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第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る

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 はい、いろんな事を割愛してトンカツの出来上がりぃ~っ!

 揚げたての盛り付けもなにもしない、まっ更な状態のトンカツをそのままム・ゲンさんとフ・クセイさんにお任せする。
 とりあえず10枚になったら教えてねと伝えておくことにした。
 普通にトンカツとカツ煮もしくは卵とじのカツ丼、カツサンド。
 あとは何が出来るだろう?
 ソースは味変と見なしてソースのバリエーションは省こう。
 そうだ! 天むすがあるならトンむすもいけるか?
 なら天茶ならぬトンカツ茶漬けもアリ? 略してトン茶?
 トンカツを生地にしてピザ……とか?
 うーん、思ったけどトンカツってソースで幅は広がるけど、アレンジとしてはやっぱり少ない?
 カツサンドとカツバーガーはパンの種類が違うだけで同じ扱い? それとも別物?
 おぉ、なんか判定が難しくなってきたな!

「ルルちゃん。どうしたの? 百面相なんてして……。可愛いからもうちょっと見てようか迷ったけど……」
「あ、姉ぇ~……。カツサンドとカツバーガーはパンが違うだけだけど同じもの? それとも別物?」

 逃がさないように姉の着ているドレスの袖をキュッと掴み、コテン……と首をかしげて見つめると姉が少しボーッとした表情をしたので「どうしたの?」と声を掛けたら元に戻った。

「え……。あー、え……えーと、サンドとバーガーか……。そうねぇ、個人的な意見を言うならパン目惣菜パン科サンド属バーガー種かと思うんだけど……」

 おぉ、なるほど! 姉、頭いい!

「姉、姉ぇ~っ! スゴいね! 頭いい! そっか、サンド属バーガー種かぁ~っ!」

 んでその後ろに商品名が来るわけだね?
 例えば味噌カツバーガーとかミラノ風カツバーガーとか……。
 うんうん、なるほど。
 サンドウィッチはサンド属サンドウィッチ種○○サンド。
 おぉ、なんか個人的にストンと気持ちよく落ち着いた。

「ルルちゃんが目をキラキラさせてて恐ろしく尊い……」
「ルル様、可愛すぎます……」
「ルル様……。出逢えたことに神に感謝いたします」
「ルル……。俺はもうなにも言うまい……」

 うん? 何だろう? どうして俺はバージニアさんに拝まれてるんだろう?
 姉とミリアムは鼻と口を手で隠して笑いをこらえてるのか体を小刻みに震わせてるし……。
 ゼノさんに関しては呆れ? よくわからないけど窓の外を物思いに耽りながら見つめている。

 うーん……。考えたところで人の感情や気持ちなんてわからないんだからどうでもいいや。
 疑問が消えたことに機嫌がよくなった俺はトンカツにソースをドバッとかけた。
 我に返った姉に掛けすぎよ! といわれたがそこら辺は気にしない。
 素材の味? そんなのソースと油を楽しめば良いじゃん!
 部屋にいる人間分を切ったので一切れずつ楽しんだ。
 まぁ、恥っこは油と衣が多めで肉はどちらかと言えば少な目だから大きめに切りましたけどね!

 さて、小腹も満たされたところで今日はなにして遊ぼうかな……。




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