王妃となるはずだった私は彼の妹の暗殺未遂捏造によって捨てられてしまいましたが……?

四季

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1話

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 私は若き国王ラシェットと結ばれ王妃となるはずだった。

 しかしそれは泡となり消えてしまう――ラシェットの妹モーラの策略によって。

 モーラはラシェット暗殺未遂を起こした。
 彼の食べ物に毒物を入れ込んだのだ。
 そしてそれを私やその一派による犯行であると言い広め、捏造した証拠物まで作り上げて。

「お前との婚約、破棄とする!」

 ――それによって私は関係を解消されてしまった。

 暗殺しようとした、そういう話になっている私を恐れたラシェットは、少し体調が戻るや否や私との関係を終わらせた。

「お前がそんな女だとは思わなかった……」
「何かの間違いです」

 いきなり「モーラがすべての根源、悪よ」なんて言えるはずもなくて。

「だが! 証拠もあるのだぞ!」
「ですから、前から言っている通り、あれは捏造したものかと」
「はぁ!? モーラを疑うのか!?」
「はい、悲しいことですか」

 私だって、結婚する予定の相手である彼の妹が他人を陥れるような人だと思いたくはなかった。

 でも実際そうなっていて。
 だからそうと認めざるを得ない状況なのだ。

 彼だって認めるしかないだろう、いずれは。

「何ということだ! まずい状況だからとモーラに責任を押し付けるとは……救いようのない女だ!」
「違います!」
「もういい、お前の顔は二度と見たくない……去れ!」

 ラシェットは一方的に押しきり私を城から追い出した。

 ――だがその直後に一人の青年が声をかけてきて。
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