遥か昔の恋

四季

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遥か昔の恋

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月を見上げるたび
懐かしいあの頃を思い出す
それは遠い過去
愛していた貴方との記憶

あの頃は良かった
指が絡むだけで
手が触れるだけで
特別な感情を食べられたから

今はもう
すべて失われ
太陽の残り香のような月に
思いを馳せるのみ

空に浮かぶ月
湖に浮かぶ月
二つを重ね合わせれば
奇跡が起きる

いつか誰かがそう言っていたけれど
あれは子どものおまじないでしかなく
もちろん奇跡など起こせない
だから私は今も一人佇んでいる

月を見上げるたび
愛おしいあの頃を思い出す
それは遠い過去
懐かしい貴方との記憶

遥か昔の恋

どれほど時を経ても
想いだけは変わらずそこに在る

遥か昔の恋

空に
湖に

今も確かに……
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