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1話

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 白いティーカップに注がれた赤茶の液体がふるふると視界で揺れる。
 香りをはらんだ湯気がたちのぼっている。

「あぁ、良い香り」

 今ではすっかり平穏な暮らしを手に入れた私にも、一時は波乱があった。

 今日はそのことについて話そう。
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