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中学三年生、千恵。
再会
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次の日も、その次の日も、ヨシヒコは千恵に電話しなかった。千恵は結構可愛いのでヨシヒコはかなり迷ったが、中学生だと知った以上、やはりこのまま自然消滅がいいだろうと考えた。
次の週末。夕方ヨシヒコが外出から戻りアパートの入り口まで来ると、不意に千恵が姿を現した。アパートを囲むコンクリート塀にもたれてヨシヒコのことを待っていて、電信柱の影で死角になっていたものらしい。
「おかえり。」ヨシヒコを見つけて千恵は近寄ってきた。「一週間待っても電話ないから、直接来ちゃった。」
電話すればいいものをとヨシヒコは思ったが、千恵はヨシヒコにやんわり遠ざけられるかもしれないと予感して、それで直接乗り込んできたのかもしれないな、とも思った。
「こんなところでもなんだし…。まあ入りなよ。」やむをえずヨシヒコは千恵をアパートに招じ入れた。
「うん。」千恵は子猫のようについて入ってきた。
下宿館の玄関の引き戸をカラカラと横に開いて、土間に入った。スノコの上で靴を脱ぐと、ヨシヒコは下足棚の自分がいつも靴を置く場所に、脱いだ靴を置いた。千恵もヨシヒコの靴の隣に自分の靴を置き、ヨシヒコについて廊下に上がった。
廊下を歩き、ヨシヒコは自室の引き戸を横に開いた。鍵はかけていないことが多く、この日もそうだった。部屋に入ると、後からついて入った千恵が戸を閉めた。
居間に入るとヨシヒコは千恵にクッションを勧め、二人はローテーブルの周りに腰を下ろした。座るとスカートがせりあがり、千恵の膝頭と、その間にうちももが少し見えた。ヨシヒコはすぐに視線を上げ、千恵の目を見た。
千恵はテーブルの上に置いてある赤い「をっとっと」の箱を見つて、「食べちゃってもよかったのに。」と言った。
「今一緒に食べようか。」ヨシヒコは言い、開封して一緒につまみながら話した。
「あの後、叱られたりした?」
「ううん。取り乱してごめん、って優しくしてくれた。」千恵は「をっとっと」をカシュっとかじると、「あのバイオ大の学生さんにも謝っといて、って気にしてたよ。」と言った。
「そうか。もう会わないように、とか言われなかった?」
「ううん。付き合うのは構わないって。ただ、夜は早く帰るようにってことと、二人きりにならないように、ってことは言われたかな。」
「早速言いつけを破ってるじゃないか。」ヨシヒコは思った。「お母さんの危惧は正しい。あの日だって、スキンがあればそのままヤってたしな…。」
千恵はヨシヒコと同じペースで「をっとっと」に手を伸ばすので、頻繁に指が当たった。千恵の柔らかい指が当たるたびに少しエロさを感じたが、ヨシヒコは我慢し、千恵に手を出さなかった。いったん中三と知ってしまった今は、そこまで歳が離れているわけではないものの、もはや姪っ子のようにしか思えなくなってしまっていた。
次の週末。夕方ヨシヒコが外出から戻りアパートの入り口まで来ると、不意に千恵が姿を現した。アパートを囲むコンクリート塀にもたれてヨシヒコのことを待っていて、電信柱の影で死角になっていたものらしい。
「おかえり。」ヨシヒコを見つけて千恵は近寄ってきた。「一週間待っても電話ないから、直接来ちゃった。」
電話すればいいものをとヨシヒコは思ったが、千恵はヨシヒコにやんわり遠ざけられるかもしれないと予感して、それで直接乗り込んできたのかもしれないな、とも思った。
「こんなところでもなんだし…。まあ入りなよ。」やむをえずヨシヒコは千恵をアパートに招じ入れた。
「うん。」千恵は子猫のようについて入ってきた。
下宿館の玄関の引き戸をカラカラと横に開いて、土間に入った。スノコの上で靴を脱ぐと、ヨシヒコは下足棚の自分がいつも靴を置く場所に、脱いだ靴を置いた。千恵もヨシヒコの靴の隣に自分の靴を置き、ヨシヒコについて廊下に上がった。
廊下を歩き、ヨシヒコは自室の引き戸を横に開いた。鍵はかけていないことが多く、この日もそうだった。部屋に入ると、後からついて入った千恵が戸を閉めた。
居間に入るとヨシヒコは千恵にクッションを勧め、二人はローテーブルの周りに腰を下ろした。座るとスカートがせりあがり、千恵の膝頭と、その間にうちももが少し見えた。ヨシヒコはすぐに視線を上げ、千恵の目を見た。
千恵はテーブルの上に置いてある赤い「をっとっと」の箱を見つて、「食べちゃってもよかったのに。」と言った。
「今一緒に食べようか。」ヨシヒコは言い、開封して一緒につまみながら話した。
「あの後、叱られたりした?」
「ううん。取り乱してごめん、って優しくしてくれた。」千恵は「をっとっと」をカシュっとかじると、「あのバイオ大の学生さんにも謝っといて、って気にしてたよ。」と言った。
「そうか。もう会わないように、とか言われなかった?」
「ううん。付き合うのは構わないって。ただ、夜は早く帰るようにってことと、二人きりにならないように、ってことは言われたかな。」
「早速言いつけを破ってるじゃないか。」ヨシヒコは思った。「お母さんの危惧は正しい。あの日だって、スキンがあればそのままヤってたしな…。」
千恵はヨシヒコと同じペースで「をっとっと」に手を伸ばすので、頻繁に指が当たった。千恵の柔らかい指が当たるたびに少しエロさを感じたが、ヨシヒコは我慢し、千恵に手を出さなかった。いったん中三と知ってしまった今は、そこまで歳が離れているわけではないものの、もはや姪っ子のようにしか思えなくなってしまっていた。
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