裏側・クソゲーの異世界で俺、どうしたらいいんですか?

けいき

文字の大きさ
53 / 57

姉物語・貰えるものは貰っとく主義

しおりを挟む

「あ、忘れてた! 君達には色々期待してるから武器をあげるからね? 肌身離さず持ち歩いてね? あと出来れば売り払ったりしないで欲しいかな……」

 目の前に出されたのは両手剣のような大きな物、ナイフとは違う少し曲線のある小剣、弓、ドーナツ型の刃物。
 えっとチャクラムとか円月輪とかって言うんだっけ?
 でもなぁ、何故なのだろう? 円月輪があるなら普通日本刀とか片手剣のがメジャーなのにそれがそこにはないのだ。
 その旨を伝えると「あー、その二本は既に違う使用者がいるんだ。もし会えたらすぐにわかるよ? この武器達みたいにトレードマークの飾りがあるから。ヒントは赤と緑だよ。後ね、この武器は初心者に優しいオート戦闘機能の付いたものだからモンスターに出くわしても安心してね?」とカラカラと笑っている。

 いや、オート戦闘って逆に怖くないか?

「とりあえず一人は武器を使わないようにすればなんとかなりそうだね。コレをいただきます」
「では私は弓……って矢と胸当ては何処なのかしら。しかも私は和弓しか知らないわよ?」

 お父さんはドーナツの形のはたぶん円月輪。お母さんは弓を選択した。
 残りから確実に選ぶべきはこのナイフなんだけど……。

「私はコレになるわけだけどちょっと無理よねぇ……。だってオート機能とか言われたって、普通にのほほんと争いとか少ない平和な国で暮らしてた人間が短剣なんて扱えるわけねぇだろ……」

 って手に持ちながら呟くと何故かナイフは手の内で雷に打たれたようにピシッと震えてから静かになり、しばらくしてからガタガタ震え始めた。

 え、なにコレ、凄い怪奇現象なんだけど──。

「あー、なんかキイが……。あ、その短剣の子の愛称なんだけどね? キイが刃の長さは変えられないけど柄を伸ばして槍みたいな形にならなれるって言ってるよ? あとモモも和弓に変化出来るみたいだけど、どうする?」

 そう言われて「是非!」とお母さんと声を揃えて言ったら勝手に変形してくれた。
 不思議なことに握る部分がにょーんって伸びて一気に薙刀っぽくなった。
 お陰で手にしっくり来るので元短剣にありがとうとキイちゃん? に伝えるのほんのり暖かく感じた。
 お? 照れてるのか? 初なやつめ……と悪役のお代官様風に心のなかで思ったのは否定しない。

 でもなんというか無理を言ってみるものだわぁ~……。

「あと2人は型とかあればインプットさせるから試してもらっていいかな?」

 と言うのでお母さんが一連の流れをし、私も薙刀の動きをした。
 どうやらお母さんのは特に問題はないが私のは元々短剣なので動きを変えるようだ。
 確かに言われてみればオートで動くならスムーズな方が私も嬉しい。
 もちろん余すことなく本気モードでインプットさせることにした。
 格闘ゲームみたいに対戦相手みたいなのが出てきてくれたからやりやすかった。
 そして最後はけちょんけちょんにしたからスッキリしたわ。

「キイちゃん、ヨロシクね」

 握るところを撫で撫でしているとシュンッと手のひらに収まるサイズに変化した。
 どうやらボールペンサイズになれるらしいのでお父さんとお母さんも「小さくなれるの?」と手にした武器を撫でながら聞いていた。
 そしてもちろんその二つも小さくなってくれた。
 なんか武器をくれた人はその武器に愛称をつけてるみたいで、お父さんの円月輪はアヤメ。
 確かに握る部分に巻き付けられた組紐みたいなものは鮮やかな紫色をしている。
 そしてお母さんのはモモ。飾り紐はこれまた可愛らしい色味。
 ピンクと言うよりは黄みのあるピーチピンク。
 私のはキイって呼んでるけど、色味としては黄色と言うよりも山吹色とか芥子色っぽい。
 ただ、先程も彼が言ったように、なんと言うかこの武器を手にして戦うと意思に反して敵のモンスターを殲滅するまでは戦い続けてしまうオート機能を搭載しているらしい。
 その機能はあったら嬉しいと言うか、とりあえず敵がいなくなるまでは暴走すると言うよくあるパターンのゲームっぽい仕様なのだろうか……。
 その他にも少量ではあるが20畳くらいの広さのカスタム可能なアイテムボックスみたいな物をくれた。
 てか、20畳ってちょっと広すぎやしないか? と思わないでもないけど説明の後は使い方の練習だった。




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた

木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。 自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。 しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。 ユエ×フォラン (ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【本編完結】処刑台の元婚約者は無実でした~聖女に騙された元王太子が幸せになるまで~

TOY
BL
【本編完結・後日譚更新中】 公開処刑のその日、王太子メルドは元婚約者で“稀代の悪女”とされたレイチェルの最期を見届けようとしていた。 しかし「最後のお別れの挨拶」で現婚約者候補の“聖女”アリアの裏の顔を、偶然にも暴いてしまい……!? 王位継承権、婚約、信頼、すべてを失った王子のもとに残ったのは、幼馴染であり護衛騎士のケイ。 これは、聖女に騙され全てを失った王子と、その護衛騎士のちょっとズレた恋の物語。 ※別で投稿している作品、 『物語によくいる「ざまぁされる王子」に転生したら』の全年齢版です。 設定と後半の展開が少し変わっています。 ※後日譚を追加しました。 後日譚① レイチェル視点→メルド視点 後日譚② 王弟→王→ケイ視点 後日譚③ メルド視点

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

処理中です...