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第10章 そこのけそこのけ男の娘が通る

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 数日後、俺の耳に入ってきたの先日の震度2の地震による国内の被害はなんと0。
 当たり前か……とは思うものの口には出さない。
 だってここは地震大国の日本じゃないもんね!
 んでもってガルシアから上がってきた報告はフォーリスに近い村や町以外の地震の揺れを関知しなかったらしい。
 もちろんこの王都近辺も同じだ。
 そして全く頭を悩ませていなかったがお隣のバカが起こした戦争が終わったらしいこともサラリと報告された。
 言わずもがな魔神国の圧勝だそうだ。
 イメージとしては例えば園児が大人をポカポカと殴ろうとして身長と腕の長さとか圧倒的な差で防がれるみたいなものだろうか……。

 何だろう、フォーリスのバカが可哀想になってきた……。

 同情ではなく、いい歳した大人が相手の実力を理解と言うか感じとることも出来ないとは……。
 魔神国って言われてるだけでもかなり差を感じそうなもんだろ。
 俺だったらそんな通称で呼ばれる国に手を出したくない。
 俺に限ったことじゃないけど大抵の人間は藪をつついて蛇を出すようなことはしたいと思わないんだよ。
 それに戦って怪我するのは確実に自分じゃないもの。
 そして怪我をした人を直すのは絶対に俺の役目だもの、たぶん。
 そんなん面倒くさいし、時間の無駄だと思うんだ。
 それにだよ? 勝ったとしてそこを治めるのに今度は反乱軍と戦うとか時間の無駄すぎる。
 なら戦うよりも同盟を結んだ方が遥かにいいだろうに……。

「パパ──じゃなくて陛下~。僕、思ったんだけどフォーリス国に会えなくなったら困る人が一人でもいるのならば早々に呼び出しもしくは呼び戻した方がいいと思うの」
「それはどうしてかな?」
「うーんとね、この前の地震の震源地をフォーリスだと仮定するとね、こう……何て言うかやっぱりと言うか、どう転んでもろくなことにならないと思うんですよねぇ。なら間者も全て撤退した方がいいと思うんですよ。それにフォーリスから得られる情報ってないと言うかあったとしてもそんなに必要性が無さそうというより必要性を感じないなって思って」

 あ、素直にド正論ぶちかましちゃった気がする。
 得られる情報がないとか言っちゃった。必要性を感じないとか言っちゃった。
 俺にとってフォーリスはつまり魅力なし! ってことか。
 近々各地域を治めるトップが集まる首脳会談的な定期的な会議をするからそこで議論することにしようとパパが言うので俺はもうなにも言わない。

「そうだ。ヤト、ルル。お前たちが職人に頼んだカメオ? が先程届いたそうだが確認するかい?」

 姉は侍女と針子の連合軍の会談に参加していて、ママも冬が明け春が到来した頃の今更感満載な建国パーティーに主催として参加のために時間との戦いのダイエット&運動で忙しく男のみのお茶会をしていた。
 ……見た目一人だけ女の子だが気にしない。




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