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前編
しおりを挟む「婚約は破棄だ!! 死ね!! 消え失せろ!!」
紅白饅頭を食べたら婚約破棄された。
テーブルの上に置かれていたそれ。傍には『エミリア、これをどうぞ』と私に食べることを勧める置き手紙があったのに。それを食べたところ、婚約者モルトレッツに激怒され。勝手に人のものを食べた女として、婚約の破棄を告げられてしまった。
なんてことだ……。
でも心当たりはある。
仕掛けた人は分かっている――彼の妹だ。
モルトレッツの妹は長い睫毛が素敵な愛らしい雰囲気の女性だったのだけれど私を前から凄まじく嫌っていた。
だから、彼女の犯行だろうとすぐに分かった。
でももはや何を言っても手遅れだ。
「今すぐ消え去れ!! 灰になれ、いや、灰も遺さず消えろ!!」
あの書き置きを信じるべきではなかった。
それを信じて食べたから。
まんまと罠にはめられてしまったのだ。
ああ、悲し……。
でももはや何を言っても無駄。
きっと許してもらえる日は来ないのだろう。
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