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第9章 いつもより羽目を外した気がするの

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「よし、ここの犯罪者さん達全員が対象だね! うんうん……」
『何がっ!?』
「うーん、いけるかな? ──よし、僕の乏しい想像力、頑張れ~っ!」

 とまぁ、いつもの脳内で叫んでたことは口から駄々もれでした。

「ルカの想像力が乏しかったらここにいる人間の半数近くはほぼ皆無になりそうだよ?」

 とのパパらしき人の言葉になぜだか同調する声も聞こえた。
 でもあの悪ガキのサルも一発で大人しくなる頭の飾りはいいと思うんだよね……。
 名前がいまいちわからないけど──。

「あ、成る程。さっきの内容が物騒だったのはそれを着ける場所の話だったか。ルーちゃん。緊箍児(きんこじ)だよ、たぶん」
「え? 姉?」
「西を遊びまくるお話のお供の猿が身に付けてる頭の飾りの話よね?」
 
 質問に対して無言で頷くと引いていたらしいお父さんと兄が大復活していた。
 でも僕はお経なんて詠む気はないからさ、そこら辺うまくやろうと思うのよ。

「では発表しまぁーす。僕が思う悪いこと~っ! 暗殺や自殺等のもろもろを含めた所謂殺し、脱獄、詐欺、恐喝、空き巣に強盗、年齢性別関係なく痴漢や強姦、誘拐、拉致、あとはぁ……放火とぉ……」
「大麻、覚醒剤とか薬物じゃね?」
「情報漏洩かなぁ」
「暴行、傷害?」

 思ったよりも悪いことっていっぱいあるなぁ……。きっと今あげたもの以外にもあるんだろうなぁ。

「うーん、うーん、うーん? うん! キンコジー!」

 よくわからない魔法名を唱えるとバングルみたいな腕輪が出来た。

「あれ? 頭のサイズじゃないねぇ……」

 おかしいなぁ~……と思いながらも出来上がった腕輪を犯罪者さん全員に取り付けた。
 なんと大きなサイズでブカブカだったのに腕輪を通したらぴったりフィットしました。
 
「この窪みはなんだろ? 宝石……あ、そうだ! お父さんが見つけてくれた魔石をはめちゃえ~……」

 見切り発車で全ての人の腕輪にはめると何故か俺も含めて誰もが嫌な予感を隠せずにいた。
 そんなときに勇者(プロの暗殺者っぽい人)が一か八かなのかな? 俺を殺そうとしたのですが、バチっ! と大きな弾ける音と共に彼は気絶しました。

「え、今のバチってまさか……」
「え、死んでないよね?」

 お父さんが腕輪とは違う方の手をもって脈を測るとちゃんと生きてました。
 よかったぁ、あぶなぁーい。

『………………なんて恐ろしい……』
「装備型のスタンガン?」
「なるほど。スタンガンね。となると感電かぁ……。なんて予想外な拘束手段……。千切れるくらいに締め付けるんじゃなかったのねぇ」
「え、えーっと、先程口にしたような悪いことをしようとすると彼みたいになるので真っ当に暮らしましょうね~……。アハハは、は……。こんな予定じゃなかったのぉ! 締め付ける予定だったのに~っ!」

 



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