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「違います。妹さんが嘘つきだ、などとは言っていません。ただ、虐めはしていない、と言っているだけのことです」
「それは嘘つきと言っているのと同じだ!」
「それは無理矢理過ぎます」
「口答えするな! 己の非を認めろ!」
もはや溜め息しか出ない。
なぜ、していないことをしたと認めなくてはならないのか。
「もう一度妹さんに確認していただけませんか? 勘違いかもしれません」
もしかしたら誤解かもしれない。それならば、本人と会話すれば何とかなるかもしれない。真実が明らかになるかもしれない。そもそも、本人がいないところでこういう話をするというのは、生産性がなさすぎる。
「勘違いなどない!」
「妹さんに会わせてください。話をさせてください」
「揉み消すつもりか!」
「何ですか、それは……。私、そんなことはしません」
罪を犯していないということを何とか説明したい。が、彼は多分話を聞いてくれないだろう。ここで主張を丁寧に説明しても、恐らく無意味だろう。
◆
その日の晩、私は婚約者の妹のところへ行った。
彼女は笑顔で私を迎えてくれた。
本当に彼女があんなことを言ったのか? あのような嘘を? とても信じ難い。こんな笑顔で接してくれる人が私の悪口を言っているだなんて、できれば信じたくない。でも、婚約者があれほど怒っているということは、やはり、彼女がそういう話をしたのか?
「それは嘘つきと言っているのと同じだ!」
「それは無理矢理過ぎます」
「口答えするな! 己の非を認めろ!」
もはや溜め息しか出ない。
なぜ、していないことをしたと認めなくてはならないのか。
「もう一度妹さんに確認していただけませんか? 勘違いかもしれません」
もしかしたら誤解かもしれない。それならば、本人と会話すれば何とかなるかもしれない。真実が明らかになるかもしれない。そもそも、本人がいないところでこういう話をするというのは、生産性がなさすぎる。
「勘違いなどない!」
「妹さんに会わせてください。話をさせてください」
「揉み消すつもりか!」
「何ですか、それは……。私、そんなことはしません」
罪を犯していないということを何とか説明したい。が、彼は多分話を聞いてくれないだろう。ここで主張を丁寧に説明しても、恐らく無意味だろう。
◆
その日の晩、私は婚約者の妹のところへ行った。
彼女は笑顔で私を迎えてくれた。
本当に彼女があんなことを言ったのか? あのような嘘を? とても信じ難い。こんな笑顔で接してくれる人が私の悪口を言っているだなんて、できれば信じたくない。でも、婚約者があれほど怒っているということは、やはり、彼女がそういう話をしたのか?
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