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後編
しおりを挟む「ごめんなさい、上手くやれなくて……」
「謝らないで! 貴女は悪くない。どうせあっちが勝手に言い出したのでしょう?」
「……いきなり婚約破棄を言われました」
「そうでしょうね、そんなことだろうと思ったわ」
「ごめんなさいドロテア、せっかく紹介してくれたのに……」
だがドロテアは私を責めようとはしなかった。
「貴女のせいではない、何度も言わせないでちょうだい」
「あ、は、はい」
「じゃあ次、また誰か紹介するわ。それでいいかしら?」
「あ……」
「何か?」
「あの、しばらく結婚うんぬんは……」
「やめておく?」
「お願いします」
それから私は定期的にドロテアのところへ出入りするようになった。
その頻度は徐々に高まり。
次第に関係性も深いものへと変貌していく。
◆
あれから数年、私は今もドロテアと共に生きている。
女性同士?
関係がない。
私たちは今とても仲が良い。
私だって、こんなことになるとは思っていなかったのだ……でも、ドロテアが妙に積極的で、それに流されてこんな風になってしまったのである。
いや、なってしまった、は、失礼か……。
ちなみにオールドレッツはというと、あの後彼の親が王家に歯向かうような行動をとったために処刑された。
オールドレッツ自身の行動が招いたことではないが、彼の親の行いが招いたことではある。少々気の毒なような気もすることはするけれど、この国の制度においては仕方のないことでもある。
それに、私としても、あんなことがあったから彼に味方する気はない。
◆終わり◆
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