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女子高の身体検査がものすごく昭和な別宇宙
川西キャプテンべそをかく
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顧問の馬場先生が来てからほどなくしてホイッスルが鳴り、見学者のためのミニゲームは終了した。コート全体を見ていた先生は、つかつかと見学者の一人に歩み寄ると声をかけた。「足首が痛むんじゃないか?」
「あっ、大丈夫です。」見学者のその1年生は口元に笑みを浮かべながら言ったが、目は笑っていなかった。「さっき転がった時にちょっと捻っただけで。」
「念の為、保健室に行っておこう。」
「あ、そこまでじゃないんで。」
「気丈で感心だ。でも俺も安心できるよう、一応は行ってくれ。」
「はぁ。」
女生徒が頷くと先生は女生徒をお姫様抱っこし、風のように走り去った。
程なくして馬場先生が体育館に戻ってきた。女生徒は一緒ではない。保健室に預けてきたようだ。
「着替えと手荷物を保健室に持って行ってやってくれないか?」先生に頼まれて、別の見学者の女生徒が体育館を後にした。
「川西。」馬場先生が、3年生でバレー部キャプテンの川西さんを呼んだ。
「はい、先生。」川西さんが笑顔でサッと駆け寄って来た。
「あの生徒はミニゲーム中、足をかばうようにしていたぞ。」先生が眉をひそめた。全然気づかなかった、と依子は思った。
「回転レシーブをした時に足を打つか捻るかしたのかもしれません。」と川西さん。
「回転レシーブ?なぜそんなことをさせたんだ?」ミニゲームの終わり頃に来た先生は尋ねた。
「いえ、させたのではなく…。あの生徒がちょっとふざけて…。」
「ふざけてもいい空気が流れてたということじゃないのか?それはお前たち部員の責任じゃないのか?ふざけてスポーツしたら怪我の元だろう。」
「あたしはあの生徒の近くにいなかったので…対抗チーム側にいましたから…。」川西さんは、保健室に連れて行かれた生徒の側のチームにいた部員に責任がある、とも取れる言い方をした。
「他の部員を責めるような言い方をするな。俺は今キャプテンのお前と話をしている。」
「わかりました…。」川西さんの顔はひきつり、目は赤い。今にも泣き出しそうだ。
「私の監督不行き届きでした。すみません。」川西さんは深々と先生に頭を下げた。
「よし。」
馬場先生の叱責から解放されると、川西さんはシャツの端で目尻を拭っていた。ちょっと涙が出たのかもしれない。
「川西さん、大丈夫かな?」依子は近くで見ていた青木さんにそっと耳打ちした。
「大丈夫でしょ。」青木さんは全然気にしていない様子だ。
「どうしてそんなこと言うの?」依子は納得いかず、言い返した。
「どうしてって…。じゃあ後で教えてあげるから。」
「今教えてよ。」
「今は…説明が難しいかな。」青木さんは困った顔をした。依子は黙り、川西さんの後ろ姿を心配そうに見つめるのだった。
「あっ、大丈夫です。」見学者のその1年生は口元に笑みを浮かべながら言ったが、目は笑っていなかった。「さっき転がった時にちょっと捻っただけで。」
「念の為、保健室に行っておこう。」
「あ、そこまでじゃないんで。」
「気丈で感心だ。でも俺も安心できるよう、一応は行ってくれ。」
「はぁ。」
女生徒が頷くと先生は女生徒をお姫様抱っこし、風のように走り去った。
程なくして馬場先生が体育館に戻ってきた。女生徒は一緒ではない。保健室に預けてきたようだ。
「着替えと手荷物を保健室に持って行ってやってくれないか?」先生に頼まれて、別の見学者の女生徒が体育館を後にした。
「川西。」馬場先生が、3年生でバレー部キャプテンの川西さんを呼んだ。
「はい、先生。」川西さんが笑顔でサッと駆け寄って来た。
「あの生徒はミニゲーム中、足をかばうようにしていたぞ。」先生が眉をひそめた。全然気づかなかった、と依子は思った。
「回転レシーブをした時に足を打つか捻るかしたのかもしれません。」と川西さん。
「回転レシーブ?なぜそんなことをさせたんだ?」ミニゲームの終わり頃に来た先生は尋ねた。
「いえ、させたのではなく…。あの生徒がちょっとふざけて…。」
「ふざけてもいい空気が流れてたということじゃないのか?それはお前たち部員の責任じゃないのか?ふざけてスポーツしたら怪我の元だろう。」
「あたしはあの生徒の近くにいなかったので…対抗チーム側にいましたから…。」川西さんは、保健室に連れて行かれた生徒の側のチームにいた部員に責任がある、とも取れる言い方をした。
「他の部員を責めるような言い方をするな。俺は今キャプテンのお前と話をしている。」
「わかりました…。」川西さんの顔はひきつり、目は赤い。今にも泣き出しそうだ。
「私の監督不行き届きでした。すみません。」川西さんは深々と先生に頭を下げた。
「よし。」
馬場先生の叱責から解放されると、川西さんはシャツの端で目尻を拭っていた。ちょっと涙が出たのかもしれない。
「川西さん、大丈夫かな?」依子は近くで見ていた青木さんにそっと耳打ちした。
「大丈夫でしょ。」青木さんは全然気にしていない様子だ。
「どうしてそんなこと言うの?」依子は納得いかず、言い返した。
「どうしてって…。じゃあ後で教えてあげるから。」
「今教えてよ。」
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