。
 俺は絶賛パパのお膝の上でご機嫌とりですよ?

「サラ、ルカと何の約束をしたんだい?」
「さっき次の休憩で甘いものを……」

 そう言うと更に俺は困惑し、パパも不思議そうな顔をしていた。

「サラ、昼の休憩の時にルカと約束するような素振りはなかったと思うけれど……」
「僕、起きてすぐにパパの馬車でお話ししてたからママとは話をしてないよ? してたのはあっちの2人だよ?」

 と、グレン兄さんと兄に指を指した。
 するとママは立て付けの悪そうなドアのようにギギギ……と音を立てるようにゆっくりと振り返り、兄達は逃げ出した。

 ゼノさん達が少しばかり怯えているのできっと般若になっているはずーー。

「ルカ、何で甘いものを出してあげないんだい? 出してあげればグレンもヤトも逃げなかったのに……」
「え、それは僕自身も運動を全くしてないので旅が始まったばかりとは言えど、もうすでに太った気がするからですよね? それに甘いものは本当に太るんです。出来れば僕だってルイスに乗ってお外を散歩したいくらいなんだからーー」

 その言葉にパパはうんうんと何やら納得していた。
 だってパパは昼御飯食べすぎたからって乗馬してたもんね……。

「ねぇ、パパ。どうして僕と兄は移動中は馬車から出ちゃダメなの? 運動したい。モンスターだって倒したいよ」
「あのね? グレンは騎士団長をしてたから商人とか知ってる人は知ってるけれど、ルカとヤトは出来れば人目につかないで欲しいんだよ。ルカだって嫌だろう? ぐっちゃんみたいにどっかのエロ爺に目をつけられて離れたところから視姦されて、顔を直接会わせれば襲われそうになるとかね……」

 それは確かに嫌だな。仕方ない、少しの間は大人しくしてよう。
 言われてみれば兄は凄く綺麗だし、宰相に狙われてるみたいだもんねーー。
 これ以上、変態を増やしたくはないのは分かる。

 兄と2人で馬車の時はスクワットとか腹筋でもしようかなぁ……。
 いや、踏み台昇降運動とかが良いのかなぁ……。
 エアロバイク……。エアロバイクが欲しい。バランスボールも良いな!

「わかったの……」

 遠くでママに泣かれている兄達をジーっと見つめたが俺は助ける気もないし、お菓子を出す気もありませんからねっ!


 だってママ、少しふっくらした気がするんだよねーー。




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