お母様、私は貴女の駒ではありません。私は私という人間、個です。若くとも、一人の人間なのです。

四季

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前編

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「幼馴染みと結婚? 駄目よ! 貴女はリーズ家の息子さんと結婚するの! 我が家の繁栄のために!!」

 母は野心家だった。
 だから私をも己の望みのために使おうとしていた。

 私は幼馴染みレイビと結ばれることを望んでいたのだけれど、母はそれを認めず、私をベルイング・リーズという青年と強制的に婚約させた。

 仕方がない、そう思おうとしたこともあった。
 けれどもどうしても諦められず。
 そのことをベルイングに話したところ、彼は「望む人と幸せになる方がいいよ」と言って私との婚約を破棄してくれた。

「すみません、このようなことになってしまい」
「いやいやいいよ。だってその話を聞いたら気の毒過ぎる。これで協力したことになるなら僕はそれでいいよ」
「ありがとうございますベルイングさん。では……さようなら」
「丁寧なお礼をありがとう、じゃあ、さようなら。どうか幸せになってね」

 ベルイングとの婚約を解消することに成功した私は、幼馴染みレイビのところへ勝手に向かった。

「え……どうして。リーズ家の彼と婚約したんじゃ」
「婚約を破棄してもらったの」
「え!? ちょ、何それ」
「私はやっぱり母の言いなりにはなりたくない――言っていた通り、貴女と生きていきたいの」

 彼は急な訪問に驚いていた。
 でも拒否はせず。
 むしろ温かく受け入れてくれた。

「そっか。……嬉しいな、そう言ってもらえて」

 こうして私は幼馴染みレイビと勝手に婚約し将来を誓い合った。
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