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第8章 戻ってきた日常……?
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しおりを挟む「パパぁー! あれなぁに?」
兄と手を繋ぎながらよくわからない代物を指さしてみた。
フォルムに関してなんと言うべきなのか……。
大きな卵形で表面はトゲトゲしてる感じ。色はくすんだ様な緑色。
「ん? このフルタかい? これはドリアーニだね」
ドリアーニ? どこの国の言葉だろ……。
てかなんだコレって思ってたら兄が耳元で「たぶんドリアンじゃね?」と言うので納得する。
確かドリアンは臭気が凄いやつだよね? それなのに果肉はバター状でクリーミー。果実の王さまだったよね!
となるとこの世界には熱帯雨林があるってことか!
「ルカくん、食べてみる?」
「ううん、いい! 今はお腹いっぱいだからいらなぁ~い」
お店の人を気遣ってやんわりとお断りしておいた。
町の入り口から丁度中央に差し掛かった時に俺のお腹がくぅ~きゅると鳴きました。
「パパさん、ルーがお腹すいたみたい。はしゃぎすぎたのかも」
「ふふ、ルカは可愛いなぁ~。お腹すいちゃったか~」
と言いながら俺を抱っこしたパパは近くの屋台で焼き鳥っぽい串を買ってくれた。
お礼をいってパクッと食べると塩味と油の甘味ですごく美味しいです。
この世界の料理ではじめて美味しく感じたよ!
兄もパクリと食べて「あ、旨い」と呟いたのでパパとゼツさんが顔を見合わせていた。
「姉達にもミリアムにも食べさせたい……」
ポソッと呟くと止める間も無くゼツさんがそのお店で焼き串を爆買いしてました。
それをお腹付近につけてた鞄にしまうとお店の人に「ありがとうございます! ありがとうございます!」って何度も何度も大きな声で感謝されていてなんだか俺たち目立ってました。
きっとこのお店は今日が一番の売り上げだったのだろう……。
お腹も満足したので兄とまた手を繋いで歩いていると目の前にアクセサリーっぽい出店があったので俺がしゃがんで見つめていると兄も横でじっと見つめていた。
「これ、何かの石なのかな……」
「見たところ貝っぽくね?」
俺と兄は同じ商品を見ていて、綺麗な花が彫刻されたブローチだった。
なんかこんな感じのを現代で見たことあるんだよね。
お母さんだか姉が高いから買わないけど安かったら買いたいって言ってたのに近いと思うんだ。
「これ、カメオかな……」と兄も言うものだからお父さんがいれば鑑定ですぐわかったのに残念だなぁ……。
「ルカにヤト? そんな真剣に見つめてどうしたんだい?」
「うーん、見てるのはこの花のブローチかな? 店主、よく見たいから触っても良いかな?」
ゼツさんが俺たちがじっと見つめていたブローチを手に取り間近で見つめてからパパに手渡していた。
それを兄に手渡したので二人でじっと見つめている間にパパ達は材質やどう作っているのかなどを聞いていた。
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