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前編
しおりを挟む私一人だけ、皆と違っていた。
髪の毛の色は雪のような白で瞳の色はガーネットのような赤――だからよくあれこれ言われていた。
周りは私を仲間に入れてはくれず。
むしろ冷ややかに突き放した。
――あなたはわたしたちとは違う、と。
そんな環境で育ったこともあって、私は、誰にも愛されなかった。皆と同じような容姿を持っている妹は親からも親戚からも周囲からも愛されていたのに。私だけ、ただ一人、まるで余所者であるかのように扱われていた。
自分たちと異なる要素を持つ者を良く思わない。それは人としてよくある感情なのかもしれない。でもだからといって受け入れられるわけではないし、同じ人間なのに、と思ってしまって。どうしても、酷いな、と感じてしまうのだ。
そんな風にして育ってきた、ある冬の日。
私の人生を一変させる出来事が起きる。
「隣国メルトフォルから来ました、王子のレガルテと申します。貴女のその容姿は、わが国で『救世主』と呼ばれる聖女から受け継がれたものと思われます。なので、よければ我が国へ来ていただきたいと考えているのです」
レガルテは私を必要としてくれた。
人生で初めて。
私という生き物を欲してくれる人に出会えて。
だから私はそれに応えようと思った。
「……はい、私、必要としていただけるのならどこへでも行きます」
「我が国へ来てくれますか」
「はい……! もちろん、喜んで……!」
ずっと居場所が欲しかった。
だから私はレガルテについてゆくことを選んだ。
たとえ嘘だったとしてもそれでもいい、そのくらいに思っていた。
「ありがとう、助かります。ではこれから準備を。数日後、また迎えに来ます」
「はい……!」
隣国メルトフォルの王子レガルテ、彼との出会いがすべてを変えた。
彼は私に行くべき道を与えてくれたのだ。
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