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後編

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 ◆


 あの日から五年。
 私は今、外国語を学んだことを活かして、翻訳の仕事をしている。

 あれからというもの、私は、恋とか婚約とか結婚とかには関わらず生きていく道を選んだ。そういうものにはもう懲りたのだ。きっと私には向いていなかったのだろう、そう考えて、私は私なりの道を進むことにしたのである。

 その点に関して、両親が理解を示してくれたのはとてもありがたかった。

 ちなみにフォフォコーリンはというと、散歩中にあの女性が落雷に遭って亡くなってしまい、それによって心を病んだそうだ。

 それからの彼はまるで人形のようで。

 言葉を話すことも、自力で何かすることも、一切できなくなってしまったそうだ。


◆終わり◆
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