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3話
しおりを挟む「何でだよ!!」
たとえ感情的になられても。
「女性といちゃついていたから、それだけです。誰だって、婚約しておいて他の人と口づけするような男性とは関わりたくないものですよ」
「ふざけるな!! キスくらいするだろう、遊びでも!!」
「しませんよ普通」
「なっ……それはお前がダサいからだろう!?」
「いえいえ、まともな人ならしないものですよ」
こうしてルトーカスとの縁は切れたのだった。
そして私は冒険者に戻る。
◆
――あれから三年。
私は先日ようやく結婚した。
夫となった彼は冒険者仲間の男性。
彼自体は回復術の使い手で攻撃性はない人なのだけれど、仕事で関わるうちに仲良くなって結ばれたのだ。
彼の術はかなりのハイクオリティ。
これまで何度も彼の回復術に救われてきた。
「明日仕事入ったんだ」
「そうなの!? また急ね」
「ごめん……」
「いえいいのよ。回復要員が足りない、ってやつでしょ」
「うんそれ」
「よくあるやつよね。いいのよ。じゃあいってらっしゃい」
「なるべくすぐに戻るから!」
「ええ、待っているわ」
ちなみにルトーカスはというと。
ある時、私が探索していた洞窟に爆発物を仕掛けて私や冒険者を殺そうとし、その行いがばれたことによって処刑された。
また、その悪しき行動にはあの時の相手女性も加担していたようで。名などは知らないが、その女性もまた後に拘束されたようだ。彼女は何とか死は免れたものの、生涯強制的に労働させられるという刑に処されたらしい。つまり彼女はある意味で奴隷となったのである。
ま、勝手なことをした罰だろう。
◆終わり◆
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