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貴方を愛する心では誰にも負けない、そう思っていました。~たとえ悲しくとも、いつかは未来へ~
しおりを挟む貴方を愛する心では誰にも負けない。
そう思っていました。
戦いは好きでない私でしたが、このことに関してだけは、絶対に誰にも負けないのだという自信があったのです。
けれど。
「あんたと生きる道は選ばない。婚約は破棄させてもらう」
その日、告げられてしまったのです。
貴方は私を選びませんでした。
他に良い人がいるのだと。
それだけ言って、私の目の前から去っていってしまったのです。
この時になって私は初めて気づきました。
愛する心では愛を得ることなどできないのだと。
悲しいことですよね。
愛していても愛されないとは。
でもそれが現実、それがこの世の答えなのです。
◆
あれからどれほどの時が流れたでしょうか。
もう思い出せません。
あの日は遠くへ。
長かった辛かった日々も、もはや、過去のものとなっているのです。
あの頃は泣いてばかり。
常に胸は痛く。
明るい未来などこの瞳で捉えることはできず。
そんな毎日でした。
でもそれを変えてくれた人がいて――それが、目の前にいる彼です。
「手を出してくれますか?」
「え、あの」
「片手だけで大丈夫です」
「はい。……っ!」
私、今日、幸せになります。
もう貴方との日々に縛られることはありません。
この日をもって貴方への気持ちは完全に消えるのです。
さようなら、かつて私を捨てた貴方。
私は未来へ行きます。
折れた翼も。
失われた翼も。
いつの日かは蘇るのです。
◆終わり◆
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