彼は私に婚約破棄を告げました、心ない言葉を並べながら。~ありがとう通行人のおじさん、貴方のおかげで幸せになれました~

四季

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彼は私に婚約破棄を告げました、心ない言葉を並べながら。~ありがとう通行人のおじさん、貴方のおかげで幸せになれました~

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「お前との婚約は破棄する!」

 告げられた言葉は刃だ。
 この胸に深く突き刺さる。

 せめて一瞬で殺してくれたら、まだ優しかったのかもしれない。

 でも私は死ねない。
 刃が言葉だから。
 本物の刃を胸に突き刺されているわけではないから。

「お前みたいなやつ、生きている価値がない。男に頭を下げることもできないようなやつ、俺でなくても愛さないだろう。誰も愛さないさ、お前のことなんて。俺はこれでも我慢してきてやったんだ、その俺から見捨てられたお前は、一人寂しくばばあになって死ぬしかないんだ」

 彼の言葉はあまりに鋭く。
 言い返すことなんてできなかった。

 こうして私は彼との関係を断たれた。


 ◆


 婚約破棄された直後、一度は死を選ぼうと考え死の一歩手前にまで至った私だったが、通行人のおじさんに捕まったことで死なずに済んだ。

 そして、あれから数年が経った今、私は王子の妻となっている。

 かなり色々あった。
 でも乗り越えて。
 彼と結ばれることができたのだ。

 正直今も信じられずにいるけれど……でも、私は今、王子の隣に立っている。

 これは現実だ。

 気のせいなんかじゃない。
 夢なんかじゃない。
 妄想でも幻影でもない。

 私がここにいられるのも、あの日助けてくれた通行人のおじさんのおかげだ。

 あのおじさんにはきっともう会えないけれど。
 それでも感謝している。
 どこの誰か分からずとも、あの人が私を救ってくれたことに変わりはないのだ。

 ちなみに、かつて私を心ない言葉で傷つけ切り捨てた彼はというと、あの後女性関係で揉めて一人の女性に監禁され続けた果てに刃物で刺されて死亡したそうだ。

 すべての原因は彼が二人の女性の同時に手を出していたことらしい。

 ま、つまり、自らの行動が招いた結果ということだ。


◆終わり◆
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