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後編
しおりを挟む「一秒でもその姿を見せてみろ、消し飛ばすからな!!」
その日の晩。
「何なのかしらあの男……可愛いメリアにあんなことを言うなんて……」
女神はこれまで見たことがないくらい怒っていて。
「許さないわ!!」
荒々しく叫んでいた。
◆
あの婚約破棄の日から数日が経ったある夕暮れ時、私はダランが亡くなったと聞いた。
聞いた話によると、今日の朝から講演会があって講演していたそうなのだがその時に事件が起こったのだそうだ。
彼は突如服を失った。
負の意味で奇跡に近いその出来事によって、彼は皆に裸体を見られてしまうこととなったそうで。
恥ずかしい姿を見られしかも大勢に笑われた彼は衝動的に三階のバルコニーから身を投げたのだそうだ。
そうして彼は死んでしまったのである。
もしかしてこれって……女神の力、とか……?
◆
あれから数年、私は今も裸の女神と共に生きている。
彼女は富をもたらしてくれる。
それゆえいつだって二人で仲良くしていられる。
こんな幸福なことはない。
「今日も愛しているわ、メリア」
「ありがとう」
「あら、うふふ、ちょっと心を開いてくれたのかしら? だとしたら……嬉しいわね、にやけちゃう」
◆終わり◆
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