吸血鬼領主~体は子供体型でも妾、大人じゃもん!~

けいき

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フラワーフェスティバル

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 気を取り直して街を回ろうかと思ったら先程の騒動でお客が引いてしまったらしい。

「お客いなくなっちゃったのじゃ……」
「まぁ、仕方ないですわ? それが商売というものだもの」

 と、アンジェリア様は笑っていた。うむ、強い方じゃの。

「父上~……。妾、お腹すいたのじゃ」
「んー、そうだね。じゃあ、おすすめの串を3つもらえる?」

 意図を汲み取ってくれたのか注文してくれた。
 そしてすぐに作ってくれたワイバーンのモモ肉(?)の串を出してくれたのだが、さすがと言うべきかアンジェリア様も意図を理解したのかオーク肉の串をおまけしてくれた。

「熱いので気を付けてくださいね~っ!」
「ありがとう。じゃあ、これはお代ね? はい、リアちゃん。あーん」
「あーん……ムグムグ。美味しい~っ! 塩味であっさり!」

 わざとではなく、すごく美味しい。焼きたて最高!
 思わずホワァ~っと頬が緩み、父上にねだっていると笑いながらも食べさせてくれた。その後ろからは「はい、ありがとうございます」とか「焼き上がりに少々時間がかかりますがよろしいですか?」と何だか慌ただしい声が聞こえた。

「……ん?」

 思わず二度見をしてしまった。誰もいなかったはずの屋台には恐ろしいほどの列ができ、セシリア様が店から半分焼いた状態の串を届けに来てそのまま客の列を整えて「こちらが最後尾でーす」と案内していた。
 そして遊んでいたエティ(セシリア様の実子で妾の秘書)を見つけるなり案内係に勝手にしてしまった。

 うん、お母さんの命令は絶対じゃからな。頑張れ!

 そしてセシリア様は嵐のように去っていった。

 なんじゃろ? 騎士の時の名残? 丁寧なのに従わなかったら怖い感じがあったけど……。

「セシィは流石だねぇ」
「さて、何処に行こうか」
「あ! ドワーフの爺のとこ行く!」

 たどり着くまでにアンジェリア様の屋台を見て、領民の屋台はみんながめついのか妾を捕まえてはサービスと食べ物を与えられた。
 うむ、貰ったからには良い仕事をせねばならん。

「ん~っ! 美味し~い」
「食べ過ぎな気が……」

 父上とアールに思いきり心配された。なので一口食べたら父上かアールにあーんして食べさせることにした。
 ジェイルがいれば思いきりわけるのだがアヤツは現在第一王子としてお仕事中だ。

「所でドワーフのお爺の所で何か買うの?」
「竹炭~っ! 母上にあげるのじゃ! クローゼットの消臭に良いんじゃよ? 三ヶ月に一回洗って周りのゴミを落としたら天日干ししてカラッとするまで干すと効果が戻るらしい。大体一年が目安とか爺が言ってたぞ?」
「なるほど? それは良いね」

 と、話ながら行くと爺が暇そうにしていた。

「爺~っ! 遊びに来たのじゃ」
「のじゃ……。ん? ……お、おぉ、もしかしてリア様かの?」
「そうじゃよ? 竹炭を買いに来たんじゃよ! 爺のお陰で毎日よく眠れるのじゃよ~っ! ありがとう」

 感謝を伝えると「職人冥利につきますな!」と言われた。実は竹炭。消臭以外にも枕元に置くと快適な睡眠を誘ってくれるのだとか……。真に受けたからなのか、本当にそうなのかはわからないが妾は昼夜反転の生活でもよく眠れる。ついでに定期的に執事が天日干ししたのと交換してくれている。

「それなら私も買おうかな……。睡眠は快適なほど良いものね」

 父上が爆買いしそうだったので、今は少しだけ買って、フェスティバル終了で余ったら全部買う約束を取り付けたときにアールが気に入ったのか少し買って、後日買う注文をしていた。
 妾、宣伝にもってこいな気がしてきた!

「あ、リア様。この前、妻が発見したのですが、飲み水のピッチャーの中に入れると美味しくなります」
「なぬ!」

 三人で良いこと聞いたね~っ! と話しているとコーデリア様が休憩なのか息子(荷物持ち)とデートしていた。
 
「あら、旦那様!」
「コーディじゃないか。休憩かい?」
「ええ、そうですわ? うふふ、見てくださいな。行者さんが来ていて可愛い生地をたくさん買えましたの。あら?手に持っているのは炭?」
「そうだよ? 消臭とか色々使えるんだって」

 そう言うと何故かコーデリア様の目がキラーンと輝いた。

「うふふ、良いことを思い付きましたわ? 確か奥様は裁縫が得意でしたわね?」
「あ、あぁ……。コーデリアさん、何だか怖いんだが……」

 ドワーフの爺は怯えていた。それを見たアールがコーデリア様を宥めるように抑えた。うん、グッジョブ!
 そして落ち着きを取り戻したコーデリア様が言うには炭を持つと手が若干黒くなるかもと敬遠する可能性があるので布を二枚重ねにして巾着を縫い、その中に少し細かく砕いた物を入れる匂袋の逆を作る案だった。

「確かにそれだったらクローゼットの中にいれても服が汚れる心配はないよね……」
「婆さん!」
「あいよ!」

 側にいた奥さんは作り始め、コーデリア様も何故か嬉々として一緒に作り始めた。仕方ないのでアールは荷物持ちだった息子にコーデリア様がするはずだった店の手伝いをしろと言うとお小遣いに釣られて彼は歩き出した。
 なんじゃろ? アールのところの息子達はよく言うことを聞く子じゃの! 愚弟達に爪の垢を飲ませたい。






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