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4話
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それから数ヶ月が経ち、レーナも婚約することが決まる。
相手はもちろん恋人だった彼だ。
レーナの結婚式には私も参加した。本当はあまり参加したくなかったのだけれど、実姉ということで不参加を選ぶこともできなかったのである。一人で行くのは嫌だったので、夫にも同行してもらった。
純白のドレスに身を包んだレーナは美しい。
「レーナさん、うちの息子をお願いしますわね? さらに磨きをかけて、より一層立派に育て上げてちょうだい?」
「はい! おかあさま!」
「あぁそうだ。それとね、うちの息子が恥ずかしい目に遭わないように、貴女も淑女に振舞ってちょうだいね」
「努めます!」
私は遠くから様子を見ていたけれど、彼の両親はどことなく面倒臭そうな雰囲気だった。
関わりたくないタイプだ。
◆
結婚の一ヶ月後、レーナが既に不満を漏らし始めていた。
なんでも、朝から晩まで徹底的に家事をやらされるらしい。奴隷か、というくらいに。しかも、少しでも不足があると、夫が激怒するそうだ。また、彼はすぐにそのことを母親に言いつけるそうで。結果、レーナはことあるごとに義母にまで叱られるそうだ。
完璧でなければ許されない。
少しでも欠点がある妻なら妻とは認められない。
……彼はそういう思想を持っているみたいだ。
ただ、本心を言うと、レーナのことはそれほど気の毒には思わない。だって彼女は、罰がくだされてもおかしくはないような嫌なことを繰り返してきた。私の心を平気で傷つけた。
だから知らない。
私には関係ない。
◆終わり◆
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父親と妹に盛大なざまぁwwww!を期待(笑)
ありがとうございます!