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5話
しおりを挟む「俺は婚約者を失いかけたんだ、そのお返しをしてやる。ま、彼女の場合は本当にやらかしているわけだから婚約者失って当然なんだけどな」
やたらと強気である。
だがルルーレが嘘によって私たちの関係を崩そうとしたことも事実。
そう考えると、彼女自身の悪しき行動の真実を出して復讐するくらい可愛いものだろうとも思う。
――その後メタストフルは本当にその写真を世に流した。
ルルーレがだらしない女性であるという話が広まった。
想定通り彼女は婚約者から婚約破棄を告げられる。
余計なことをしたためにルルーレは夫となる予定だった人を失うこととなったのだ。
彼女の婚約者は裕福な人だった。
彼と結ばれていればきっと経済的な苦労は一切なく生きていけただろう。
でも彼女にはもうその道は残っていない。
ルルーレは穏やかに生きる道を完全に失ったのだ。
また、その一件以降ルルーレは近所の人から「だらしねー女だな」「女としてないわー」などとやたら声をかけられるようになり、次第に病んでいったそうで――段々人恐怖症になり家から出られなくなっていって、最終的には割った鏡で首を裂いて自らあの世へ旅立ったそうだ。
そして私たちはというと。
「メタストフル! 庭からバケツ持ってきてくれる?」
「はーい」
「それでおしまいだから! 運べたら、お昼にしましょ」
「オッケー!」
式を挙げ正式に夫婦となってからも仲良く生きることができている。
「運び終わった!」
「はーい」
「じゃあ手流してからそっち行くな!」
「食べ物準備しておくからね」
あの時別れていなくて良かった。
心からそう思う。
◆終わり◆
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