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後編
しおりを挟む「お姉さまみたいなのが見初められるなんて……どーせ詐欺ですわよ!」
妹はそんなことを言っていたけれど、私がレガルテに国へ呼ばれていることに嫉妬しているようだった。
でももう気にしない。
嫉妬から生まれた悪口なんてどうでもいい。
「貴女も幸せになってね」
だからそれだけしか返さなかった。
妹は妹で幸せになればいい。
そして私は私で。
少しでも前を向ける道を、存在価値が高まる道を、歩んでゆきたい。
そうして私は生まれ育った国に別れを告げた。
◆
単身メルトフォルへ移り住んだ私はレガルテの婚約者となった。
異国からやって来た娘、最初はあれこれ言う人もいないことはなかった。でも真っ直ぐに生きていたら周囲が変わっていって。いつしか、受け入れてくれる人支えてくれる人が増えていっていた。味方は確実に増加していったのだ。
そして、レガルテは、いつも私を愛してくれた。
「我が国に来てくれてありがとう」
「いえ」
そんなやり取りはもう何回も繰り返した。
◆
あれから数年が経ったが、私は今もレガルテと共に夫婦として仲良く生活できている。
こちらでの生活にももうすっかり慣れて。
楽しい日々の中で生きられている。
この国のため、私は生きてゆきたい。
今は純粋にそう思っている。
この国は私を救ってくれた。
あの地獄から連れ出してくれた。
だからこそ感謝を。
そして、お返しをしたい。
特技なんて何もない私だけれど――国のために働きたい。
そうそう、そういえば。
妹はあの後領主の子息と婚約するもその自分勝手過ぎる行動のせいで相手に嫌われてしまったそうで婚約破棄されてしまったそうだ。
そして、その一件で生きることに疲れてしまい、何があっても自宅から出られないような状態になってしまったらしい。
まるで廃人のような。
何にもやる気が起きず何のために生きているのかすら分からないような状態らしくて。
もうずっと何にも手をつけていないそうだ。
きっともう過去の彼女は帰ってこないのだろう……。
◆終わり◆
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