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後編
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「こんな嫌がらせをしたうえエミリーのせいにするとは! 許せない! 婚約破棄だ!」
イグニスは冷静さを欠いていた。怒りの感情に完全に飲み込まれ、もはや少しもまともな判断ができない状態となっている。周りからの声や音などまったく聞こえない状態である。
「永遠にお別れだ! 出ていけ!」
こうしてイレイナは一方的に婚約破棄された。
◆
イレイナはこのことをすべて親に話した。すると親が国の権力者に相談してくれるということになった。そして数日後、実際に相談し、父親の知り合いである権力者がこの件に関して調査してくれることとなる。
半年後、イグニスたちの行いがすべて明らかになった。
イレイナがされた嫌がらせの数々も明るみに出た。
また、イレイナと同居したのと同じ頃にイグニスが別の女性と親しくしていたという事実も発覚。イグニスが家に帰らない日があったのはその女性とお泊まりしていたから、ということも判明した。
イグニスには慰謝料の支払い命令が出される。それがかなりの額であり、彼一人で払えないということで、父親も協力して払うこととなった。
父親は有していた資産を一部売り支払いにあてた。
その際父親に怒られたこともあって、イグニスは浮気相手の女性と会えなくなってしまう。危ないところを助けてくれた父親に「しばらく家で大人しく真面目にしていろ」と言われたため、さすがに逆らえなかったのだ。
結局イグニスとその女性の関係は自然消滅した。
イグニスの母親は「ありもしないことを言いふらした、悪口を言うのが非常に好きな女性」という残念な評判を得ることとなる。今までは悪口を言いふらす側だったが、今度は悪口を言われる側となってしまった。もっとも、彼女が言われる悪口は、ほとんどが本当のことなのだけれど。
そして、夫からは、離婚を申し出られて。
あっという間に一人ぼっちになってしまった。
エミリーはというと、意図的に他者の名誉を汚したという罪に問われ、罪人となってしまう。牢に入れられ、強制労働を強いられる日々。今やエミリーに自由はない。彼女は罪人として奴隷のように扱われている。
一方イレイナはというと、暫しの療養の後、国王の三男と結婚した。
◆終わり◆
イグニスは冷静さを欠いていた。怒りの感情に完全に飲み込まれ、もはや少しもまともな判断ができない状態となっている。周りからの声や音などまったく聞こえない状態である。
「永遠にお別れだ! 出ていけ!」
こうしてイレイナは一方的に婚約破棄された。
◆
イレイナはこのことをすべて親に話した。すると親が国の権力者に相談してくれるということになった。そして数日後、実際に相談し、父親の知り合いである権力者がこの件に関して調査してくれることとなる。
半年後、イグニスたちの行いがすべて明らかになった。
イレイナがされた嫌がらせの数々も明るみに出た。
また、イレイナと同居したのと同じ頃にイグニスが別の女性と親しくしていたという事実も発覚。イグニスが家に帰らない日があったのはその女性とお泊まりしていたから、ということも判明した。
イグニスには慰謝料の支払い命令が出される。それがかなりの額であり、彼一人で払えないということで、父親も協力して払うこととなった。
父親は有していた資産を一部売り支払いにあてた。
その際父親に怒られたこともあって、イグニスは浮気相手の女性と会えなくなってしまう。危ないところを助けてくれた父親に「しばらく家で大人しく真面目にしていろ」と言われたため、さすがに逆らえなかったのだ。
結局イグニスとその女性の関係は自然消滅した。
イグニスの母親は「ありもしないことを言いふらした、悪口を言うのが非常に好きな女性」という残念な評判を得ることとなる。今までは悪口を言いふらす側だったが、今度は悪口を言われる側となってしまった。もっとも、彼女が言われる悪口は、ほとんどが本当のことなのだけれど。
そして、夫からは、離婚を申し出られて。
あっという間に一人ぼっちになってしまった。
エミリーはというと、意図的に他者の名誉を汚したという罪に問われ、罪人となってしまう。牢に入れられ、強制労働を強いられる日々。今やエミリーに自由はない。彼女は罪人として奴隷のように扱われている。
一方イレイナはというと、暫しの療養の後、国王の三男と結婚した。
◆終わり◆
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