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第9章 いつもより羽目を外した気がするの
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しおりを挟むグレン兄さんが言うには教会関係者をフォーリスに帰したのはこの領地が建国するから。
ただ建国するからと言う理由を付けたけれど、建国する全ての国がうちみたいに契約解除をするわけではない。
……と言いますか信仰するのは変わらなくても良いらしい。
ただフォーリスに帰らせると言う対応になったのは本気で必要ないからだろうな。
金、金、金、寄付しろとしつこくて、更にうるさいに違いない。
そんな邪念だらけの神官たちなんて嫌だわぁ……。
大人しく信仰している神を崇めててほしい。
お返ししてよかったのかもしれないと思えるようになってきたのは否めない。
寧ろなにか問題を起こしそうだから正解だと思う。
でも教会が空いてるとか勿体ないよね!
綺麗な建物だよ? 無駄に広そうだけど……。
そして無駄に金かけてそう……あ! 図書館とか博物館。
美術館とかもよさげ! もしくは宿泊施設のホテルとか!
うんうん、落ち着いたら進言しよう。
建物は寂しがり屋さんだから、人が使わないとすぐに朽ち果てちゃうからね。
ちょっと待って? 俺、なにか忘れてない?
えーと、えーっと? 確か教会の話はママにかけられた呪い云々だったよね。
教会で祓えると思ってたら思いきり役立たずで本山に送り返したから教会に出向いても無駄ってのが今現在。
「えーっとつまり、ママはこのままコロコロしたまんまってこと?」
「うーん、ダイエットやめたら雪だるまに戻るんじゃね?」
「おーマジかぁ……。雪だるまかぁ……。あ、雪だるまを作りまくったらダイエットになるかな……」
と、まぁ……兄とゆるーい会話をしていたらママはガクッと床に崩れ落ち、悲劇のヒロインみたいな座り方で嘆いているが如何せん、体型はコロコロしてるので色んな部位の肉が気になって仕方ない。
「………………肉……。そうだ、アンリのところに行ってトンカツを作らせよう。なんかお肉見てたら食べたくなってきた」
「トンカツかぁ……。いや、酢豚も良いよなぁ」
「えー? 私は豚と白菜のミルフィーユ鍋が食べたいわ」
「じゃあ、一緒にアンリのとこに行こう!」
そう言うと兄がパパから奪って抱っこしてくれたのでそのまま調理場へ向かうことにした。
お腹すいたね~と三人で話しているとお腹がぐぅ~と鳴った。
「ちょ、おまっ……。ちょっ、待てよ!」
「あら? 昔懐かしの『ちょ待てよ』が来たわね。しかもアンドレアさんから出たわよ?」
「「ぶふぁ! ちょ待てよとか!」」
懐かしすぎて涙が出ちゃう~! 死語。死語ってやつだよね?
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