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第9章 いつもより羽目を外した気がするの
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しおりを挟む素直に言うべきなのか?
でもここで隠してもいずれはバレるものだよね?
つまりは言った方が毎日毎日同じことを言われずにすんで気分も楽になるはず?
──よし、この際だから言ってしまおう!
この世界の住人であるパパたちよりも異世界人の三人に言った方が理解はしてもらえそうだもんね!
いや、パパたちが理解してくれないと言うよりもそう言う発想がないと言う感じだから説明するのが俺一人だと困難を極める。
うんうん、仲間を増やした方が説明しやすいと思うんだ!
──よし、パパが拗ねた際の言い訳作成完了!
「あのですね? 土属性の力で魔石を混ぜ合わせました!」
俺は土下座をしましたよ。先手必勝! これ鉄則なの!
ぽかーんとした三人が我に返ってから呆れた顔へと変化し、目の前でやってみろと言われたので丁度出していた赤と緑を手に持った。
無言で手のひらに乗せた石を粘土のように両手を使って練り練り。
色をみて赤がちょっと多いので緑を増やして練り練り。
くすんだ茶色味のある緑の石へと変化したので好みの形にして終わりにした。
ふはははは、今回もか、ん、ぺ、き!
まぁ、こんなテンションだったからやらかしたって事なんだけどねぇ……。
あの時は何て言うの? なかなか寝付けなくて暇潰しに魔石を見てたらふと混ぜてみよう! と訳のわからないことを思い付いてだんだん楽しくなったと言いますか……。
簡単に言えば深夜のテンションだったんだよ。
「こんな感じのを作って壁に沿って空気が旋回するように埋め込んだ~♪」
「「「埋め込んだ~♪じゃねぇわ!」」」
えへへ、と俺のなかで精一杯可愛く笑ってみたんだけど怒られた。
あ、やっぱり? だよね、薄々とわかってたよ。
この石と石を混ぜ混ぜすることがパワープレーだって事は──。
そして完成した石をお父さんが鑑定した結果、火とか風等の属性とかではなくドライヤー(warm)とだけ出たらしい。
あれれ? warmって出たと言うことはもしかして……俺は悪のりして先程よりも赤の割合を多くして茶色の石を作り、お父さんに渡すとドライヤー(hot)と言う結果をもらった。
やっぱりぃ~っ!
「あれ? …………warmとhot? もしかして……」
兄がなにやら土属性でドライヤーの石をこれまたパワープレーで千切り、豆サイズの魔石を作るなり見たことのある形の物に嵌め込みました。
「あ、出来た……」
魔石に魔力を注ぐようにしながら押すと温風が出るようです。
しかも注いだ魔力が切れたらポコンと魔石がもとの位置に戻りました。
『………………』
この事実に四人ともに無言となり、土属性を持った俺たちは悪のりを始めました。
それこそストッパーが不在と言う罠と言いますか……。
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