麗しい金髪令嬢は虐められていますが……その中身は実は!? ~人を傷つければいつか自分も傷つくことになるのです~

四季

文字の大きさ
1 / 2

前編

しおりを挟む

 女子相撲で世界一を狙っていた私は事故でうっかり死んでしまい、麗しい金髪の持ち主である令嬢エリカに転生した。

「見て、エリカよ。あの娘、婚約破棄されたんでしょ? ぶっふぉ! 面白すぎよね~。美しいのに婚約破棄されるなんて性格ぶすなんでしょうね~」
「ほんと、それよねっ」
「おほほ。ま、そういうことですわよね。女にとって美しさは大事ですけれども、美しさだけではないということですわ。おーっほっほほほろほほ」

 しかしエリカは先日婚約者アドリットに切り捨てられたうえ周囲からはあれこれ言われて虐められていた。

 これに耐えられなくなった私は、悪口を言っている女性たちのリーダー格の人に話しかける。

「決闘を申し込みます」
「はぁ~? 何を言っていますの? おーっほほほろのほ! 馬鹿じゃないですの?」
「私が勝ったら……もう二度と悪口をひそひそ言わないでください!」

 そうして手に入れた、暴れられる舞台。

 私は女性を合法的にボコボコにした。

「これでもう何も言わないでくれますね」
「ひっ……」
「良いですか?」
「……わ、分かりましたわよ! もう! 分かりましたわ! だからもう……もう、近づかないで!」

 女性は怯えきっていた。

 私はそのままその場を後にする。

 ――その日以降「エリカはとんでもなく強い、凶暴」という噂が流れてしまい、より一層人が近づいてこなくなってしまった。

 けれども悪口をひそひそ言うような人はいなくなった。

 今はそれだけでいい。
 ひとまずそれで定期的に傷つかなくて済むから。

 仲良くしてほしいなんて贅沢は言わない。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ある早朝、耳もとにひんやりとした感触――って、え!? これ何ですか? どういうことなんです!?

四季
恋愛
ある早朝、耳もとにひんやりとした感触――って、え!? これ何ですか? どういうことなんです!?

この私から都合よく逃げられると思ったら大間違いですわ。代わりに借金返済した分のお金はきちんと返していただきます。

四季
恋愛
この私から都合よく逃げられると思ったら大間違いですわ。 代わりに借金返済した分のお金はきちんと返していただきます。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

不実なあなたに感謝を

黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。 ※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。 ※曖昧設定。 ※一旦完結。 ※性描写は匂わせ程度。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。

悪意には悪意で

12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。 私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。 ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。

彼がいつも言っていた「愛してる」はどうやら嘘だったようです。~彼はざまぁな目に遭ったようですね? いやはや、ざまぁ~

四季
恋愛
彼がいつも言っていた「愛してる」はどうやら嘘だったようです。

悪役令嬢の涙

拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...